シルクロード&新疆ウイグル自治区ひとり旅のルート・費用・治安などのまとめ

天皇陛下がくれた10連休。

いままでの私の旅人生においても、忘れえぬ旅になりました。

10連休でシルクロード6都市を回る、いつも通りの駆け足弾丸紀行だけど、だからこそ、中身が濃く、私の中では、いつまでも色あせることはないでしょう。

そんな10連休のシルクロード・新疆ウイグル自治区弾丸紀行をまとめてみましたので、同方面への旅を企画されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてみてください。

シルクロード・新疆ウイグル自治区の旅 全行程

今回の旅の全行程がこちらです。

時系列にリンクを貼ってありますので、読みたいところからどうぞ。

私としても思い入れが深く、11日間の旅に、52記事および写真総計1,800枚を貼りつけた大作です。

日付

午前

午後
4/26(金) シルクロードの旅 出発まで

羽田 ⇒ 上海

1.10連休前夜の出国

2.上海虹橋空港で夜明かし

4/27(土)

上海 ⇒蘭州

3.飛行機&高速鉄道の移動

蘭州観光 ⇒ 敦煌

4.黄河の流れる景色

5.蘭州駅待合室でのひととき

6.寝台列車で敦煌へ

4/28(日)

敦煌観光

7.早朝の陽関

8.莫高窟のチケット確保

9.ロバ肉のランチ

敦煌観光

10.莫高窟

11.鳴沙山・月牙泉

12.敦煌の夜市

4/29(月)

敦煌観光

13.朝の敦煌町歩き

14.バス旅 敦煌 ⇒ 柳園

敦煌 ⇒ トルファン

15.新幹線でトルファンへ

16.トルファン北駅での出来事

17.初めて食べたラグメン

4/30(火)

トルファン観光

18.朝のトルファン

19.高昌故城

20.アスターナ古墳群

21.火焔山のドライブ

トルファン観光

22.ベゼクリク千仏洞

23.蘇公塔&交河故城

24.カレーズ楽園

25.楼蘭ワイン

5/1(水)

トルファン ⇒ カシュガル

26.シルクロード南彊線とは

27.トルファン駅でのひととき

28.シルクロード列車旅①

トルファン ⇒ カシュガル

29.シルクロード列車旅②

30.シルクロード列車旅③

31.未明のカシュガルに到着

5/2(木)

カシュガル ⇒ カラクリ湖

32.クルマをチャーター

33.カラコルム・ハイウエイ

34.白沙湖の風景

カラクリ湖 ⇒ カシュガル

35.カラクリ湖の風景

36.カシュガルへの帰り道

37.夕暮れのカシュガル

5/3(金)

カシュガル観光

38.アパク・ホージャ墓など

39.カシュガルのバザール

カシュガル観光

40.エイティガール寺院

41.ユスフ・ハズ・ジャジェブ墓

42.カシュガル老城

5/4(土)

カシュガル ⇒ ホータン

43.カシュガル駅の光景

44.喀和線列車の旅 ホータンへ

ホータン観光

45.ホテルに現れる入国管理官

46.不思議な町ホータン

47.カメラが嫌いな警察

5/5(日)

ホータン ⇒ ウルムチ

48.飛行機でウルムチへ

ウルムチ ⇒ 上海

49.ウルムチのラウンジなど

5/6(月)

上海観光

50.七宝老街

上海 ⇒ 成田

51.リニアモーターカー体験

52.ANA機で帰国

こうしてみると、やっぱり大旅行だったんだな・・

現役サラリーマンの、シルクロード紀行です。

11日間の旅を書き記すのに、ブログのリニューアルと重なったこともありますが、2ヶ月を要しました。

その間、旅の道中でのメモの見直し、写真の編集、ライティングと、仕事してるかブログ書いてるかの日々でした。

中国本土 往復のフライトスケジュール

  日付 航空会社 便名 フライト
往き 4/26(金) ANA NH967 羽田22:30 ⇒ 上海浦東0:35
帰り 5/6(月) ANA NH960 上海浦東17:05 ⇒ 成田21:00

13ヶ月前の発売開始と同時に手に入れたチケットがこれです。

でも、案ずることなく、とくに帰りのフライトは空席もありました。日本人は、10連休どこか別の国を旅行したようですね。

帰りのANA便は、あともう一本遅く、羽田深夜着というのもありましたが、最終バスに間に合うか微妙だったので自重しました。10連休最後の日で疲れもたまってるだろうし。

中国 鉄道列車の手配

広大な中国を縦横に駆け抜ける、中国の長距離列車。

その存在意義は高く、飛行機での移動が当たり前になりつつある現代においても、人口の絶対数の多い中国大陸では、生活の足として、24時間以上かけて走る長距離列車が無数(かどうかはわかりませんが)に走りまくっています。

かつては、困難を極めた中国列車のチケットの手配も、今はおそろしいほど簡単。

trip.comという旅行会社のサイトで予約するだけで、予約と決済は完了し、あとは、窓口にスマホの画面を見せてチケットの現物を手に入れるだけ。

ただ、今回は、中国の労働節と重なったため、普段とは違う経験もしました。それに関して、記事中に述べたので、もし関心のある方は、ご覧ください。

旅費・ホテル代など

さて、気になる旅費はいくらかかったのか。計算してみました。(1元=16円で計算)

用途

利用区間など

費用

飛行機

(ANA)

羽田 ⇒ 上海

上海 ⇒ 成田

38,000円

飛行機

(上海航空)

上海 ⇒蘭州

12,000円

飛行機

(ウルムチエア)

ホータン ⇒ ウルムチ

9,540円

飛行機

(中国東方航空)

ウルムチ ⇒ 上海

13,500円

列車

中川空港 ⇒ 蘭州 (1等)

512円

列車

蘭州 ⇒ 敦煌 (高級軟臥)

11,200円

列車

柳園南 ⇒ トルファン北 (2等)

3,100円

列車

トルファン ⇒ カシュガル (軟臥)

7,300円

列車

カシュガル ⇒ ホータン (軟臥)

3,100円

ホテル

敦煌:敦煌天润国際大酒店

6,000円

ホテル

トルファン:吐魯番高昌路店(2泊)

7,400円

ホテル

カシュガル:喀什天縁国際酒店(3泊)

11,400円

ホテル

ホータン:西域大酒店

3,500円

ホテル

上海:上海中航虹橋機場泊悦酒店

8,000円

ガイド

敦煌観光(陽関・莫高窟・鳴沙山など)

22,000円

ガイド

トルファン観光

(高昌故城・ベゼクリク千仏洞など)

24,000円

チャーター

カシュガル~カラクリ湖 往復

19,200円

しめて、合計199,752円。別に、20万円以内におさめようとしたわけじゃないですが、こうなりました。(食費などは入っていません)

11日間を約20万円。1日あたり約18,200円で、生涯忘れえぬ記憶が手に入るなら安いもんだと思いますが、いかがでしょうか。

ツアーで行った場合はどうか?

HISやJTBが、「シルクロード9日間の旅」と銘打って19万円~25万円くらいで催行しているようですが、今回の5月の10連休では、とてもそんな値段では無理だったでしょう。

HISなどのツアーは、基本的に、休みをいつでもとれるお年寄り向けで、旅費が高騰する時期にしか旅をできない現役サラリーマンは、ほんと工夫するしかないですね。

それに、一人旅だったからこそ経験できたことも数多い。

したがって、私は、約20万円で、シルクロードに新疆ウイグル自治区を思う存分回れて、大満足です。

旅費の内訳は、飛行機代が73,040円。列車代が25,212円。ホテル代が36,300円。ガイド&チャーターが65,200円。

列車やホテル代がとても安いのが、中国の旅の特徴。ホテルなんて、基本的に4つ星以上をチョイスして、1泊平均4,537円ですから。

飛行機代は、これ以上のダンピングは無理としても、列車を硬臥や硬座にして、ホテルを青年旅社などにすれば、合計3万円くらいは安くできるかな。体力と根性があればですが。

ガイドやチャーター代がかさむのは仕方ないと考えています。限られた時間で、あれもこれも見たいとなれば、時間を金で買うしかないので。

気候など

5月のシルクロード。「地球の歩き方」には、日本の5月と同じくらいと考えておけばよい、とありましたが、概ねそんな感想です。

もちろん、広い新疆ウイグル自治区、場所によっても大きな違いがありますが、砂漠らしく「暑い!」と思ったのは、トルファンとカシュガルの町を歩いていたときぐらいで、あとは気温20度前後と涼しくて過ごしやすかったです。

カラクリ湖だけは標高が高く、気温10度くらい。上着がいりましたね。そんな中、私は延々と警察に尋問を受けましたが(笑)

ちなみに空気は、めちゃくちゃ乾燥しています。定期的に、散水車が通りに水を撒いているほど。町行く人は、みんなマスクをつけていました。

食事など

シルクロードを旅して、食事にはまったく困らないのではないでしょうか。豊富な種類の中華料理に加え、牛肉麺などのイスラム料理、ラグメンなどウイグル料理も安く提供されます。

食事と一緒に供されるお茶もおいしいんですが、これを街中で飲もうとすると、砂糖が入ってるのには閉口。ブラックコーヒーを街中で飲むのにも、ちょっと苦労しました。

単純に、言葉ができないからなんですけどね。

新疆ウイグルは基本的にイスラム圏ですが、お酒は自由に飲めました。街中に、ふつうに酒屋がありますし、「超市」で買うこともできます。

心残りなのが、ウイグル料理は結局ラグメンしか食べられなかったこと。ガイドさんが言ってた「ハト肉料理」やピラフの「ポロ」なども食べてみたかったです。

治安など

治安は、かなりよかったと思います。なにしろ、そこら中に警官がいるし、監視カメラが設置されているので(笑)

まあ、これは冗談ですが、冗談ではないほど、テロなどの攻撃に対して国を挙げて備えているというのは、そういう空気でわかりました。

なので、そこから派生して、街中のいわゆる強盗などの治安も、非常によかったと思います。

蔵前仁一さんなどの紀行文を読むと、かつてはカシュガルなど、夜は1人では歩けない(まあ、どこもそうですが)という批評があったように思いましたが、まったく平和そのものでした。

この旅では、流しのタクシーに計4回乗りましたが、いずれも「ぼったくり」はなしです。

治安とは別の意味で気をつけなくてはならないのは、やっぱり写真撮影。

警察関係者や施設の撮影など、とんでもない話でしたね。

これはわかるんですが、そんなものを被写体に収めていなくても、すぐに警官が飛んできて、画像の消去を求められるのには、最後はうんざりしました(笑)

まとめ

日本に帰ってきてからも思い出します。鳴沙山や火焔山、莫高窟などの遺跡、カラクリ湖の雄大な自然・・・

なので、新疆ウイグル自治区への旅は、最高ですよ、おすすめですよ、と言いたいところですが、これから新疆ウイグル自治区は、どこへ向かっていくんでしょうか。

帰国後も注意していると、ウイグル人への弾圧や「強制収容所」や「再教育施設」などにスポットをあてた報道がたびたびなされています。

たしかに、ホータンの町を歩いているときの、威圧感はすごかった。中国政府は、本気でタクラマカン砂漠一帯を、「一帯一路」構想と称して、軍事王国を創り上げる気なのではないかと。

これは、ホータン駅から出る乗客を、一人一人チェックする行列。

古代シルクロードは、いつの時代も、君臨する国にとって、なくてはならない交通の要衝だった。

2,000余年の時を経てもそれは変わらず、中国政府はシルクロードを巨大な軍事ルートに姿を変えようとしている、そんな気がしてなりません。

1人の旅人として、中国政府の「一帯一路」構想が、今後どのように形づいていくのか、とても興味のあるところであります。

しかし、新疆ウイグル自治区がどんな状態であろうと、そこで目にした風景や町の情景が、たとえようもなく美しかったのも事実。

幸い、2019年7月現在、外務省の海外安全HPの危険度ランクはレベル1。

関心のある方は、一度、新疆ウイグル自治区をたずねてみてはいかがでしょうか。