さて、これから、列車に乗って、シルクロードのオアシス都市 敦煌へ向かいます。
敦煌は、ぜひとも行ってみたかった町の一つ。
蘭州から敦煌までは1,133キロ。
ふつうなら飛行機で移動する距離ですが、ここはシルクロード、やはり列車で地を這って進みたい。
寝台列車の旅なので、景色の半分は闇となってしまいますが、なんとなく距離感はつかめるでしょう。
実は、蘭州から敦煌の間には、「張掖」「酒泉」「嘉峪関」といったシルクロード都市があります。
もちろん行ってみたいですが、今回は涙をのんで割愛。次回以降の楽しみとします。
「二楼軟席候车室」でのひととき
「蘭州」とは、完全に日本語で、読みは「ランジョウ」。漢字も見てのとおり。
駅の中に入ると、売店があるかどうかわからなかったので「超市」によって物色。
気に入ったパンとかがなかったので、何も買わずに出ました。ちなみに、「超市」とは、スーパーのこと。わかりやすいね笑
さて、厳重なセキュリティを通って、駅の中に入ります。
荷物検査だけでなく、パスポートとチケットに記載されたパスポート番号を照合する徹底ぶり。
チケット持ってない人は、見送りの人も入れないのかな。
無事に駅の中に入れました。敦煌行きの列車の出発時刻まで2時間近くありますが、中国の長距離列車は、列車ごとに待合室が決まっています。
私が乗る18:03発 敦煌行き Y667列車は、「2楼第3候车室」です。
つまり、2階の第3待合室ということですね。2階が2楼なんて、中国語もかっこいいよな。
エスカレータで2楼に上がり、第3ルームはこちらですか。
第3待合室に入ってびっくり。この混雑です。
土曜日の夕方だし、みんなどこかにでかけるのかな。しかし、さすが中国、どこにいっても人が多い・・
今朝、中川空港で引き換えた敦煌行き列車のチケット。
このY667列車は、蘭州から敦煌へ行く列車の中では優等列車のようで、通常の2等寝台(硬臥)、1等寝台(軟臥)のほかに「新空調高級軟臥」と呼ばれる特別室があります。
一晩寝るだけで、とくにどうということもないですが、シルクロード最初の夜なので、奮発しました。
蘭州⇒敦煌で、硬臥4,100円、軟臥6,200円に対して、高級軟臥は11,400円と多少値は張りますが。
チケットをよく見ると、待合室のことまで記載されています。
「二楼軟席候车室」とあります。専用の待合室があるんでしょうか。
そうじのおじさんにチケットを見せてたずねると、「こっちだよ」と教えてくれました。
エスカレータをあがった目の前に、軟席チケット保有者専用の待合室があったんですね。
おじさんは、鎖をはずしたりして、一般人は入ってはいけないようなところを通り、私を案内してくれました。VIPになった気分。
ところが待合室の中は、殺風景。シートがふっくらしているだけで、タバコも吸えないというのは、中国人にとっては有難くない?
ま、ノースモーカーの私にとってはいいですが。
やることもなく、ひたすら座って、発車時間を待ちます。
こんなときも、旅人にとっては至福のとき。
明日には目にするはずのシルクロードの景色に、思いを馳せます。
ここ蘭州は、今も昔も交通の要所。
敦煌行きのほかにも、チベットのラサ行き、四川省の成都行き。色とりどりです。
ラサなんて、行ってみたいな・・・
ところで、つまみを買いそびれました(^_^)
駅の中に入ったら、売店という売店がありません。そんなこと、中国の人からしたら常識なのか、待合室に入ってくる人のほとんどが、車内で食べるパンやつまみ、お酒などが入ったビニール袋をさげています。
こりゃ失敗した・・ 食堂車があるでしょうから食事にはぐれることはないとは思いますが、パンとかポテトチップ、それと水などの飲み物も欲しかった。そう考えると、なんだか喉まで渇いてきた。
通りかかった、50歳くらいの小太りで年配の女性職員に、「売店はないのですか?」と筆談(ていうかスマホの翻訳アプリ)でたずねます。すると、一般用の待合室の奥に何かある、みたいなことを身振りでいいます。
では、さっそく行ってみるか、と荷物を引っ張ろうとすると、もう一人の職員に荷物を見張らせて、一緒についてきてくれました。なんたる親切な・・・
売店は、キオスクのような小さなもの。
そして、3等車の客でとても混んでましたが、ここでも女性職員が、私の代わりに割り込んで会計を済ませてくれました。
言葉もできない日本人が情けなそうにウロウロしてると、ときおり受ける中国での親切です。おっかさん、ありがとう!
手に入れた水とパン。今夜の非常食です。
再び待合室に戻ります。スマホ社会の中国では、充電施設は欠かせませんね。
ようやく、改札が始まりました。
さっきの、おっかさんにお礼を言って、プラットフォームに向かいます。
いよいよ、本格的に、シルクロードの旅がはじまります。
明日の朝は、敦煌に着いたら、さっそく、陽関など、シルクロードの遺跡を回ります。
浮き立つ気持ちを静めるのに精一杯?