アシアナ航空ANAマイル特典ビジネスで行く中央アジアひとり旅出発前夜

中央アジアは広い。

中央アジアと聞いて、どのエリアあるいは国を思い浮かべるだろうか。

どんな定義があるか知らないが、一般的にはカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンの5か国が中央アジアと定義される。

面積は5か国合わせて約400万㎢。

これは日本の約10倍、オーストラリア大陸の約半分というとんでもない広さだ。

そして、これらの国は、かつてはソビエト連邦だったというのも驚くべき事実。

現在のロシア政府の横暴さには眼をそむけたくなるばかりだが、民族も文化も宗教も異なる地域をよくもまあ統一国家の枠組みに入れ込んでいたものだと思う。

この中から、2025年夏に旅することを決めたのは、ウズベキスタンにタジキスタン。

いつもながら、往復特典マイルのビジネスクラス確保によるフライトスケジュールから、ほぼ自動的に渡航国は決まってしまった。

ANA提携会社特典ビジネスクラス 成田 ⇔ タシケント

旅マニアでありながら、マイルの仕組みについては深くわかっていないというのが正直なところ。

特に、提携会社特典については、必要マイル数や確保した後の変更ルールなど、はっきり言って難しすぎて理解が及ばない。

だから私は、あまり小難しく考えず、いたってふつうに検索して、感覚的にコストパフォーマンスがよさそうな路線をおさえることにしている。

2025年の夏、確保できたのが成田 ⇒ タシケントのアシアナ航空のビジネスクラスだった。

タシケントにはANAは就航してないんだけど、アシアナ航空がスターアライアンスでANAマイルを使えるのでANAのコンピュータが自動的に割り出しました。

それで、面白いのが、行き先はタシケントでもいくつか路線を選べること。

上の画像のように、往きはオーソドックスにソウル乗り継ぎだけど、帰国時はソウルからわざわざ中国・大連に寄って、それからANA便で成田へ帰ってくるルート。

とてもふつうの旅客が選ぶようなルートではないが、そのまま成田に帰ってきても大連を経由しても必要マイル数がかわらず63,000マイルなら、ビジネスクラスの優雅な空間に1本多く乗れて食事やお酒も楽しめる。

だったら、長く乗れた方がいいじゃないか、と私のような旅人は考える。

ちなみに、アシアナ航空のビジネスクラスでタシケント往復を実費でアレンジすると、だいたい40万円。

40万円を63,000マイルなので、1マイルあたりの価値は6.3円とコスパ的には微妙だけど、計5本乗れるということは、日常生活では絶対にありえないおもてなしを5回受けられるということで、納得のプログラムだ。

というわけで、今回のフライトスケジュールはこんな感じになりました。

  航空会社 便名 フライト
往き(8/2土) アシアナ航空 OZ107 成田9:00 ⇒ ソウル仁川11:30
往き(8/2土) アシアナ航空 OZ573 ソウル仁川16:10 ⇒ タシケント20:00
帰り(8/9土) アシアナ航空 OZ574 タシケント21:40 ⇒ ソウル仁川7:55
帰り(8/10日) アシアナ航空 OZ377 ソウル仁川10:30 ⇒ 大連10:55
帰り(8/10日) ANA NH904 大連13:15 ⇒ 成田17:15

北米やヨーロッパなどのANA直行便のビジネスクラスを、特典マイルで8月の多客期におさえるのは、私のような会社員&素人には無理。

マイナー路線を1年前に狙うのが特典マイルでのビジネス確保の王道です。

強いて言えば8/11も海の日で休みなので、本当なら帰国は1日遅らせたかった。

しかし取れなかった(^ ^)

上記のようなスケジュールを63,000マイルでGETできて、私は十分に満足です。

楽しい渡航国選び&スケジュール

さて、ウズベキスタンの首都タシケントを起点として、約1週間でどこへ行くか。

こうして、あれこれ想像をふくらませるのも、旅の楽しみのひとつ。

というより、これも、オーソドックスに考えれば、1週間の旅程ならすべてウズベキスタンにあてるのが一般的でしょう。

でも私は、せっかく中央アジアを旅するのだから、

  • シルクロードの街々の文化の違いを感じとりたい
  • 陸路国境を越えてみたい
  • 大陸横断的な列車旅をしたい

という3つの目的を課してみた。

そこで、8年も前の「地球の歩き方」をひっぱりだし、パズルのようににらめっこしながらルートを決めた次第です。

日付

午前

午後 宿泊地

8/2(土)

成田9:00 ⇒ ソウル11:30

ソウル16:10 ⇒ タシケント20:00

タシケント

8/3(日)

タシケント8:00 ⇒ ドウシャンベ9:00

ドウシャンベ観光

ドウシャンベ

8/4(月)

ドウシャンべ ⇒ ペンジケント(チャーター車)

ペンジケント観光

ペンジケント

8/5(火)

ペンジケント観光

ペンジケント ⇒ サマルカンド(シェアタクシー)

サマルカンド観光

サマルカンド

8/6(水)

サマルカンド観光

サマルカンド観光 サマルカンド

8/7(木)

サマルカンド11:03 ⇒ ブハラ12:46

ブハラ観光 ブハラ

8/8(金)

ブハラ観光

ブハラ観光

ブハラ23:15 ⇒ タシケントへ(列車)

寝台列車

8/9(土)

⇒ タシケント7:02

タシケント観光

タシケント観光

タシケント21:40 ⇒ 

飛行機

8/10(日)

ソウル7:55

ソウル10:30 ⇒ 大連10:55

大連13:15 ⇒ 成田17:15

 

中央アジア通の方でもない限り、上のスケジュール表を見ても、イメージが湧かないでしょう。

そこで地図をお目にかけます。

フライトはタシケント往復で確保したけど、すぐさまタジキスタンの首都ドウシャンべに飛び、チャーターやシェアタクシーでペンジケント経由でサマルカンド。

そして列車でブハラ。

まさにシルクロードをなぞるようなルートに仕立て上げられて、一人で勝手に悦に浸ってます。

あと、治安等のことを考慮しても、上記のルートにせざるを得ない事情もある。

タジキスタンやキルギスの国境付近、アフガニスタンとの国境付近などは、イスラム過激派組織及び麻薬密輸グループの活動の拠点となっていて、外務省はレベル2、つまり「不要不急の渡航を控える」ように案内しています。

出典:外務省海外安全ホームページより(2025年8月現在)

中央アジアの気候、通信事情、旅行記など

さて、出発がせまり、気候の確認や現地のチケット、SIMなどの通信事情をチェックし、そして旅行記なども読んでおきたい。

まず気候だけど、これは単純で、中央アジアの夏は、雨は全く降らず暑いだけ。

40度から45度なんてのはザラで、50度に到達することもあるそう。

これは日焼け止めクリームの新品を用意しておいた方が良さそうだ。

そして、乗る予定の列車のチケットだけど、これは安全策をとって、あらかじめ現地の旅行会社にwebで予約をお願いしました。

※予約した旅行会社はこちら

ウズベキスタンの鉄道予約 | ウズベクフレンズ株式会社
ウズベキスタン国内の鉄道はオンラインで予約/チケットの購入ができます。40日前から予約可能ですので、こちらから直接お買い求めください。 ウズベクフレンズでの手配...

とにかく、英語がまったく通じないそうで、自国語かロシア語といった感じらしい。

そして、タジキスタンではSIMも手に入らなそうなので、翻訳アプリも期待できない。

さらに、夏の多客期は、人気列車はすぐに満席になってしまうとの情報もある。

そのあたりを勘案して、列車のチケットを事前に申し込んだわけです。

 

さて、最後に現地の雰囲気を感じとれる旅行記を読んでおきたい。

中央アジアに関しては、ガイドブック風の案内ブログはいくらでもあるけど、臨場感のあるいわゆる「旅日記」や「紀行文」がなかなか見つからない。

沢木耕太郎氏「深夜特急」は、中央アジアは通らないし、蔵前さんの本でも意外に文献が見当たらない。

下川氏の著作では中央アジアがけっこう紹介されているが、氏の書籍は国境越えやビザ取得など、いわゆる手続き論に文字の多くが割かれている。

参考になったのが大木茂氏の「ぶらりユーラシア」。

これは氏が2019年11月、ユーラシア大陸を列車を乗り継いで横断する話で、タジキスタンやウズベキスタンも通過し、今回私が訪れるペンジケントにも立ち寄っているので、大変参考になった。

ただし、氏はプロカメラマン。

政府関係施設やバザールでの市民にカメラを向け、写真を撮っては注意されるの繰り返し。

そしてそのたびに、RAW画像だけ消去したように見せかけて、実はjpegは残されているよ、という強者です(^ ^)

興味深かったのが、佐藤優氏の「15の夏」。

これは、いまから40年以上前。ウズベキスタンが旧ソ連の共和国だった頃の紀行文だ。

高校1年生の夏休みをまるまる42日間使って共産圏を旅した旅行記。

旅の間に学校の勉強したり、あらためてこの人すごいな。

でもやっぱりシルクロードにソビエト連邦は似合わないよ。

ペレストロイカがなくても独立してた気がする。

と、こんな感じで中央アジア&シルクロードへの旅の気分を高めているうちに出発の日が近づきます。