喀和線 列車の旅 カシュガルからホータン(和田)へ【シルクロード旅行記 #30】

シルクロードの旅も、あと3日。ここまで8日間、順調にスケジュールを消化。次は、新疆ウイグル自治区で最後の訪問地ホータンを目指します。

ホータンは、何があるの?と聞かれると、特に何もない、と答えてしまうような、何もない町。

遺跡もなければ、自然の特色もない。クンルン山脈のふもとのタクラマカン砂漠にポツンとある、何の変哲もないオアシス都市です。

かつては、玄奘三蔵もインドからの帰途、西域南道のルートでホータンを訪ねているし、マルコポーロも通った、東西を結ぶ主要ルートでした。

でも、この町って、大学受験のときに地理で習ったし、ロールプレイングゲーム「弁慶外伝Ⅱ」なんかにも登場し、どんな町なんだろうと、一人の旅人として、常に気になっていました。

折りしも、カシュガルからホータンまで喀和線が2011年に開業し、カシュガルから5時間から7時間で結ばれるようになりました。

逆にいえば、それまでは陸の孤島だったわけで、発展著しい新疆ウイグル自治区の中でも、ひなびたオアシス都市の昔の姿を垣間見れるのではと、私としては、大変期待しながらのホータン訪問です。

 

と、ここまでは、まだ見ぬ土地に思いを馳せ、気持ちが高揚している旅人そのものの心境でしたが、実のところ、ホータンでは、私の今までの旅人生で初めての経験をしました。

 

This is the 新疆ウイグル自治区 みたいな・・・

本日の移動スケジュール

日付便名スケジュール移動距離料金

5/4

(土)

k9719

カシュガル3:26 ⇒ ホータン10:18

488km

約3,100円

※軟臥

偶然にも、3日前にトルファンからカシュガルまで乗った列車と同じ。その列車の行き先はホータンですので、カシュガルからの続きを乗る、そんな感じです。

朝の3:26発とはいかにも早いですが、この列車しか予約が取れませんでした。カシュガル~ホータンの喀和線は、計4本の列車が走っているのですが、どの列車も満席。

5月4日は労働節の最終日。翌日の5日は日曜日ですが、中国では平日扱いにするとのこと。それで、移動客が多いんだろうか。

ところで、カシュガル駅を3:26に出るということは、駅に入る保安検査や各種尋問?に備えて、1時間前には到着する必要がある。

2時半に駅に着くつもりで、ホテルを2時に出発しようと計算しました。

 

さて、10時間に渡るカシュガル散策で、身体は疲れ切っています。

シャワーを浴びて、時計を見ると23時。21時過ぎまで旧市街を歩き回り、ホテルに帰ってきたのが22時近かったんだから仕方ない。

午前2時まで3時間しかありません。寝たら間違いなく寝過ごす、と考えて、徹夜です(^_^)v

未明のカシュガル駅大行列

予定通り?一睡もせずに、午前2時前にフロントに下りて行くと、フロント嬢は、カウンターに顔を突っ伏して眠っています。

この開けっ広げな性格、私は好きですが、デポジットを返してもらうために、起こさないわけにはいきません。肩のあたりをつっつくと、(な、なに、何が起こった!)という顔で目覚め。お姉さんごめんなさいね(笑)

起こしちゃったついでに、タクシーを頼むと、そこにいるよ、とばかりに荷物も引っ張ってホテルの外に案内してくれました。漢族のお姉さん、ありがとう。

タクシーは、未明というより深夜の道をカシュガル駅に向かって飛ばします。

20分ほどでカシュガル駅に到着。どうせまた、長々と検問があるんだろうと、身構えていたら、勝手に門が開いてしまう。しかも、みんな自由に入っていく。いいのかな。

とりあえず、駅前広場に入りました。

この辺から、異様な光景が。深夜の駅前広場に、列車を待つ人々の集団。

さらに異様な光景が。駅に通じる検問所の前で、行列をなすウイグル人。

私のような外国人が警戒されるのは、まあわかるとして、同じ中国人なんだから、中に入れてあげればいいのに。日中、あれだけ暑かったカシュガルも、深夜の今は、肌寒いんです。

  

ようやく、検問所の中の灯りがついて、乗客を受け入れはじめましたが、荷物やマイナンバーなどを厳重に調べるもんだから、一人一人にすごい時間がかかっています。

よく、みんな文句を言わないもんだ・・

 

検問所を通過したと思ったら、今度は駅舎に入るための保安検査。

これだけの検査をすれば、テロはほぼ防げるでしょう。しかし、効率が良いとはいえないよな。私のチケットの上にも、「身分確認済み」のスタンプがドンと。

このスタンプも、最初はもらい忘れ、別の列に並び直しています。

計算していた通り、駅についてから駅の中に入るまで、約40分かかりました。

ようやく駅の中に入れてほっとします。

 

先日の列車と同じなら、食堂車はないでしょう。売店があったので、フリスピーのような硬いパンと、砂糖が入ってることを承知でお茶を仕入れておきました。

待合室。しかし、すごい光景だ。現在午前3時です。

日本も、戦前、戦後の混乱期はこんな感じだったんだろうか。私の旅経験では、ゴールデンウイーク前夜に上野駅から夜行列車で旅立たんばかりの風景。これが重なります。

席もふさがっていて、やることもないので、荷物を柱にくくりつけて待合室内の散歩。

これは何の案内ボードかな、と思ったら、指定席の残りの数ですね。このあたりは親切です。

中国列車の旅 喀和線でホータン(和田)へ

ようやく改札がはじまってホームへ。3日前の光景と重なります。デジャブですね。

3日前と同じ軟臥車なので、やっぱり同じ9号車でしたが、部屋は1号室。扉を開けて入ると、案の定同室者はぐっすり眠っています。

静かに、荷物をベッドの上に乗せて車掌さんが来るのを待ちます。車掌さんはすぐにやって来て、チケットを確認。チケットとカードの交換はしなかったように思います。終点まで行くからかな。

 

とにかく、一睡もしてないんです。持ってきた「楼蘭ワイン」をゴクッと飲んで、就寝です。

 

目が覚めると、時刻は8時少し前。4時間ちょっと眠ったことになります。カーテンを少し開けると、今まさに太陽が昇ろうとしていました。

この列車のホータンまでの時刻表はこちらです。

カシュガル3:26
英吉沙4:23
ヤルカンド6:35
澤普6:55
葉城7:27
皮山8:27
Kunyu9:33
墨玉10:02
ホータン(和田)10:18

通路に出てみましたが、ひっそり。新疆ウイグルの人たちにとって、午前8時は午前6時くらいの感覚なんだろうね。

 

駅を通過です。

 

部屋に戻って、またカーテンを開けます。タクラマカン砂漠の向こうに太陽が昇ります。

  

今日も天気良さそうです。

 

緑が多くなってきた。駅が近いかな。

 

皮山という駅に到着。

けっこう降りる人多かったです。ほとんどウイグル人という顔をしています。

 

タクラマカン砂漠の南端を行く

駅を出ると、また砂漠が広がります。

 

タクラマカン砂漠。これは、ウイグル語で、「一度入ったら出られない」という意味です。古代はそうだったんでしょうが、現代では、縦横に道路が設けられています。

当初、この旅の計画を立てる際、ホータンからの帰途は、ぜひともタクラマカン砂漠をバスで横断するルートをとりたかった。

ホータンからウルムチまで、バスで24時間かかるそうですが、それでもいい。

10連休という限られた時間の中で、カシュガルやホータンの町の散策時間を捻出しようと考えたら、タクラマカン砂漠のバスでの横断は落とさざるをえず、ホータンからウルムチへは飛行機で飛びます。

この広大な砂漠ととことん付き合いたいと思っていたわけですが、トルファンからカシュガルへ向かう過程で砂漠も眺められたし、西域南道についても、こうして列車で走り、タクラマカン砂漠の南端を眺めている。

もう十分に満足しています。機会があったら、西域南道の続き、ホータンから敦煌、あるいは楼蘭までをたどってみたい、そう思います。

部屋の中が明るくなって、コンパートメントの居住者が判明。同室者は隣の下段ベッドの女性1人だけでした。

朝食に、カシュガル駅で買った乾パン?をかじります。

非常に硬いパンでしたが、中に杏のようなジャムが入っていて、おいしかったです。

砂漠に忽然と駅が現れ、通過します。

また町が近いかな。しかし、開発の仕方がすごいね。砂漠の中に林立するビル。  

 

昆玉駅。ここからは、乗ってくる人も大勢います。カシュガル~ホータンに鉄道が開通したのが2011年。それまで、この沿線の人たちは、移動の基本はバスでした。

昆玉駅を発車すると海が? タクラマカン砂漠に海? 一瞬、蜃気楼かと思いました。

クンルン山脈からの雪解け水がたまった湖なのでしょう。 

 

また緑が広がり、町が近づきます。

砂漠の中でも、農作業ができる不思議。水さえあれば、場所は関係ないんだね。というより、水さえあれば、台風などの荒天がない砂漠地方のほうが、農業には適しているのでは、とも思えてくる。

墨玉駅に停車。次は終点ホータンです。

ウイグル人が列車を降ります。

 

ホータンが近づき、車窓も近代化してきました。

一方で、旧市街の端くれのような民家もあります。ホータン、どんなところなのでしょうか。

定刻の10:18にホータン駅に到着です。

30時間以上も砂漠を駆け抜けてきた割には、きれいな車両。

さて、この時点では、ホータンに様々なハプニングが待っていることも知らずに、シルクロードの町ホータンに来たことだけを喜びながら、キャリアをゴロゴロ転がしています。

 

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