カシュガル駅の待合室。
しかし、すごい光景だ。現在午前3時です。
日本も、戦前、戦後の混乱期はこんな感じだったんだろうか。
私の旅経験では、ゴールデンウイーク前夜に上野駅から夜行列車で旅立たんばかりの風景。
これが重なります。
席もふさがっていて、やることもないので、荷物を柱にくくりつけて待合室内の散歩。
これは何の案内ボードかな、と思ったら、指定席の残りの数ですね。このあたりは親切です。
中国列車の旅 喀和線でホータン(和田)へ
ようやく改札がはじまってホームへ。
3日前、トルファンからここカシュガルまで乗ってきたのを同じ列車。
3日前の光景と重なります。デジャブですね。
3日前と同じ軟臥車なので、やっぱり同じ9号車でしたが、部屋は1号室。扉を開けて入ると、案の定同室者はぐっすり眠っています。
静かに、荷物をベッドの上に乗せて車掌さんが来るのを待ちます。車掌さんはすぐにやって来て、チケットを確認。
チケットとカードの交換はしなかったように思います。終点まで行くからかな。
とにかく、一睡もしてないんです。持ってきた「楼蘭ワイン」をゴクッと飲んで、就寝です。
目が覚めると、時刻は8時少し前。4時間ちょっと眠ったことになります。
カーテンを少し開けると、今まさに太陽が昇ろうとしていました。
カシュガル ⇒ ホータン 時刻表
この列車のホータンまでの時刻表はこちらです。
カシュガル | 3:26 |
英吉沙 | 4:23 |
ヤルカンド | 6:35 |
澤普 | 6:55 |
葉城 | 7:27 |
皮山 | 8:27 |
Kunyu | 9:33 |
墨玉 | 10:02 |
ホータン(和田) | 10:18 |
通路に出てみましたが、ひっそり。新疆ウイグルの人たちにとって、午前8時は午前6時くらいの感覚なんだろうね。
駅を通過です。
タクラマカン砂漠の夜明け
部屋に戻って、またカーテンを開けます。タクラマカン砂漠の向こうに太陽が昇ります。
今日も天気良さそうです。
緑が多くなってきた。駅が近いかな。
皮山という駅に到着。
けっこう降りる人多かったです。ほとんどウイグル人という顔をしています。
タクラマカン砂漠の南端を行く
駅を出ると、また砂漠が広がります。
タクラマカン砂漠。
これは、ウイグル語で、「一度入ったら出られない」という意味です。
古代はそうだったんでしょうが、現代では、縦横に道路が設けられています。
当初、この旅の計画を立てる際、ホータンからの帰途は、ぜひともタクラマカン砂漠をバスで横断するルートをとりたかった。
ホータンからウルムチまで、バスで24時間かかるそうですが、それでもいい。
10連休という限られた時間の中で、カシュガルやホータンの町の散策時間を捻出しようと考えたら、タクラマカン砂漠のバスでの横断は落とさざるをえず、ホータンからウルムチへは飛行機で飛びます。
この広大な砂漠ととことん付き合いたいと思っていたわけですが、トルファンからカシュガルへ向かう過程で砂漠も眺められたし、西域南道についても、こうして列車で走り、タクラマカン砂漠の南端を眺めている。
もう十分に満足しています。機会があったら、西域南道の続き、ホータンから敦煌、あるいは楼蘭までをたどってみたい、そう思います。
部屋の中が明るくなって、コンパートメントの居住者が判明。
同室者は隣の下段ベッドの女性1人だけでした。
朝食に、カシュガル駅で買った乾パン?をかじります。
非常に硬いパンでしたが、中に杏のようなジャムが入っていて、おいしかったです。
砂漠に忽然と駅が現れ、通過します。
また町が近いかな。しかし、開発の仕方がすごいね。砂漠の中に林立するビル。
昆玉駅。ここからは、乗ってくる人も大勢います。カシュガル~ホータンに鉄道が開通したのが2011年。それまで、この沿線の人たちは、移動の基本はバスでした。
昆玉駅を発車すると海が? タクラマカン砂漠に海? 一瞬、蜃気楼かと思いました。
クンルン山脈からの雪解け水がたまった湖なのでしょう。
また緑が広がり、町が近づきます。
砂漠の中でも、農作業ができる不思議。水さえあれば、場所は関係ないんだね。
というより、水さえあれば、台風などの荒天がない砂漠地方のほうが、農業には適しているのでは、とも思えてくる。
墨玉駅に停車。次は終点ホータンです。
ウイグル人が列車を降ります。
ホータンが近づき、車窓も近代化してきました。
一方で、旧市街の端くれのような民家もあります。ホータン、どんなところなのでしょうか。
定刻の10:18にホータン駅に到着です。
30時間以上も砂漠を駆け抜けてきた割には、きれいな車両。
さて、この時点では、ホータンに様々なハプニングが待っていることも知らずに、シルクロードの町ホータンに来たことだけを喜びながら、キャリアをゴロゴロ転がしています。