待ちに待った10連休。旅好きの現役世代の皆さん、どこかへ出かけましたか?
1年前から計画していた、10連休をフルに使った、シルクロード~新疆ウイグル自治区への旅。
ようやくその日が来ました。
中国に行くのは今回で10回目。家族も含めて、みんなに「なんで、そんなところへ??」と言われます。
自分でも、なんでだかわからないんですが、中国の旅は大好き。
好きな理由を順不同で列挙してみると、
- 顔は日本人に似てるのに、言動や嗜好、性格はまるで違う。
- 言うまでもなく、歴史観が深い。
- 景色が雄大。
- 資本投下のスケールがハンパでない。
それに、今までのところ、旅先であった中国人は、私に親切にしてくれました。
行ってみたかったシルクロード
天皇陛下が退位することで生まれた5月の10連休。
私は、そのニュースを知ったとき、このチャンスを逃す手はないと、真っ先に、上海への往復チケットをゲット。
旅の焦点は、あらかじめ定まっています。
中国の西域、つまりシルクロードを時間の許す限り、ゆっくり歩いてみたい。
私のバケットリストに書き込まれている、絶対に実現したい旅のひとつでした。
中国の旅って、点ではなく、線や面で接することで味わいがあると思うんですね。
つまり、飛行機で、ピンポイントに町を訪れるのではなく、町から町へ陸上の乗り物を使って移動して、わずかながらだけど、人々の生活風景に触れながら旅をする。
目的は志しは大きく違えど(当たり前です)、古代のシルクロードの旅人の気持ちを感じてみたい。
洋の東西を結び続けたシルクロードには、じっくり接してみたかったんです。
古代からのシルクロードのルート
古代から、旅心地を醸したてるシルクロード。実は、いろんなルートがあったようです。
(気に入ったフリー画像がなかったので、娘に作ってもらいました。)
今回の旅を計画するに当たって仕入れた「地球の歩き方 」に詳しく掲載されているのですが、陸路で言えばモンゴルやカザフスタンを通る「草原の道」と、タクラマカン砂漠を通る「オアシスの道」。
そして、「オアシスの道」が、いわゆる「西域」のメインルート。
長安(今の西安)を出発して、蘭州を通り、まずは敦煌まで。ここまでが、「オアシスの道」の共通ルートで、「河西回廊」と呼ばれていたそう。
この敦煌で、ルートは3つに分かれ、天山山脈の北側を行くのが「天山北路」。
コルラ、カシュガルを通る天山山脈の南側、つまりタクラマカン砂漠の北側を行くのが「西域北道」。
そして、タクラマカン砂漠の南側、崑崙山脈の北側、ホータンを通る道が「西域南道」。
私は、ここ数ヶ月の間、西域の地図を眺め続けました。
そして、見れば見るほど、あの町にも行きたい、この町にも行きたい、と欲がふくらみ、なかなか考えがまとまりません。
「西域北道」も「西域南道」も、敦煌を出ると、次のオアシスは幻の都市「楼蘭」。さまよえる湖ロプ・ノールが移動することで、砂漠に呑まれたという、なんとも幻想的な話。
行けるのであれば、「楼蘭」は絶対行きたい場所ではありましたが、弾丸旅行で行くには、少々ハードルが高そう。
シルクロードの旅 弾丸スケジュール
迷いに迷った挙句、訪れる町は「蘭州」「敦煌」「トルファン」「カシュガル」「ホータン(和田)」と決め、「酒泉」や「嘉峪関」「ハミ」「クチャ」などは、涙をのんで削りました。
10連休とはいっても、しょせん10日間だし、訪れる町の数にも限界があります。
それに、次にいつ来れるかわからない、「西域」の旅です。タクラマカン砂漠をグルッと半周してみたかった。
日付 |
午前 |
午後 | 宿泊地 |
---|---|---|---|
4/26(金) |
羽田22:30発 上海浦東0:35着 |
上海空港? |
|
4/27(土) |
上海虹橋空港7:40発 蘭州 中川空港11:00着 |
蘭州 観光 蘭州18:03発 |
列車内 |
4/28(日) |
敦煌6:30着 敦煌 観光 |
敦煌 観光 | 敦煌 |
4/29(月) |
敦煌 観光 |
敦煌→柳園南(バス) 柳園南16:30発 トルファン北20:03着 |
トルファン |
4/30(火) |
トルファン 観光 |
トルファン 観光 | トルファン |
5/1(水) |
トルファン10:09発 |
列車内 | 列車内 |
5/2(木) |
カシュガル3:14着 カラクリ湖へ |
カラクリ湖 | カシュガル |
5/3(金) |
カシュガル 観光 |
カシュガル 観光 | カシュガル |
5/4(土) |
カシュガル3:26発 ホータン10:18着 |
ホータン 観光 | ホータン |
5/5(日) |
ホータン12:10発 ウルムチ14:00着 |
ウルムチ19:00発 上海虹橋23:25着 |
上海 |
5/6(月) |
上海 観光 |
上海浦東17:05発 成田21:00着 |
こうしてみると、やっぱり感慨を感じます。
なんたって、日本とはスケールが違います。西域の新疆ウイグル自治区だけで約166万平方キロメートル。日本の約4.5倍です。町から町へ移動って簡単に言いましたが、隣町まで100キロなんてザラ。
下らないハナシですが、その昔「弁慶外伝Ⅱ」という、黄河を遡り、蘭州、敦煌と通って、崑崙山脈の下をくぐったら、広大なタクラマカン砂漠が広がっていた、なんていうRPGがありました。
そこには、今回の旅でも訪れるホータンがあったり、幻の都市、楼蘭があったりして、いつか、たずねてみたいと思っていたので、感無量です(おおげさです)。
欲をいえば、西域での最後の訪問地ホータンからウルムチまでは、タクラマカン砂漠を縦断するバスに乗りたかったのですが、24時間もかかるそうで、さすがにそこまで時間の確保は無理。これで、十分満足なスケジュールです。
敦煌とトルファンの観光は、現地のオプショナルツアーを予約しました。
両日とも、丸1日の行程で2,900元(約47,000円)と値は張りましたが、日本語ガイドもついてるし、とにかく、敦煌とトルファンは、遺跡が郊外に多く、ツアー参加が基本とのこと。で、どうせなら、日本語ガイドのお世話になって、遺跡の詳細などを聞けたらという試みです。
それにしても、たった10日間に、敦煌、トルファン、カシュガル、ホータンとタクラマカン砂漠を一周するようにオアシス都市を訪ね、西域南道の難所であったパミール高原にも足を伸ばし、行きと帰りには蘭州と上海も散策。
まさに弾丸。
三蔵法師が聞いたら、腰を抜かすシルクロード弾丸紀行になりました。
労働節 列車のチケット確保に苦労する
移動は主に列車。
中国を陸路で旅しようとした場合、鉄道網が充実しているので、とてもスケジュールが立てやすい。
その一方で、人口も多いので、便利な列車はすぐに売り切れになる傾向があります。
中国の列車のチケットは、約30日前から発売されるので、売り出しと同時にtrip.comで予約しようとしたら、どうもおかしい。
ほとんどの列車が売り切れになってるんです。
trip.comにチャットで問い合わせると、5月1日からの労働節で、軒並み列車が混雑しているらしい。これを聞いて、今年の中国の労働節は、4連休になったことを知ったのでした。
カシュガル → ホータン(和田)だけでなく、トルファン → カシュガルも売り切れ続出。
これは、ルート変更もやむなしかな、とあきらめかけた出発の1週間ほど前になって、なんと、売り切れだった列車の指定券が再度割り振られ、なんとか確保できました。
これは、何なんだろう??
せっかく、中国政府が国民のために用意した労働節。外国人にチケットをゲットされてはかなわないと、地元住民に配慮したのかな?? これは、いまだもって、謎です・・
謎のエリア 新疆ウイグル自治区
今回の旅は、シルクロードの「河西回廊」と「西域北道」「西域南道」の一部をたどる旅。
なので、カテゴリも「シルクロード」とさせていただきますが、実は、訪れる町で「敦煌」より西のエリアは基本的に「新疆ウイグル自治区」。
この「新疆ウイグル自治区」。とても、謎の多いエリアです。
2017年11月発行の「地球の歩き方」には、特に触れられていませんが、漢民族によるウイグル人に対する弾圧が進められているとか・・
ネットで検索しても、何が正確な情報なのかわからないので、実際にはどうなのかつかめませんが、何かがあることは確かでしょう。身が引き締まります。
こうやって、ネット上に書き込んだだけでも、共産党の検閲とかで、消されちゃうことなんてあるのかな。
おおコワ・・・
さて、出発前の準備は整いました。
2019年のゴールデンウイークは、まさに神様がくれた10連休。
思いっきり、シルクロードの風を味わってきたいですね!