シルクロードの旅も、あと3日。ここまで8日間、順調にスケジュールを消化。
次は、新疆ウイグル自治区で最後の訪問地ホータンを目指します。
ホータンは、何があるの?と聞かれると、特に何もない、と答えてしまうような、何もない町。
遺跡もなければ、自然の特色もない。
クンルン山脈のふもとのタクラマカン砂漠にポツンとある、何の変哲もないオアシス都市です。
かつては、玄奘三蔵もインドからの帰途、西域南道のルートでホータンを訪ねているし、マルコポーロも通った、東西を結ぶ主要ルートでした。
でも、この町って、大学受験のときに地理で習ったし、ロールプレイングゲーム「弁慶外伝Ⅱ」なんかにも登場し、どんな町なんだろうと、一人の旅人として、常に気になっていました。
折りしも、カシュガルからホータンまで喀和線が2011年に開業し、カシュガルから5時間から7時間で結ばれるようになりました。
逆にいえば、それまでは陸の孤島だったわけで、発展著しい新疆ウイグル自治区の中でも、ひなびたオアシス都市の昔の姿を垣間見れるのではと、私としては、大変期待しながらのホータン訪問です。
と、ここまでは、まだ見ぬ土地に思いを馳せ、気持ちが高揚している旅人そのものの心境でしたが、実のところ、ホータンでは、私の今までの旅人生で初めての経験をしました。
This is the 新疆ウイグル自治区 みたいな・・・
本日の移動スケジュール
日付 | 便名 | スケジュール | 移動距離 | 料金 |
---|---|---|---|---|
5/4 (土) |
k9719 |
カシュガル3:26 ⇒ ホータン10:18 |
488km |
約3,100円 ※軟臥 |
偶然にも、3日前にトルファンからカシュガルまで乗った列車と同じ。
その列車の行き先はホータンですので、カシュガルからの続きを乗る、そんな感じです。
朝の3:26発とはいかにも早いですが、この列車しか予約が取れませんでした。
カシュガル~ホータンの喀和線は、計4本の列車が走っているのですが、どの列車も満席。
5月4日は労働節の最終日。翌日の5日は日曜日ですが、中国では平日扱いにするとのこと。それで、移動客が多いんだろうか。
ところで、カシュガル駅を3:26に出るということは、駅に入る保安検査や各種尋問?に備えて、1時間前には到着する必要がある。
2時半に駅に着くつもりで、ホテルを2時に出発しようと計算しました。
さて、10時間に渡るカシュガル散策で、身体は疲れ切っています。
シャワーを浴びて、時計を見ると23時。
21時過ぎまで旧市街を歩き回り、ホテルに帰ってきたのが22時近かったんだから仕方ない。
午前2時まで3時間しかありません。寝たら間違いなく寝過ごす、と考えて、徹夜です(^_^)v
未明のカシュガル駅大行列?
予定通り?一睡もせずに、午前2時前にフロントに下りて行くと、フロント嬢は、カウンターに顔を突っ伏して眠っています。
この開けっ広げな性格、私は好きですが、デポジットを返してもらうために、起こさないわけにはいきません。
肩のあたりをつっつくと、(な、なに、何が起こった!)という顔で目覚め。お姉さんごめんなさいね(笑)
起こしちゃったついでに、タクシーを頼むと、そこにいるよ、とばかりに荷物も引っ張ってホテルの外に案内してくれました。漢族のお姉さん、ありがとう。
タクシーは、未明というより深夜の道をカシュガル駅に向かって飛ばします。
20分ほどでカシュガル駅に到着。どうせまた、長々と検問があるんだろうと、身構えていたら、勝手に門が開いてしまう。
しかも、みんな自由に入っていく。いいのかな。
とりあえず、駅前広場に入りました。
この辺から、異様な光景が。深夜の駅前広場に、列車を待つ人々の集団。
さらに異様な光景が。駅に通じる検問所の前で、行列をなすウイグル人。
私のような外国人が警戒されるのは、まあわかるとして、同じ中国人なんだから、中に入れてあげればいいのに。
日中、あれだけ暑かったカシュガルも、深夜の今は、肌寒いんです。
ようやく、検問所の中の灯りがついて、乗客を受け入れはじめましたが、荷物やマイナンバーなどを厳重に調べるもんだから、一人一人にすごい時間がかかっています。
よく、みんな文句を言わないもんだ・・
検問所を通過したと思ったら、今度は駅舎に入るための保安検査。
これだけの検査をすれば、テロはほぼ防げるでしょう。
しかし、効率が良いとはいえないよな。私のチケットの上にも、「身分確認済み」のスタンプがドンと。
このスタンプも、最初はもらい忘れ、別の列に並び直しています。
計算していた通り、駅についてから駅の中に入るまで、約40分かかりました。
カシュガル駅 待合室でのひととき
ようやく駅の中に入れてほっとします。
それにしても、午前3時前というのに、すごい人の数だ。
先日の列車と同じなら、食堂車はないでしょう。
売店があったので、フリスピーのような硬いパンと、砂糖が入ってることを承知でお茶を仕入れておきました。