火焔山展望台からさらに奥、ベゼクリク千仏洞に向かいます。
行く途中のクルマから見えた、孫悟空の像?

火焔山山中の石窟 ベゼクリク千仏洞
こちらは何の像?

これは三蔵法師?
ベゼクリク千仏洞の駐車場に到着しました。
まさに火焔山のふもと。しかし、ほんとに燃えてるような色だな。
少し目がおかしくなってきた。

中国版西遊記でしょうか。
お土産屋さんは日陰の下。

オレンジ色の崖が眼前に迫ってきます。すごい迫力です。
石窟は、この下にあります。

それにしても、わざわざこんな場所に石窟を造るなんて。ドームが見えますね。

おお、こりゃすごい・・・
崖の向こう側から、三蔵法師や孫悟空が歩いてくるような気がします(笑)

ベゼクリクとは、ウイグル語で「装飾された家」を指します。
ここが栄えていたのは、高昌国のころ。9世紀中ごろです。

ところが、中に入ってみると、その「装飾された壁画」は、ことごとく剥がされています。
20世紀に発見され、その後、外国人探検家によって、世界各国に持ち去られました。
イスラムはイスラムで、偶像崇拝禁止とやらで、顔をつぶしています。
しろうと的には、「剥がす」ってすごいよな。どうやって剥がすんだろう??

したがって、「装飾された家」の片鱗はほとんど留めていないのですが、かろうじて一部分だけが残っている壁画などがあり、それを鑑賞しながら、美しかったと思われる全体像を想像するのみです。
復元して、かつてはこうだったんですよ、とかやればいいのに。

石窟の中は涼しいですが、外は灼熱の太陽。
5月でこの暑さなら、7月や8月はどうなってしまうんだろう。陽炎に揺らめく火焔山も見てみたい。
石窟の数は83個。そのうち、公開されているのが7~8個。
いずれも、内部は撮影禁止。これまた残念・・

おお、外国人のグループ。欧米系のようですね。
ガイドさんに、日本人は来ますか?と聞くと、私を含めて、2日連続で日本人を案内したのは久しぶり。
それでも、以前より増えたといっています。(敦煌の莫高窟の女性ガイドは、日本人がほとんど来なくなって寂しいと言ってたよな・・)

石窟から見下ろすムルトゥク川。
中の写真が撮れないのが、なんとも悔しい。仏教を信仰したウイグル人が描いた、綺麗な壁画もあったのに。

自称「暑さに弱い」ガイドさんが、少し休ませて欲しいと、日陰へ避難します。

「暑さに強い」私は、三蔵法師の幻影を求めて、歩き回ります。

あの遠くに見える山脈は、頂に雪をかぶっています。

あの雪解け水が、ここを流れてるんだね。まさにオアシスだ。
これ、下のほうには行けないのかな。階段があるようだけど。ガイドさんに聞いたら、ダメだって。

石窟の入り口で警備する警官も大変だ。あれ、上にも行けないみたい?

3つほどの石窟しか見ることができず、若干欲求不満なベゼクリク千仏洞を後にします。

万年雪にもお別れ。

昔の人は、ほんとにこの中に炎が蓄えられてるとか思ったのかな。

そう信じても無理もない色をしています。

お土産屋さんも暑くて大変でしょう。

駐車場に戻って来ました。早く、クーラーの効いた車内に逃げ込みたい。

目を凝らすと、駐車場のはるか片隅に、三蔵一行の石像がありました。

蜃気楼ゆらめくトルファンへの帰り道
では、本日の行程、午前の部は終わり。いったん、トルファン市街に帰ります。
思い出に残った、火焔山周辺の散策でした。
検問所。帰りはフリーパスでした。ふつう、逆だろ??

トルファン市街へ。

日本には、砂漠といえる場所がないから、こんな風景でも心に残ります。

蜃気楼も心に残ります。アスファルトの温度は何度ぐらいなんだ?

火焔山。また来ることがあるんだろうか。

おお、芭蕉扇発見!

いや、この蜃気楼はすごいですよ。ガイドさん曰く、地面の温度は80度近いだろうって。
ウイグルラグメンのランチ
ガイドさんが、「お昼、何食べたいですか?」。私が、トルファンらしいものを、というと、この店にクルマをつけました。

私が、「昨夜は、ラグメンを食べました。」と言って、写真を見せると、「これは、漢民族のラグメンですね。ウイグルのラグメンは、ちょっと違うんですよ。」

私、ガイドさん、運転手の3人分のラグメンをオーダー。

厨房では、けたましく炎をあげて、肉や野菜を炒めるかたわら、お兄さんが麺を手で打っています。

ちょうど、昼飯時。ぞくぞくと客が入ります。
お茶を飲みながら待ちます。昨夜も思ったけど、このお茶がほんとおいしい。空気が乾燥してるからなんだろうけど。

出てきました。たしかに昨夜のとは違う。

ガイドさんと、運転手は、食べる前から替え玉をオーダーしてますよ。

具は熱々なんだけど、麺が適度に冷えてるので、ちょうどいいんだなこれが。
ウイグル版ラグメン、おいしいです。緑色のは、ピーマンと何? 聞いたんだけど、忘れてしまった。シャキシャキと、ニンニクの芽のような食感でした。
食べながら、ガイドさんといろんな話をします。
- 昨夜は、トルファン北駅で、大変でしたよ ⇒ 「3年前くらいから、そうなったんですよね。でも、形式的にやってるだけで、何も問題ないですよ。団体で来たときは、駅でなく、ホテルでやるんです。」
- よく言われる、ウイグル人への弾圧とかないんですか ⇒ 「ありません。漢民族と仲良くやってますよ。イスラム教を信仰してもいいし、モスクだってあるし。共産党がテロなどの未然防止に力を入れてるのが、そういう風に報道されちゃうんでしょう。」
- 新疆ウイグル自治区の治安はどうなんですか ⇒ 「まったく問題ないですね。町中みてください。監視カメラだらけでしょう。建物の出入り口には探知機もあるし、テロなんて絶対起きません。」(それは、それで、すごい世界だな・・・)
- 日本語上手ですね ⇒ 「10年前に、半年ほど大連の学校に行って学んだ後は、観光客の相手をしながら学びました。日本語ができるガイドは重宝します。」
- パスポートなくされた方大変ですね ⇒ 「私も、10年ガイドやってて初めての経験です。いったん北京に出なくてはいけないみたい。お友達たちは、今頃カシュガルに行ってるのに。」
- 中国人の方は、皆さんマイナンバーカードのようなものを持ってますね ⇒ 「中国人は、身分を証明するIDカードがないと、なにもできません。失くしたら大変なことになります。」
- カシュガルのお勧め料理って何ですか ⇒ 「なんといっても、鳩肉(はとにく)ですね。あと、ピラフのようなポロもおいしいですよ。」
話しながら、ガイドさん、日本にも行ってみたいと言ってました。私の住まいを言うと、知ってるとのこと。私も、東京湾岸エリアを案内してあげたいな。

あ~、おいしかった(^.^) ガイドさんと運転手は、替え玉もペロリ。私に、「半玉もできますよ。いかがですか。」いろんな日本語を知ってるガイドさんでした。
