新疆ウイグル自治区で拘束?  驚きのトルファン北駅【シルクロード旅行記 #16】

さて、タイトル通りなんですが、その1時間前は、そんなこと、思いもよりません。

新幹線も快調に砂漠の中をトルファンに向けて飛ばします。

トルファン北駅に到着。そして・・

形的に火焔山かなと思ったけど、方角が違うね。トルファンも北駅だと、周囲に町はないようです。

町の気配を感じぬまま、列車はトルファン北駅に到着。20:04の定刻です。

トルファンは西域の大観光地です。かなりの乗客を降ろして、列車は、ウルムチに向かって発車。

さすが西域の夕刻。まだ、全然明るいです。この時点で、私は何も警戒していません。

トルファン北駅出口の検問 1時間かかった尋問

ホームから、エスカレータのない階段で地下道に降ります。トルファンも敦煌と並んで訪れたかった町の一つ。

このときの私の気分は、(やった、念願のトルファンに着いたぞ。明日は郊外の1日ツアー。こりゃ、楽しみだぁ・・)、という感じ。

違和感を感じたのは、地下道を通って、駅の外に出ようとしたとき。

警察がいっぱいいるな、とは思いましたが、中国では見慣れた光景。

ところが、大声で「****!!」と叫ばれ、わけもわからず立ち尽くしていると、「お前はこっちだ!」とばかりに、私は、駅出口の片隅にあった検問所のような場所に引っ張っていかれました。

警官が10人近く、立ち尽くし、私を見つめています。

 

そのとき思ったのは、(ありゃ、駅のホームでカメラをパチパチやってたのがまずかったかな。ヤバいな、こりゃ・・)、しかし、次の瞬間、「パスポート!」。

パスポートを出すと、その警官はそのまま詰所に消えてしまいます。

そして、10分以上たっても出てきません。

いったい、何が起こったんだろう・・

正直、このときは、自分の身に何が起こったのか、まったく理解不能でした。

なんとか、心を落ち着けて、警官の姿を注意深く見ると、顔つきが明らかに漢民族ではない。

私は今まで、ウイグル人を見たことなかったけど、ロシア人のようなハーフっぽい顔をしている。

さらに、よく見れば、粗末な格好の警官も何人かいて、そいつらは、何かを囲むようにしゃがんでる。

鍋にはいった麺のようなものを、みんなでつまんでいるのでした。

私は、少し怖くなった。

本当に、ここは中国か? 列車が早すぎて、一気に中央アジアに抜けてしまったんじゃないのか。

そうでなければ、こんなに西洋の顔つきの警官がたくさんいるわけない・・・

それに、検問所で飯を炊くか、ふつう・・

 

待つこと20分。

ようやく、私のパスポートを持った警官が帰ってきたかと思うと、私にスマホの画面を見せます。その翻訳アプリには、「滞在登録をしなくてはなりません。協力してください。」と表示されていました。

意図がわかって、少し安心しましたが、今度は、駅を出て広い駅前広場を突っ切り、派出所のようなところに連れて行かれ、荷物を全部そこに置いて、中に入れと言ってます。

カメラバッグがすごく心配だったけど、仕方なく言われたとおりに、中に入ると、そこからが大変でした。

「今回の旅行の目的は?」「昨日はどこにいた?」「今夜の宿泊ホテルは?」「日本にはいつ帰る?」「新疆ウイグルに友達はいるか?」

さらには、過去の渡航記録を見て、「大連には、何をしに行った?」

そして、私のパスポートは、あらゆるページのコピーをとられ、そのコピーに、携帯の電話番号とメールアドレスを書けと。

あげくの果てには、パスポートの顔写真のページをかかげながら、私の全身を写真撮影。

いったい、これは、なんの拷問だ・・・

トルファン北駅の出口は、新疆ウイグル自治区の入り口

途中からは、気持ちがめげそうになりました。

私は、この警官たちに、けっして乱暴に扱われているわけではない。

しかし、日本の常識からしたら、考えられない職務質問。

その後も、翻訳アプリを使って、執拗に尋問。

いつ終わるんだろう・・

たぶん翻訳ミスだと思うけど「あなたはロバの味方ですか?」なんて、質問がきたから、もう腰が抜けるほど驚いたり。

だって、昨日、ロバ肉食べてるし・・・

へんな回答したら、大変なことになると思い、わけがわからない、といった顔をして、なんとかスルーできました。

私は今、新疆ウイグル自治区にいる、イスラム圏にいる・・・

精も根も尽き果てるころ、ようやく、尋問が終わり、解放されました。

 

時計を見ると、21時。列車の到着から1時間が過ぎています。

警官たちは、もう自分たちの持ち場に戻ったのか、だだっ広い駅前広場は、何事もなかったかのように静まり返っています。

いったい、あれは、現実だったんだろうか。

新疆ウイグル自治区が、さまざまな面でベールに包まれているとは聞いてましたが、この洗礼。

ショックで、しばらく、呆然と立ち尽くしていました。

ようやく気持ちが落ち着いてきて、さっきの出来事を反芻してみます。

  • 新疆ウイグル自治区を旅する者は、滞在者登録が必要。
  • 私の場合、トルファン北駅が新疆ウイグル自治区へのゲートとなった。
  • 私1人に1時間? ほかに、外国人旅行者がいっぱいいたら、どうなっていた?
  • 警官は、全員ウイグル人だったように思う。新疆ウイグルを仕切ってるのは漢民族のはず。
  • でも、その警官たちは、みんな中国語で、私に話しかけてきた。ウイグル人なのに。
  • 私の行動は、これから新疆ウイグルを巡る数日間は筒抜け・・・ まあいいや。

以上のようなことは、「地球の歩き方」にまったく書いてなかったので、最近施行された条例なんでしょうが、不可思議なことがいっぱい。

あらためて、新疆ウイグル自治区に来たという事実を、自分に言い聞かせます

同じシルクロードのオアシス都市でも、甘粛省の敦煌とは、まったくもってわけが違う。

今度は色仕掛けか??

放心状態で、キャリーに寄りかかるように立っていると、今度は女性に声をかけられました。

今度は色仕掛け?

もう、警戒モード120%ですが、そんなことより、相手にする気力もなく、あっちへ行け、と手で追い払います。

ところが、この女性、「タクシー、タクシー」と話しかけてくる。

自分がタクシー運転手だよ、と言ってるのか、タクシーを案内するよと言ってるのかわかりませんが、勝手に、私のキャリーを引っ張っていこうとするので、あわてて止めます。

ここ、トルファン北駅は、市街からはかなり離れている。

いずれにしろ、タクシーを拾うしかないのかなと、疲れ切った頭で考えます。

さて、どうしましょう・・・

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