【コロナ禍3年間】日本の素晴らしさ再発見 自粛警察なし同調圧力なしホスピタリティあり

それにしても、かつてないほどに忌まわしい3年間だった。

「明けない夜はない」という言葉があるけど、なんとなく実感があった3年間。

自分の行動が制限された3年間。

たとえば、余生が10年ほどの人、そして学生さんたち。

そんな人からみれば、人生における貴重な貴重な時間の何割かを持っていかれたのだから、やはりとんでもない3年間だったのだと思う。

 

私は、この間、ひたすら日本国内の旅に明け暮れた。

日帰りを含めて合計32回の旅。

およそ、ひと月に1回旅をしていたことになる。

ほこりにおもうのは、その間、定められたルールを全て守り通したこと。

緊急事態宣言中は、不要不急の外出はしなかったし、越境制限の際は、千葉県内しか行動しなかった。

勤務先から発出されたルールも守るし、全て一人旅で、マスクをして行動し、誰とも会話をしない。

3密、黙乗、黙食、なんて言葉もうまれたけど、すべて完璧に守った。

理不尽な運命には、命がけで抵抗したくなることがたまにある。

「旅するなよ~、旅行なんかできないよ~」みたいな運命。

「ふざけんな! ルールを100%守ったうえで旅しまくってやる!」

これが、私の叫びだったのかもしれない(^^)

 

ところで、私はテレビもヤフーニュースも見ない世間知らずな人間。

だから世の中で起きていることに全くと言っていいほどアンテナが立ってない。

それでも旅人なので、間接的に耳にする情報の中で旅に関する情報は、勝手にフィルターをかけて入ってくる。

それによると、どうもこの3年間は、旅人は世間からうとましく思われていたのかもしれない。

「越境するな」「自粛警察」「一元お断り」・・などなど。

私が鈍感なのかもしれないが、32回旅していて、全く感じなかった(^^)

嫌がらせなんて、一度も受けたことがない。

極端なケースをマスコミが取り上げ、そしてヤフーニュースが煽るという構造は全然変わってないらしいw

まさかでっち上げはないだろうから、報道されたような事件や事実はあったのだろう。

しかし、そんな超局所的な出来事を針小棒大に表現し、あたかも「これがすべてだ!」と報道するメディア。

コロナですでに世の中忌まわしいのに、さらにその忌まわしさをあおることもないのにと思う。

自粛警察なし同調圧力なしホスピタリティに満ちていた日本の旅

そんな忌まわしさ極まる空気のなかで旅した感想はどうだったか。

忌まわしいどころか、32回の旅で、あらためて日本の素晴らしさを再確認できた。

文化・景観・気候・食事・民族、どれをとっても日本は世界に誇れるピカ一の国であるいうことを。

32回の旅で、泊まったホテル・旅館は26か所。

そのすべての宿泊施設は、私をお客としてていねいに迎え入れてくれた。

その中には、定宿にしたいな、と思う宿も見つかった。

訪れた寺院仏閣は100箇所以上。

足を踏み入れた離島は11島。

今まで訪れたことのない町。

町民の皆さん、飲食店の皆さん、宿の皆さんから本当に素晴らしいおもてなしをいただいた。

そして、コロナ禍においても、旅人を安心して迎え入れようとする努力を感じた。

これほどまでにホスピタリティが浸透している国って、ほかにあるんだろうか。

ところで、恥ずかしくも情けない話であるが、32回の旅の道中、夜行バスの中に「ウォークマン」を忘れるという失態をやらかした。

あわてて、2日後に電話したら、従業員の方が車庫まで探しに行って発見してくれた。

紛失したものが、手元に帰ってくるなんて、世界広しと言えども日本ぐらいだろう。

コロナ禍3年間の日本の旅の記録

これほど集中して、日本を旅したのも珍しいので、記録にしてみようと思った。

旅というのは、記録にすることで、記憶がいつまでも色あせない記憶資産になっていく。

緊急事態宣言の合間を縫って細々と旅したので、小粒な行動が多いが、それもまた旅である。

2020年

日付 行先 概算費用
3月

富士山 ~ さった峠

ガソリン&高速:15,000円

6月

長谷山本土寺

多古町「あじさい公園」

佐倉ラベンダーランド

佐原・香取神宮

ガソリン&高速:2,000円

〃      :2,000円

〃      :1,000円

〃      :8,000円

7月

服部農園「あじさい屋敷」

麻綿原高原

京都5日間ひとり旅

ガソリン&高速:4,000円

〃      :6,000円

飛行機&ホテル:56,200円

8月

青春18きっぷ ~ 谷川岳

切符他    :7,000円

9月

銚子電鉄の旅

切符&ホテル :25,000円

10月

筑波山

のこぎり山

ガソリン&高速:8,000円

切符他    :5,000円

11月

古峯神社 ~ 栃木の町

秋の京都日帰り旅

秋の京都4日間ひとり旅

切符他    :8,000円

切符他    :25,000円

切符&ホテル :65,000円

12月

青春18きっぷ ~ 下部温泉

切符&ホテル :15,000円

  旅費概算合計

        252,200円

緊急事態宣言に越境制限もかかり、地元千葉県を歩くことが多かった2020年。

京都の町を本格的に歩いたのも初めての体験。

久しぶりに「青春18きっぷ」を買ってみたのも懐かしい。

2021年

日付 行先 概算費用
1月

養老渓谷

切符&ホテル :15,000円
3月

2泊3日 春の奈良・京都

切符&ホテル :45,000円

11月

1泊2日 秋の奈良

切符&ホテル :30,000円

 

旅費概算合計

        90,000円

2021年は、会社からほぼずっとパワハラを受けていた時期。

この歳になってパワハラを受けるとは夢にも思わなかったので、愕然とした。

そのパワハラは今でもあるが、理不尽なものにまともに向かい合ってはいけない。

すべてを忘れたく、一日中ひきこもってゲームをしていた(^^)

そんな精神状態で、とても旅に出る心境ではなかったが、地元千葉県の養老渓谷の黒い温泉に浸かり、これからの人生のことをゆっくり考えられたのも、いい経験だったと思う。

2022年

日付 行先 概算費用
2月

新潟:松之山温泉

切符&旅館  :28,000円

3月

鹿島神宮

対馬&壱岐3泊4日

ガソリン&高速:5,000円

切符&旅館  :65,000円

4月

静岡:東照宮&日本平

ガソリン&高速:7,000円

5月

佐渡島2泊3日

萩&津和野2泊3日

切符&旅館  :55,000円

切符&旅館  :60,000円

6月

潮来&息栖神社

京都1泊2日

ガソリン&高速:8,000円

切符&旅館  :30,000円

7月

北海道&利尻・礼文他

切符&旅館  :150,800円

9月

青春18きっぷ&松本の町

切符&旅館  :32,000円

10月

出雲&隠岐の島3泊4日

切符&旅館  :52,000円

11月

京都&大阪1泊2日

切符&ホテル :24,000円

12月

京都1泊2日

切符&旅館  :33,000円

  旅費概算合計

        549,800円

アフターコロナが見えてきて、外国人観光客も日本に入ってくる。

日本の情緒を感じとりながらの旅も、後がないような気がして、精力的に出かけた2022年。

その判断は正解だったと思う。

2022年も年末近くになると、どこに出向いても外国人観光客の姿がお目見えしていた。

2023年は日本と外国を交互に楽しむ年

日本の良さはどこにあるか。

一言で定義するのはおこがましいが、しいて言えば、季節感をともなった情緒、ということになろう。

地域にもよるが、はっきりとした季節がおとずれ、静けさとともに色を変えていく。

私は、この3年間で、すっかり京都や奈良といった古都のファンになってしまった。

ありがたいことに、古都の季節は、しっかりと定期的におとずれてくれる。

毎年の楽しみになる。いい発見をしたと思う。

 

対して、異国の魅力といえばやはりカオスであろう。

人種、民族、宗教、文化、いろんなものがまじりあうことで発揮するとてつもないパワー。

この3年間の最初のほうは、実は、これが整理できなくて少々とまどっていた。

すなわち、「外国に行けないから日本を旅しよう」という考え方では、永久に答えは見つからないのだ。

外国では、自分以外に頼れるものなし。

無力感を飛び越えて絶望感と勘違いするほどの「たったひとりぼっち」状態。

歩きタバコもふつうにするし、公共交通機関の車内でふつうに大声で電話する。

耳をつんざくほどの雑踏なのに、言ってることが100%理解できない周囲と隔絶された状況。

そこに、生身の身体をおくことで、「自分は生きてる」「心臓が動いてる」と実感できる。

それこそが、私が異国を旅することの楽しみである。

異国で感じるカオスや緊張感。それと同じものを日本に求めたってダメだ。

当たり前である。あるわけないんだから(^^)

 

だから、最初は、「日本の旅はつまらないなぁ・・」などと失礼なことを考えた。

そもそもの考え方が間違っていて、日本にはカオスなんてない。

単一民族国家が作りあげた歴史観、そして音もなく色を変える情緒を追い求めるのが、日本の旅の楽しみ方である。

だから、この3年間は、私にとって大いに意味のある3年間となった。

外国と日本を交互に楽しめるなんて、楽しみが倍に広がった気分である。

ただそうはいっても、外国のカオスとは、3年間ご無沙汰だ。

先日のソウル週末弾丸旅で、その楽しさを生き返るように思い出した。

2023年は、日本の情緒を探しながら、異国への旅の回数が増えそうである。

いまから楽しみでならない(^^)