【下部温泉 元湯 甲陽館】身延線途中下車 川の音しか聞こえない宿で豪華な夕食

「青春18きっぷ」の旅も、本日は終わり。山梨県「下部温泉」にやって来ました。

日本の名湯百選に選ばれている下部温泉。
武田信玄が、戦いで受けた傷を癒した湯と伝えられていますが、駅は山峡のあいまにひっそりと鎮座しています。

世俗を脱した、とは言いすぎですが、そんな山奥の温泉に浸かりたくて、来てみた次第です。

「下部温泉駅」から「下部温泉郷」へ

止まる列車も、1時間に1本か2本。

こういう世間から隔離された町って、大好きですね。

駅前にコンビニはありません。

まだ16時ですが、山峡の谷間に太陽光は届かず、薄暮のような空間を温泉街へ向かって歩きます。

電話すれば迎えに来てくれるらしいんですが、下部川沿いの道を歩いてみたかった。

川の音と私の靴音しかしません。

日中あれだけ温かかった冬の日も、日が翳るにつれ、寒さが襲ってきました。

あれが温泉郷ですね。

この「さびれた」感じが好きです。(下部温泉さま、失礼!)

でも、人っ子一人歩いていない温泉街なんて、そうそう拝めるものではないです。

あの、川岸につきでた白い建物が、今夜泊まる「元湯 甲陽館」のようです。

外観を見る限り、新鋭のホテルでも旅館でもありません。

私がこの旅館を選んだのは、そんな外見などではなく、温泉もさることながら、供される料理がとても美味しいから。

日本の名湯100選にもなっている「下部温泉」

通された部屋で旅装をときます。

ゆかたに着替えて、たたみに寝そべる気持ちよさ!(^^)!

海外を旅していて、この感触は味わえないですね。

窓の下は、勢いよく流れる下部川。いい音です。

温泉街の眺め。こんなところに、一週間ほどこもってみたい、そう思わせる宿です。

では、さっそく温泉に参りましょうか。

ほかに宿泊客がいるのかどうかわかりませんが、私一人の独占です。

こりゃ、気持ちいいわ・・・

下部温泉は、なんと1,200年もの歴史をもつそうです。

そして「武田信玄公の隠し湯」ともいわれています。

「川中島の合戦」のときには、武田信玄をはじめ負傷した多くの兵の傷を癒したらしい、治癒の湯です。

そんなありがたいお湯を、一人でじっくり味わいます(^_^)

「元湯 甲陽館」の豪勢な夕食

さて、温泉も堪能し、本日のメインイベント。今夜の宿「元湯 甲陽館」の豪華な夕食です。

楽天トラベルで検索して見つけましたが、書かれているクチコミが異口同音に「料理がすごい!」。

どんな料理なんだろうと、喜び勇んで訪れた次第です。

 

たしかに、これはすごい。

お刺身も新鮮。

天然のあゆ。

てんぷらも揚げたてです。

ビールで乾杯しないわけにはいかないでしょう。

お米の銘柄はわかりませんでしたが、たきたての熱々のご飯が、3膳ほどおひつに入ってました。

クチコミどおりなのでバンザイですが、さて、食べきれるかな。

これでお値段は7,865円。1泊2食付です。

GOTO価格といっても、この料理が出て、温泉にも浸かれるなら安いものです。

宿泊客は、たぶん私一人。

それなのに、この料理を運んできてくれた女将さんやご主人は、とても親切な方でした。

耳を済ませると、いや済ませなくても、川の流れが絶え間なく聞こえます。

山峡の宿で、温泉を楽しみながら、豪勢な夕食。

これは、くせになりそうですね。

どれもこれも、素晴らしく美味しい食材。

量が多いので時間をかけて格闘。完食です。

「元湯 甲陽館」の豪華な夕食でした。

食事のあとは、また温泉でゆったり。

こうして、ひなびた温泉でまったりするのって、月に1回の贅沢として、毎月スケジュールに組み込もうかな。

最高の一夜でした。

朝食も豪勢な「元湯 甲陽館」

一夜明けて、朝食がこれまたすごい。

温泉に朝浸かって、部屋に戻ると、豪華な朝食が並べてありました。

食事だけでも、すごくコスパの高い旅館です。

ご飯も光ってました。

お腹いっぱいになって、ベランダに腰かけて、駅に送っていただく送迎の時間まで温泉街を眺めます。

久しぶりに、外界から隔離された週末を過ごせた気分でいっぱいです。

この「元湯 甲陽館」。

実は、他のクチコミにもあるように、設備そのものは古いです。

建物もそうとう古くなってるし、エレベータもない。温泉もお湯があるだけ。

でも、部屋は清潔だし、温泉だって、本来湯に浸かれればいいのであって、サウナやらシャワーなんて、なくたってよいもの。

そう考えれば、山峡を流れる川の音がして、体を癒せる湯があり、美味しい食事があり、親切な女将さんがいる。

ほかに、なにがいるのだ、という気がします。

私にとって「元湯 甲陽館」。贅沢な週末を盛り上げてくれて、感謝感激です。

今回の12月の「青春18きっぷ」週末旅の全行程はこちらです。