小江戸・佐原の町を歩いて、ついでにどこか寄れないかな、と地図を眺めて目にとまったのが「香取神宮」。
なんでも、利根川の生み出す水の力が、パワースポットとなり千葉県で最強の霊力をもつ神社だそうなんです。
私は、「霊力」ってどうやってはかるんだ?というくらいのスピリチュアル音痴、ていうかリアリスト。
だから、パワースポットなんてのは後付けで、日本文化の象徴ともいえる寺院を歩きたくなって、佐原の帰りに寄ったというのが実のところです。
東国三社の一つ香取神宮
香取神宮は、下総国で最も格式の高い神社で、全国約400社の香取神社の総本社。
そして、鹿島神宮・息栖神社とともに東国三社(とうごくさんしゃ)の一社。
全国的にも有数の古社であり、その創建はなんと弥生時代の初期だというから驚きだ。
「東国三社」のルーツとしては、
江戸時代の人々が、「一生に一度は行きたい」社とした「伊勢神宮」。
ところが、関東からすると、伊勢つまり三重県はあまりに遠い。
そこで、東国三社に参拝することは「下三宮参り」と称され、伊勢神宮に一度参拝するのと同じ御利益をいただけるという解釈がひろまった、とのことです。
こういわれても、なかなかピンとこないのですが、我が千葉県にそんな格式高い神宮があったことを知らなかったことを素直に恥じました。
小江戸・佐原の見学を終え、ランチに「うなぎ」を奮発した私は、香取神宮にクルマを走らせました。
香取神宮は、佐原の町からクルマで10分ほどです。
日本鎮守の棟梁「香取神宮」
神宮前の駐車場に着いてみると、なんと満車で入れず。
佐原もけっこう人が出ていたし、考えることは同じ?
10分ほど待って、空きが出ました。
参道の入り口付近に出ているお土産屋さんは帰りに寄るとして、まずは鳥居を目指します。
境内は思いのほか広そうですね。
ところどころ、まだあじさいが咲いています。
オーソドックスに楼門、そして本殿を目指すこととします。
大きな境内案内票もあるので、迷子になることはありません。
ゆるくカーブする参道。
新緑の季節は終わってますが、今週末は久しぶりに晴れた週末。新緑気分が満開です。
後付けかもしれないけど、「神々しさ」を感じる参道。
表参道を登りきったようです。
これは総門です。
海軍大将・東郷平八郎の筆が入る楼門
総門をくぐると、楼門の入り口に出ますが、みなさん間隔をあけて並んでます。
ソーシャルディスタンスですね。
国の重要文化財に指定されている楼門です。
日本人は、行列もちゃんと作るし、世界的に見て礼儀正しいと思う。
これは、いちおう41カ国を旅しての感想。
香取神宮のシンボル的な楼門。楼上の額は、日露戦争日本海海戦の勝利で英雄となった海軍大将・東郷平八郎の筆とのこと。
この字を、東郷平八郎が書いたってこと? すごい・・
建物自体は、元禄13年に、江戸5代将軍・徳川綱吉公が造営したものです。
東国三社のひとつ「香取神宮」。
江戸時代には、「伊勢神宮」と同じご利益と解釈された「香取神宮」。
立派な社を見ていると、「鹿島神宮」と「息栖神社」も訪れたくなりました。
本殿の前の茅の輪で8の字の作法の祈り
楼門をくぐると、檜皮葺きの本殿が目に入ります。
こちらも、楼門に並んで、国の重要文化財に指定されています。
そして、本殿の前にあるのが茅の輪(ちのわ)。
最初、みんな遠回りをして、なにをやっているのかわからなかったのですが、8の字のような決められた通り道があるようで、本殿前に進む前に参拝の作法があるようでした。
あとで、観察していると、知らなかったのは私だけでなく、けっこうみんな戸惑ってました。
桧皮葺のカーブがなんともいえない御神威の威厳を醸しています。
ちなみに、ここが超強力なパワースポットらしいんですが、リアリストの私には、なにも襲ってこなかったです(笑)
本殿の裏手にある三本杉。ここも、パワースポットのようです。中が空洞になっています。
様々なご利益があるようですね。
境内の最奥には、「見晴らしのよい休憩所」なるものがありましたが、登ってもなにも見えませんでした。
こんな感じです(笑)
さて、そろそろ帰りますか。
広い境内の中を、気の向くままに歩いていると、久しく味わってない旅心地を少し感じるような気もします。
では、香取神宮にさよなら。
黒みつきなこだんごをお土産に
さて、参道の駐車場手前に集まるお土産屋さん。なにがいいかな。
迷った末に、ここの「黒みつきなこ」に。
作ってる間、店の中で待たせてもらいましたが、お食事もできるようです。
香取神宮の名物だそうです。本日中に食べなくてはならないほどの鮮度重視。
家族で食べてみましたが、たしかに美味しい。花より団子ですね。
小江戸・佐原の様子はこちらもどうぞ
追記:再訪「津宮浜鳥居」&「要石」&「奥宮」
「香取神宮」を訪れた後、京都や奈良などのお寺や神社をめぐっているうち、古代の歴史に興味がわいてきました。
そこで、「香取神宮」について、もう一度調べると、古事記にも由来がある神社であることがわかり、あらためて襟を正す思い。
地元千葉県ということもあって、クルマで佐原方面へ出かけたついでに、前回見学し損ねた「香取神宮」のスポットを訪れてみました。
「津宮浜鳥居」
この、利根川を背に、凛々しくたっている鳥居。
これこそが「津宮浜鳥居(つのみやはまとりい)」。
「香取神宮」への第一の入り口で、かつては川面に立っていました。
水運が盛んであった証に、岸には燈台の役目を果たした常夜灯があります。
江戸時代には船で乗り付けて、ここをくぐって「香取神宮」への参拝がはじまったのでしょう。
ここから「香取神宮」までは約2キロです。
現在は、津宮鳥居河岸の脇の堤防は、「大利根サイクリングロード」となっています。
あらためてみると、利根川は雄大な川でした。
「要石」
参道から少し離れているので、前回訪問の時はカットしてしまった「要石」。
参道から左に折れ、坂道と石段をあがります。
早朝に来たので、冷たい空気が「神々しさ」をいっそう際立たせます。
ようやく「要石」にたどりつきました。
「要石」。地震を鎮めるとされる霊石です。
地震の原因とされる大ナマズを刺すために、地中深くまで埋められている大きな石の一部とされています。
香取神宮は、ご覧のように凸形。鹿島神宮にも「要石」があり、こちらは凹形とのことですが、見たくなりました(^^)
「奥宮」
「香取神宮」の表参道ではなく旧参道側からアプローチする「奥宮」。
木々に囲まれた社殿は、昭和48年に伊勢神宮を遷宮した際に、その古材を使って建てたとのこと。
まさに「東国三社」にふさわしいイベントです。
平和や調和を司っている本殿に対し、こちら「奥宮」は、経津主大神の「荒御魂(あらみたま)」を祀っています。
「荒御魂」とは、荒々しさを表す神ですが、早朝の木洩れ日に照らされて、ひっそりと鎮座してました。