海外ひとり旅を50回以上経験しているといっても、日付変更線の向こう側に行くのは、これがまだ4回目。
地球は丸いとはいっても、別のエリア。
ものすごく遠いところに行くのだという観念が、身体中をかけめぐってます
加えて、あのANA機に乗り込んだらお約束の弾丸スケジュールで、60時間後までベッドにありつけない。
しかも、日付変更線を西から東へまたぐので、16:25のフライトに対し、13時間も飛ぶのにメキシコシティ到着は同じ日の14:15。
時が戻るなんて、凡人の私の理解を超える^ ^
そして、ビジネスクラス。
ラグジュアリーなタイムマシンに乗って、時間旅行に出発する感覚。
精神年齢は低い方が、感受性は豊かになるようだ。
動画での様子はこちらです。
NH180機搭乗 機内食メニューのチェック
さて、優先搭乗から機内へ。
6年前にNH180便に乗った時は、たしかタラップから登っていった気がする。
旅を繰り返していると、その途中で様々な情報がデジャブる感覚が楽しい。
そして、ビジネスクラスキャビンへ。
私のシートは「1A」。
ボーイング787-8のシート配列では、文字通りもっとも機体の先頭にあたるシート。
ファーストクラスのないこの機種では、この普通の会社員である私が序列1位(^ ^)
気分いいし、180度倒れるスタッガードシートだから疲れ知らず。
気持ちばかり昂ってのどがカラカラ。
備え付けの水をまずいただきます。
あらためて地図を見れば、日本とメキシコの間には海しかない。
しかも、11,436kmも離れてる。
そんなところへ、酒や料理を飲み食いしながら、快適なシートでたどり着けるなんて、考えてみればとんでもないことだと思う。
ほんとに素晴らしい時代であるとともに、技術者の皆さんに感謝。
CAさんが、私の名前を呼びつつ、ウエルカムドリンクを持ってきてくれました。
「メキシコへは・・仕事って感じではないですわねぇ・・」
満面の笑みをたたえながら、ユーモアのあるCAさん。
そのCAさんから、機内食のメニューをいただいたので、フライトまでの間にそっと物色。
今年のANAの赤ワインは「シャトー・オー・モーラック・ベルクール メドック2020」なのかな。
2月のインドネシア便の時もそうでした。
フレッシュな香りが特徴のメドック産ワインです。
なので、ちょっとよくはわからないけど、「ファミーユ・ペラン ヴァンソーブル・レ・コルニュ2021」というワインをいただきましょう。
フランス語は難しいw
日本酒は「獺祭(だっさい)」になりましたね。
インドネシアの時は「五凛」だった。
そして、目移りするお酒のラインナップ。
こんなのを見ると、搭乗時間13時間では足りない。24時間くらい乗ってたい。
食事は和食と洋食があるみたいですが、こちらが和食。
こちらが洋食。
うーん、両方食べたいけど、ここは和食にしておこう。
好きな時に注文できるメニュー。
タンドリーチキンのサンドイッチや一風堂のラーメンは体験済み。
親子丼でもいただこうか。
こちらは帰国便のメニュー。
スケジュールがガタガタになって、このメニューをこの目で見れないなんてことがありませんように。
NH180便フライト開始 光り輝く太平洋
さて、16:25定刻にフライト開始。
グランドハンドリングの方に、私もせいいっぱい手をふります。
1万キロ以上の旅路なのだから、手をふるに値します。
そして離陸。
夏の強い太陽が、機体の影をくっきりと滑走路に焼き付けての離陸。
成田空港の周囲を取り巻く物流施設の上をまたいで、
そのまま太平洋に出ます。まだ影がある。
しかし、房総半島って、平べったいんだな。
九十九里を眼下に太平洋にくりだすANA機。
泳いでる人いる?・・・
大昔でもこの海岸に立って「この海の向こうには何があるのかな?」と考えた人いるだろうね。
支倉常長とルイスソテロ率いる「慶長遣欧使節」が太平洋岸を出航したのは1613年の10月28日。
ちょうど3ヶ月かかって、メキシコ沿岸のアカプルコに入港したという。
そして、飛行機で太平洋を最初に横断したのは、それから300年後の1931年。
40時間以上かかったらしいから今の3倍だ。
飛行機は「タイムマシン」であり、「どこでもドア」でもあるんだね。
感慨に浸りながら、光り輝く太平洋を眺めます。
食事の前のアミューズ。
ANAオリジナルのスティックと、砂肝のチーズオリーブ。
CAさんが持ってきてくれた食前酒。
さて「ファミーユ・ペラン ヴァンソーブル・レ・コルニュ」なるワインは、どんな飲み口かな。
ワインにアペタイザー。
ANAビジネスで旅立つ際の最初の儀式。
素晴らしい旅立ちに乾杯。
機はすでに日本海溝を超えて、太平洋の奥深くに。
そして、太陽も西の海に沈んでいきました。
太平洋上で味わう和食懐石料理
さて、夕食の時間になり、オーダーしておいた和食懐石料理が届きました。
和食なら日本酒でしょう、ということで、ここは「獺祭(だっさい)」を。
ちゃんとCAさんには「撮らせてください」とお願いしています。
それに、こころよく応じていただく素晴らしいおもてなしのCAさん。
ふだん目にすることのないような懐石料理。
このにこごりは鮑かな。
飛行機の中でのお刺身は初体験。
こちらはホタテの蒸し煮。
懐石料理は相席あってのもの。
私の相席は、フライトマップですw
あまりに美味しく、あっというまに平らげてしまいました。
食事の間にも、機は太平洋の真ん中へと進んでいます。
感覚的には南東へ飛んだ方がメキシコには近く感じるけど、そこは地球は丸いから。
美味しい食事に大満足してくつろいでいると、ふたたび食膳が運び込まれたので驚いていると、さっきのが前菜でこちらがメインコース。
慣れない懐石料理に対峙して恥ずかしい思いw
恥ずかしさついでに、獺祭をお代わり。
ほんとに、空の上なのに、日本旅館にいるみたいだね。
太平洋上でいただく懐石料理に一礼してからいただきます。
遣欧使節団の一行は、3ヶ月間、どんな食事をしていたんだろ?
ふと、そんな疑問がよぎりました。
食事が終わると、「こちらのワインもいかがですか?」と、私のワイン好きを見抜いたCAさん。
メドック産のほうですね、ありがとうございます。
CAさんも、コロナ禍はそうとう苦労されたんだろうな・・・
デザートをいただきながら、ワインはそれこそ何杯もお代わりさせていただきました。
本当にありがとうございます。
東へ飛ぶ飛行機の日暮は早く、8/4の太陽が完全に沈んでいきました。
目が覚めた時、昇ってる太陽は、やはり8/4の太陽・・・やっぱり私の理解を超えてる^ ^
日付変更線を越えていただく親子丼&コーンスープ
一連の食事とデザートが終わると、機内は消灯。
日本時間に換算しても20時を回る頃で、乗客のみなさんも寝入りはじめています。
私も、日付変更線を越えるのを見届けよう、などと子供みたいなこと言ってないで、少し睡眠をとります。
メキシコシティに着いた後は、信じられないほどの弾丸日程なんです。
体力を温存しておかないと。
就寝前の行事として歯磨き。
ビジネスクラスキャビンの化粧室はとても綺麗で、アメニティも充実。
そして、シートをベッドにします。
あっという間に、空の上のベッドが出来上がり。
この雰囲気最高だわ・・・
間もなく日付変更線を越えます。
そして、ANAさんのスタッガードシートで横になるのは、これで何回目かな・・・
なんて、考えてるうちに、寝落ちしました。
4時間ほど眠って目を覚まします。
メキシコシティまでは3,430マイル、5,488km。
機内は、シーンと静まりかえっています。
もちろん、ジャンボ機特有のゴーッという轟音はたえまなくしているんですが、もう身体の一部になっています。
小腹が空いたので、ちょうど通りかかったCAさんに軽食をお願いしました。
温かいコーンスープに、
鶏肉の親子丼です。
軽食というにはボリュームがありますが、街中で食べる親子丼の数倍は美味しいw
そして、もう一度、二度寝すると、太陽が上がってきました。
アリゾナ砂漠の上でいただくブレックファスト&メキシコシティ到着
さて、いよいよ最終コース。
機も北米大陸に上陸し、現在アリゾナの砂漠の上。
そしてメキシコシティまで、あと3時間。あと、30時間くらい乗ってたいけど。
私が起きはらったのをみて、間髪入れずにモーニングコーヒーを差し出してくれたCAさん。
こんなに素敵な女性って、いるんですね^ ^
眼下の砂漠を眺めるんですが、どうも、ウインドウの遮光装置が故障しているみたく、この世の終わりみたいなフィルターがかかっていますw
朝食です。
素晴らしい一夜だったANAの成田メキシコシティ路線。
お金で買えば、往復110万円。私には、絶対無理だろう。
庶民にも、このような夢空間体験を施してくれるマイレージという制度は神です。
90,000マイル貯めるにも、それなりの苦労はありますが。
※必要マイル数は、2024年8月現在、もう少し上昇しているみたいです。ハイシーズンだと11万マイルかな・・・
さて、機が着陸体制に入りました。
窓は、前述の通り、暗闇がかかったまま。
でも、「この世の終わり」フィルター。
これはこれで、なかなかいい趣向ですね。
コロニアル都市が、ほんとにこの世の終わりに見える^ ^
そして、ANA機はメキシコシティ国際空港のターミナル1に着陸しました。
着陸すると、窓の遮光装置がはずれてすっきりと。故障じゃなかったんですねw
6年ぶり再会のメキシコシティ国際空港。
前回も、そのままアエロメヒコに乗り継ぎで、そのときはメリダに向かいましたが、今回も乗り継ぎ。
いわゆる自己乗り継ぎなので、乗り継ぎ時間はたっぷりと6時間とってあります。
前回はメキシコ入国に時間がかかって、ビビったので。
では、ビジネスクラスの同志たちと降機します。お疲れ様。
快適な空の旅を支えてくれた「1A」シートに敬礼。
帰りもお世話になりますね。
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