イランという国に、皆さんはどんな感情をお持ちですか。
メディアの報道だけ見てると、どうしても負のイメージがつきがち。
イラン・イラク戦争、イラン革命、ホルムズ海峡問題、経済制裁・・・
でも、イランといえば、ゾロアスター教の時代からの歴史国。さらに、有史以来東西の交易の要であっただけあって、遺跡や旧市街、歴史的建造物にこと欠きません。
怖いというイメージだけで、いかないのはもったい無い。
人が旅に求めるものは様々でしょうが、私が旅に求めるのは非日常。
バザールの前のベンチに座って、道行くイランの人々の表情を、ただただ眺める。そこには、一切の東洋的な顔も文化もない。
まさに、日本では見られない、異国にいるということが、実感として湧き上がってくる光景でした。
そんな3泊6日のイラン弾丸紀行をまとめてみましたので、イランへの旅を企画されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてみてください。
イラン 3泊6日弾丸旅行 全行程
日付 |
午前 |
午後 |
---|---|---|
3/15(水) |
(出発まで) |
羽田23:50 ⇒ ドーハ |
3/16(木) |
ドーハ ⇒ テヘラン |
テヘラン観光 |
3/17(金) |
テヘラン ⇒ シラーズ (飛行機) |
シラーズ観光 ⇒ イスファハーン (夜行バス) |
3/18(土) |
イスファハーン観光 |
イスファハーン観光 |
3/19(日) |
イスファハーン観光 |
イスファハーン観光 ⇒ テヘラン |
3/20(月) |
テヘラン ⇒ ドーハ |
成田到着 |
会社から2日間の休暇をもらい、まず押さえたのが、テヘラン往復の航空券。
それを軸に、どの町とどの町を回ろうか、ペルセポリスも見たいし、町と町を結ぶバスにも乗ってみたい。頭が痛くなるほど、スケジュールの検討を重ねました(笑)
おかげで、概ね満足いくプラン。
現地に正味3日強ですが、イラン行ってきたよ、というレベルにはなっているかなと思います。
教訓となったのが2点。
弾丸旅行ならペルセポリスはタクシーチャーターで
シラーズの町に着いて、ペルセポリスへのアプローチを自力でミニバスで行こうとしていたら、シラーズの町の見学をする時間はなくなっていたでしょう。
もともと弾丸旅行なのですから、いさぎよくタクシーをチャーターすべきですね。そんなに高くないんですから(約3,570円)。
テヘランの乗り継ぎには注意
もう1点が、帰国の際のテヘランの乗り継ぎ。国内線と国際線では、そもそも空港が異なり50キロほども離れています。
そして、イラン航空など国内線の遅延は日常で、加えて、テヘラン市内は慢性渋滞。
4時間あれば大丈夫だろうと、タカをくくっていたんですが、テヘラン行きが2時間も遅れ、冷や汗ものでした。
何時間あれば大丈夫ということではなく、帰国の際は、帰国便のフライトが出発する街の観光にとどめるべきですね。いい勉強になりました。
イラン往復のフライトスケジュール
航空会社 | 便名 | フライト |
乗継ぎ時間 |
|
---|---|---|---|---|
往き |
カタール航空 |
QR813 |
羽田23:50 ⇒ ドーハ6:00 |
1時間50分 |
QR482 |
ドーハ7:50 ⇒ テヘラン10:25 |
|||
帰り |
カタール航空 |
QR499 |
テヘラン22:40 ⇒ ドーハ0:15 |
3時間5分 |
QR806 |
ドーハ3:20 ⇒ 成田19:00 |
カタール航空は初搭乗。前評判もよく期待していたんですが、機内食も上々で、大変気持ちいいフライトでした。
それよりも、カタール航空のよさは、フライトスケジュールにあるでしょう。
こういうフライトプランがあるから、休暇2日間でイランの弾丸旅行が可能になるんです。
旅費・ホテル代など
さて、旅費はいくらでしょうか。計算してみました。(2017年3月のレートで計算)
用途 |
利用区間など |
費用 |
---|---|---|
飛行機 (カタール航空) |
羽田 ⇒ ドーハ ⇒ テヘラン(往復:帰りは成田) |
114,000円 |
飛行機 (イラン航空) |
テヘラン ⇒ シラーズ イスファハーン ⇒ テヘラン |
18,000円 |
バス |
シラーズ ⇒ イスファハーン |
1,080円 |
ホテル |
テヘラン:フェルドウスィー・グランドホテル |
16,000円 |
ホテル |
イスファハーン:ジャムシード・ホテル |
5,100円 |
チャーター |
ペルセポリスなど |
3,570円 |
しめて、合計157,750円。ちょっと張りましたが、8,000キロも離れたイランへの旅なのですから、ある程度は仕方ないと、割り切っています。
安いと聞いていたイラン国内の飛行機が、そんなに安くなかったのと、初日の宿泊は予約しておいたほうがいいということで、高級ホテルを予約せざるを得なかったのが響きました。
航空券代はともかく、バスやタクシー代は手ごろだし、ホテルも、バックパッカーが泊まるようなホテルを使えば、もっと安くなっていたでしょう。
「アミールキャビール」ホテルの客引きの情報によれば、1泊10ドルとのことでした。
気候・食べ物など
3月のイランは、日本の春を思わせるような、ちょうどよい陽気。もっと寒いかと想像していました。
一口にイランと言っても、国土広大なので、街によって気候は異なるのでしょうが、今回私が訪れたテヘラン、シラーズ、イスファハーンは、いずれも、標高1,200~1,500m。概ね、同じような温かさでした。
食べ物は、ほとんどケバブばかり食べていたんですが、これが実に旨い!(^^)!
マックなどのハンバーガーなど、お呼びでないくらい美味しいんです。パンが柔らかいことに加え、野菜がふんだんにまぶしてあるからかな。
他にも、様々な食材を使った中東料理があるらしいですが、今回はチャレンジする機会がありませんでした。
お酒が飲めないことを除けば、いつでもケバブを食べられるイランは最高ですね。
治安について
日中の、それも人の多いところしか歩かなかったからかもしれませんが、治安が悪い感じはまったく受けませんでした。
それどころか、イランの人たちは、とても親切。そして親日、を飛び越えて愛日?
もう、いろんな場所で声をかけまくられました。何週間も旅してると、ひょっとしたら「ウザく」なるのかもしれないけど、たった3日間の旅です。ペルシャ人と触れ合う機会ができて、とても楽しかったです。
ただ、タクシーは、しっかり交渉しないと乗れませんし、バスターミナルでの運転手たちの客引きは、それは凄まじいものがあります。まあ、これは中東というお国柄ですね。
まとめ
イランを旅している道中、数々の美しいモスクやペルセポリスなどの遺跡を目にするたびに、あるいは「テヘラン」とか「イスファハーン」という道路標識が目に入るたびに、「ああ、自分は今、イランにいるんだ。」という実感をかみしめるとともに、たった2日、会社から休暇をもらうだけで、それが実現できてしまったことが、信じられない自分がいました。
世界一周とかしている人から見たら、「何を大げさな」と言われそうですが、正直な感想です。
とにかく、私にとっては、「深夜特急」のイメージが強いので、日本から、ふらっと飛行機で訪れて、数日後に帰ってくる、なんてことができる国だとは思えなかったんです。
日本に帰ってからもしばらくは、その反動で、燃え尽き症候群のような様相でしたが、時がたつにつれ、あるいは、写真を整理するうちに、「イランに行ってきた」ということを、現実のものと捉えられるようになりました。
無理もないです。
一週間もしないうちに、ノウルーズ間近にバザールのペルシャ人の人の洪水を目の当たりにし、ペルセポリスを自分の足で踏みしめ、美しいモスクを眼に焼きつけ、バスに乗って、砂漠の中の1本道をドライブしたんですから。
そして、もう普段の仕事に戻ってるんです。
トータル・リコールじゃないけど、記憶を書き換えられたって気分ですね。
全然「まとめ」になってませんが、そのくらい、私にとって印象が強かった。
15万円そこそこを出せば、現役のサラリーマンやOLでも、こういった体験ができるんです。
世界を旅できるのは老後、などと決めつけないで、行動力があるうちに、異国の体験を楽しみませんか?
これからますます弾丸旅行に拍車がかかる、そんなきっかけともなったイラン弾丸旅行でした。
(すいません。ほんとに全然まとまってませんね・・)