かつて、「イスファハーンは世界の半分」と称されました。
しかし、その歴史は意外にも浅く、1597年にアッバース1世がイスファハーンを首都と定めたことによるらしいです。
「世界の半分」と称えたのは、ヨーロッパの商人たち、すなわち異国民たち。
17世紀といえば、いわゆる列強国が諸外国に繰り出し、その勢力を広げようとする、まさに弱肉強食的野心に満ち溢れていた時代。
そんな時代に、キリスト教徒たちに、「世界の半分」と言わせたというのは、すごいことだと思います。
その象徴ともいうべき「エマーム広場」に、これから行ってみます。
「エマーム広場」に至るスークの散歩
広場に行くには、セパー通りという、広場の中庭に通じる通りを歩けばいいですが、私は、一本奥に入った裏通りから向かうことにしました。
そこらじゅうで道路工事をやっています。
道路工事というより、石畳の整備という感じかな。日本の予算帳尻合わせの公共工事とは違いますね。
経済制裁も解除されたし、これから資本もどんどん入ってくるのかな。
ここが、「エマーム広場」の北側に広がるバザールの入り口。
バザール経由で、広場に向かいます。
絨毯屋さんがいっぱい並んでいます。
これはスークの屋根。
なんか、スークの中を歩くと、エルサレムを思い出しますね。
屋根の穴から光が差し込んでいます。電灯のいらない工夫ですね。
「全世界の図」エマーム広場を歩く
そして、北側のゲイサリーエ門から、エマーム広場に入りました。
すごい雑踏です。
おお、広い。またの名をナグシェ・ジャハーン広場(全世界の図)と呼ぶのもダテではありません。
広場が広いせいか、雑踏が雑踏という感じがしないほど。
芝生の中も自由に入っちゃっていいんですね。
平和なイランの象徴でしょうか。
芝生の維持も大変です。
これが、「深夜特急」にも登場したエマーム広場ですか。
イランの人たちが、楽しそうに歩いています。
広場は、お土産屋さんに囲まれています。
そして、外側のスークとつながっています。
馬車ですね。1週60,000リアルだそうです。
人気があるんですね。行列ができています。
ちょうど、お昼時。
みなさん、思い思いにくつろぎます。
私もくつろぎます。芝生の上で、仰向けになるなんて、何年ぶりだ・・・
おや、プールではなくて、池でもなくて、噴水です。
でも、プールのように見えます。
それにしても美しい水です。もちろん建設当初はなかったんでしょうけど。
マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー
あれは、マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー。王族専用のマスジェデだったそうです。
午後は13時から入場が可能。ちょうど13時です。入ってみましょう。
まだ入ってないのに、外壁のタイルに圧倒されます。
ほんとに太陽の光に反射して、目がくらむばかり。さすがに世界遺産。
中も素晴らしいタイル造り。照明がなく暗いはずなんですが、光と光が反射しあって、明るいです。
まずは、礼拝に使っていたという地下室へ。
この天井の低さが、威圧感を呼びます。
あとで「地球の歩き方」見ていて気付いた。
地下室って見学できないんだ! じゃあ、なんで入れたんだろう??
ひょっとして、勝手に入っちゃったのかな。
何食わぬ顔をして、外へ(笑)
いやあ、こっちもすごい。造るのに17年かかったというのもダテじゃありません。
天井見てると、目が回ります ほんとに、グルグル・・・
再び、広場の中に。
マスジェデ・エマーム
今度は、マスジェデ・エマーム。
イラン建築の最高傑作とされています。こちらも世界遺産。
こちらも、午後は13時から。でも、なぜかCLOSE。
待ってる人もたくさんいるから、そのうちに開くんでしょう。
その間に、お土産屋さんを見物。
これは、水タバコですね。そういえば、水タバコシーンは、まだ見てないな。
ほんとに美しい。お土産も、イラン女性も。
開いたみたいなので、200,000リアル払って、入ります。
なんというか、ほんとはもっと青い色調が強烈なんだけど、写真のウデだよね。光が反射しちゃって、薄くなっちゃってます。
こっちは、建設に26年の歳月。
うわ、日本でいえば、青函トンネルほどの工事。意味合いが全然違う(笑)
ていねいに描かれています。400年も前の出来事なんだよね。
サファヴィー朝5代皇帝・アッバース1世の命を受けて、1630年に完成したとのこと。
中央礼拝堂の天井部分は、修復工事中のようですね。
これ、1枚1枚手作業でしょ!? 気の遠くなる芸術です。
中庭からこの角度で見ると、エイヴァーンが45度斜めに向いているのがわかります。
お祈りのため、メッカの方角を向いているとのことです。
しかし、不思議??
メッカといえば、サウジアラビア。イランとサウジアラビアは敵対関係。
敵対関係どころか、国交断絶中!?
宗派の聖地がある国と、国交断絶って、わからない・・ 宗教って、ほんとにわからない・・
イランの人たちも、三脚立てて、写真撮っています。
実は、見学中、いろんな人から声をかけられています。(^-^)
日本人が珍しいのと、親近感があるのと、その両方ですね。
なかには、「お願いします!って、英語でなんというのですか? 日本語で丁寧にいうと、どうなりますか?」なんて、寄ってくる人もしばしば。
おいおい、そんな言葉覚えて、何に使うんだよ(笑)
でも、基本、イランの人たちは親切だし、親近感が持てます。これは、本当です。
ただただ、感嘆するばかり。時間もあっという間に経ってしまいます。
この人たちも、普段はお祈りしてるのかな。
外に出ました。垂れ下がった、鍾乳石飾りが本当に素晴らしいです。
アーリー・ガープー宮殿
歩き回りすぎて、少し疲れてきましたが、次はアーリー・ガープー宮殿です。
その前に、カフェで一休み。
オレンジをしぼっただけの、文字通りのオレンジジュース。
ペルシャ絨毯との調和が面白いです。
いやあ、おいしい。20度近くあるから、のども乾きます。
上に上がっていきます。
けっこう急だし、天井も低い。
上から見下ろすエマーム広場
上に上がると、バルコニーから、エマーム広場を一望。
まさに「世界の半分」って感じですね。
ペルシャ美人。
無念だったのは、音楽鑑賞室に気付かなかったこと。
「地球の歩き方」によると、音響効果を計算した穴が、装飾として削られている天井があると書かれているのですが、どこにあるのかわかりませんでした。
この宮殿自体が長期修復中なので、入れないようになってたのかな・・
宮殿を出て、広場に戻りました。相変わらず、いい天気で、温かい。
おいおい、いくら温かいといっても、その中に入っていいのかい?
さて、時刻は15時過ぎ。エマーム広場は、十分に堪能しました。
エマーム広場を後にして、街を散策しましょう。
では、エマーム広場、さようなら。
あした、また、お土産を買いに来ます(笑)