蛇足ですが、テヘランという地名は、イラン・イラク戦争で知りました。
私が中学生の時に勃発した戦争。
何故記憶に焼き付いているかというと、報道される規模の国際戦争の存在を、たぶん、生まれてはじめてテレビを通じて見たからだろうと思います。
テヘランの日系特派員からの連日の報道を、「戦争って、結局終わってないじゃん」と、私はそういう風にとらえて眺めていました。
何しろ、小学校の授業では、「日本が戦争に負けて、戦争は終結した。もう、戦争は起きない。」なんて教えられ、私はそれを、地球規模に拡大解釈していたんですから(笑)
バザール前の平和な光景
そういう感慨のあるテヘランという街ですが、訪れてみると、平和な光景が広がっています。
ここは、ゴレスターン宮殿の出入り口をすぐ出た公園です。

テヘランのバザールの近くでもあります。

では、バザールの方に向かってみます。


水がふんだんに使われていて、自然の豊かさを感じさせますね。
あんまり、雨は降らないんだろうとは思いますが。

雑踏をさけて、休憩するイラン女性。

ここは、バザールの手前、パーンズダヘ・ホルダード通り。文字通りの雑踏です。

私も路上の岩に腰かけて、しばらく、道行く人たちを眺めます。

街路樹が色づくと新緑になるのでしょうか。

中東の国に来て、こうやって道行く人を眺める。
ずっと、やりたかったことが願いかなって、感無量(笑)

中央の芝生の上では、団欒を楽しむイラン人たち。


何をするでもなく、通りを眺めている東洋人は珍しいんでしょう。
いろんなイラン人が話しかけてきますが、だいたい「コウリャン? チャイナ?」と聞いてきて、日本人と知ると、「オー、ジャパン!」と笑顔で握手を求められたりします。
握手を求められるのも、1回や2回じゃありません。
親日国家とは聞いてましたが、これほどまでとは(^-^)

英語のわかるイラン人と少し会話すると、やっぱりこの雑踏はノウルーズ。
宴の準備をするために、食材などを買い込んでいるとのこと。なるほど・・・
その人に、「中国語と日本語は同じなのか?」と質問を受け、「ベリーディファレント」と答えると、「文字がすごく似てるじゃないか。」と言います。
中東の人が、漢字を見ると、そう思うんですね。

バザールに入る前に、人の流れに乗って、大通りの方へ歩いてみます。


イスラムの世界では、女性は一人では外出できないという、あやふやな予備知識がありましたが、なんかふつうに外出し、買い物もしています。


モニリーイェ広場の人の洪水
ここは、地下をメトロ1が走るストリート。
大渋滞する道路同士が交差する、交通の要衝モニリーイェ広場ですが、なんと信号がありません。

信号がないから、みんな無手勝流に交差点になだれ込んできます。
この迫力、すさまじい(笑)
中国やタイもすさまじかったですが、私が今まで渡航した国の中では、すさまじさはトップレベルです。

信号がないので、人々は、自己責任で渡らなくてはなりません。

渋滞してますから、クルマは動いたり止まったり。
しかし、その間隙をついて走るバイクが怖い。スピード落としませんから(*_*)

交差点にはバスも侵入してきます。それも、ドア開けっぱなしで・・

そして、勝手に乗り込みます。


当然横断歩道なんてありませんから、向こう側に行くのも一苦労。

すごい光景だ、これは。

この縦横無尽なさまは、なんと形容すればいいでしょう。

しばらく、ガードレールに腰かけて、見学。見てるだけで、時を忘れる楽しさです。

また、バザールに戻ってみましょう。

私も、だいぶこの雑踏に慣れてきました。


公衆電話があります。懐かしい。

雑踏に漂う香辛料の香り
香辛料やさんも、いっぱい並んでいます。


なんて書いてあるのか、全く読めません。
数字は、おそらく、32,000でしょうか。でもトマンなのかリアルなのか、販売単位もわかりません。

そんなにキツイ香りはしません。
香辛料というより、木の実ですね。つまんだら、おいしそうです。



私が、歩けてるのが不思議なほどの雑踏です。しかも、アジア系の顔は、まったく見あたりません。このアウェイ感がたまらないです。


さらに奥へ進みます。

中東最大規模 テヘランのバザール
あそこが、広大なバザールの入り口の一つ。どんな様子なのか、ちょっと入ってみましょう。

入ってみてびっくり。デパートみたくなってるじゃないですか。

食料だけじゃなく、衣料、貴金属、子供のおもちゃなどまで、何でもありのようです。

一番右のサインは、お祈りする部屋ってことですね。

とにかく、人の流れがすごいので、いったん外に出ます。いやあ、すさまじい熱気だ。

人をかき分けて、なんとか外へ。

これ、買い物するのが大変なほどの混雑です。

ほんとすごい人の数。夕方になるにつれ、どんどん増えてきました。

馬車も現れました。

サブゼ広場だそうです。


違う入り口から、もう一度バザールの中に入ってみます。

かつて見たことのない雑踏
この人の数。もうびっくらです!(^^)!

文字通り、人の洪水。スリ警戒モード全開(笑)

久保田早紀「異邦人」の歌詞に、「市場へ行く人の波に身体を預け・・」というシーンがあったのを思い出しました。
まさに、そんな感じです。自分の意思と関係なく、身体が動いていきます。

中心部付近まで来て、ようやく人ごみからは解放。
区画によって、お店屋さんのジャンルが違うんでしょうね。
今日だけでは、とても全部は見きれません。


貴金属から生活雑貨まで、なんでもござい。


これが、テヘランのバザールなんですね。


時刻も18時を過ぎてきました。

タラタラと、ホテルに帰りますか。

遠くには、雪をかぶった山。

エマームホメイニー広場まで、戻ってきました。
日は落ちましたが、そんなに寒くありません。15度以上はあるでしょう。
テヘランがこんな感じであれば、今回の旅、冬物のセーターは必要なかったかな。

細い路地をのぞきながら、ホテルへ戻っていくと、電気屋さん街がありました。

なんか、プレステ4を盛大に売っています。
ノウルーズ商戦ってやつでしょうか。でも、イラン国民、どんなソフトをやるんだろう?

すごいな、VR対応のソフトですか。

ドネルサンドの夕食
さて、腹ごしらえ。
考えてみれば、朝の機内食から、何も食べませんでした。(機内食が2食分でたからね)
通り沿いのファーストフード屋に入り、おすすめを注文。

ドネルサンドでしょうか。こりゃ、まじにおいしい!

ケチャップやマスターをかけながら食べると最高です。
値段を忘れちゃいましたが、100,000リアル(354円)紙幣を出して、お釣りをもらいました。
ボリュームもたっぷりです。すっかり、お腹いっぱいになりました。

満腹して、ホテルへ戻ります。

刺激の強かったテヘラン散策に、身体が震えたままです(笑)
しかし、明日は7:20のフライトでシラーズへ飛びます。5時には起きないと。
名残惜しいですが、今日は、もう寝ましょう。
テヘランとは、たった半日でお別れですが、何日もいたような感覚です。
無事だった本日に感謝!