隠岐の島へ渡る船は、島根半島北岸の七類港、そして中海から日本海へ通じる運河沿いの港町境港からでます。
どちらも、米子あたりに宿を構えたほうが行きやすそうですが、松江駅前から連絡バスがあるみたいだったので、松江に泊った次第。
そして、連絡バスの発車時刻7:55の30分ほど前に、私は松江駅の前に現れました。
快適な「隠岐汽船連絡バス」松江駅 ⇒ 七類港
松江駅前を7:55に出発するのに、30分も前に来たのは理由があります。
3連休初日ということで、船がどうも満席らしいから。
2等がどうなっているのかわかりませんが、少なくとも私が電話で予約した際は特2等と1等は満席でした。
そして、松江からの連絡バスはこの1便のみ。
満席でバスを締めだされたら大変と、早く来たわけです。
早く来たので、私の目の前を、空港行きの連絡バスが次々と発車していきます。
「出雲縁結び空港」とか「米子鬼太郎空港」とか、ユニークなネーミングは旅人を楽しませてくれます。
さて、お目当ての「七類港」行き。
30人くらいは並んでました。やっぱり早く来てよかった。
でも30人程度なら、全員座って、まだ少し余裕があります。
3連休初日でこれなら、1便で需要と供給は一致しているのかもしれませんね。
出発から20分ほどで、右窓に日本で5番目に大きい湖「中海」が登場。
バスは国道431号線を東へ走ります。
そして、七類港に到着。
埠頭の高さが海面すれすれで、ずいぶんと低い港というのが第一印象。
七類港ターミナルでのひととき
さて、七類港です。
勝手がわかりませんが、予約をしてない客も、電話で予約している客(私)も、乗船名簿に記入し、窓口に出す必要があります。
対馬フェリーのときと同じ感覚です。
今年、けっこう船に乗りましたが、乗船名簿に記入するのは「対馬」と今回の「隠岐」。
「佐渡」はWEBで予約したから書かせない理由はわかるけど、「利尻礼文」はなかったな。
船会社によって、このあたりの扱いは異なるようです。
そして、行列に並ぶんですが、予約者優先の窓口はなし。
でも、スタッフのさばきがいいので、みるみるうちに行列が短くなっていきます。
私の順番になり「電話で予約した〇〇ですが」と名乗ると、名簿に指を走らせ、あっというまに発券してくれました。
カードで払いましたが、全部で1分もかかってません、お見事です。
ちなみに予約した等級は特等洋室。1等が満室だったとはいえ、テンションがあがりますね。
チケットは、懐かしさの残るかたい紙。チケットというより切符です。
「本土」⇒「隠岐」って、これから島流しになる気分(^^)
※冗談です、島民の皆様申し訳ありません。
船内に食堂や弁当はないようです。
それどころか港ターミナルにも、そういったものが見当たりません。
私は、ホテルのバイキングでどっさり詰め込んできましたが、朝食難民になる方もいるかも。
なので、船に乗り込んでしまいましょう。
右がフェリー「おき」の出る西郷方面。左が「くにが」の出る島前方面。
私は右です。
船でも列車でも飛行機でもバスでも、行先表示板は旅愁を高めてくれます。
完全なプライバシー空間 フェリー「おき」の特等洋室
さて、船に乗り込み切符を見せると、なんと名前を聞かれ、船員さんが私のキャリーを転がして部屋へ案内してくれます。
特等室だからでしょうか。
一番奥は「特別室」で、並んでいるのが「特等室」。
ドアに名前が貼り出されているのが照れくさい。
おお、さすがの「特等室」。船員さんは「ごゆっくりしてください」とさがっていかれました。
細長いですが、狭苦しさはまったく感じません。
上下2段ではなく、船の向きに横に並んだ2人分のベッド。でも、私は1人分しか払ってません。
どんな仕組みになってるのかな。
船の旅で、個室をリザーブしたのは、ウラジオストクへ行った時のロシア航路。
今回が3度目です。たぶん一番広い気がする。
こんな完璧にプライバシーが保たれた空間なら、何時間でも乗っていたい。
しかし船は2時間25分後には西郷港に着いてしまいます。
フェリー「おき」船内の様子
いきなり船員さんに案内されて、「特等室」におさまってしまいましたが、出航前に船内を見学したい。
フェリー「おき」の総トン数は2,366トン。定員数は822名。
大きさ的には、佐渡汽船「ときわ丸」の半分より少し小さい感じ。
フロントまで戻っていくと、フロントのわきに案に反して売店がありました。
弁当は売ってませんでしたが、カップラーメンなんかもあるので、2時間半の船旅なら食いはぐれることもなさそうです。
2等室をのぞくと満席の理由がわかったような気がする。
団体さんがいたんだ。なるほど・・
こっちは、団体さんじゃないふつうの旅客。やっぱり満席ですね。
こっちも2等室かな。とにかく大入り満員のフェリー「おき」です。
3連休といえども、こんなに隠岐の島へ行く人がいるなんて、思ってもみなかった。
国民がウイズコロナを意識しはじめた証でしょうか。喜ばしいことですね。
特等室の入り口付近には、子供部屋がありました。
これは、船を降りる直前に中をのぞいた1等室。
満室だったということは、やっぱり団体が入っていたんでしょうね。
七類港を出港 島後・西郷まで2時間半の船旅
さて、定刻に「おき」は七類港を離れます。
岸壁の見送りの雰囲気。いつ見てもいいな(^^)
30分後に出航する「くにが」。クルマを積み込んでますね。
やっぱり岸壁低いよね。それとも満潮だから低く感じるとか。
でも、この高さだと、あっという間に波に襲われそう。
しかしこれ、海きれいだな。
船が通った後は海底を掘り起こしちゃってるけど、エメラルドグリーンの日本海。
予報では本日は雨模様だったんだけど、外れた予報に感謝。
うわ、大量のクルマ。この船の乗客は、ここまでクルマで来るケースが多いのかな。
デッキの上は、団体客が旅立ちを楽しんでます。
どこかの野球チームのようでした。
こちらは一般の客。10月8日、東京は気温10度ぐらいまで下がったらしいけど、こちらは20度弱。
風もないので気持ちのいい航海。
いよいよ防波堤の外、外洋に出ます。
遠ざかっていく七類港と七類の町。
七類ではなく境港は、マグロの水揚げ量が日本一としてよく聞くけど七類はどうなんだろう。
境港は鳥取県、七類は島根県。このへんも関係してるのかな。
船が外洋に出ると、大きく揺れはじめました。
すごいうねりです。
波の高さわかるかな(^^)
このままではたまりません。欄干につかまってないと立ってられない。
昨日通過した低気圧の余波が残っていたということでしょうか。
風はほぼないのに、大揺れです。
特等室で今年最大の揺れに耐える・・
さすがに船室に戻ってきました(^^)
多くの乗船客もキャビンに戻って、揺れ対策(横になること)を講じたようです。
そして、一部の客は、船酔いに襲われはじめてる。
クローゼットの扉が勝手にあくほどの揺れ・・
波がキャビンの窓にぶつかり、洗っていきます。
この揺れは、少なくとも今年の船旅で最大だ。
対馬にわたった時もすごい揺れで、船長から「玄界灘はシケなので、船内を移動するときは気を付けてください」とアナウンスがあったくらいなのだが。
と思ってたら、船内アナウンス。
「本日、波の状態が非常に悪く、西郷到着が20分程度遅れる見込みです・・」
『波の状態が非常に悪く』とは、どういう状態を指すんだろうw
まあでも、「遅れる見込み」で済むくらいなら、万一のことはないでしょう。
私も、ふつうに座ってるのが辛くなってきたので(酔うとかじゃなくて何かにつかまらないと座ってられないという意味)、ごろ寝します。
私の船旅歴は、多いのか少ないのかわからないけど、100回くらい乗ってれば多いほうになるのかな。
その経験で、私が船酔いした経験は一度。
中国上海まで船で行く会社の研修。東京から上海は船旅だと3泊4日。
船上でも勉強し、上海でも見分を高めるという研修。
これで、見事に酔いました(^^)/
帰りの航海で台風にぶつかり、帰国が1日遅れるほどの揺れ。
このときの教訓は、船が想定外に揺れた場合は、とにかく横になって目をつぶること。
間違っても、活字などを追ってはダメ。
ベッドに横になっても、本など読んでいては、確実に三半規管やられます。
隠岐の島 西郷港に到着
いくらか揺れもおさまったかな・・と思い船室の窓から外を見ると陸地が。
まだアナウンスはないけど、まもなく到着ですね。まずは下船の準備。
そして、カメラをもって甲板へ。
おお・・これが後醍醐天皇が流された隠岐の島(後醍醐天皇が流されたのは別の島なんですがw)
西郷の町も見えてきました。
古代から、大海原を航海してきて、陸地が見えた時の気分はどうだったのかな。
歓声をあげて祝福したことでしょう。
今回の航海は船が大揺れだったことも相まって、その何万分の一の気持ちは味わえた気がします。
西郷の町、第一印象。けっこう近代的。ビルも立ち並んでいます。
きれいなアーチ橋も。
港に入ります。いやあ、隠岐の島か・・
考えてみれば、今年の船旅。ここまで晴天に恵まれたのは佐渡以来(^^)
どんな島なのか、胸がときめきます。
船は約30分遅れの正午12時に西郷港に入港です。
半日しかないけど、丸い島後の島、レンタカーでいけるとこ行きまくりましょう。