目のお薬師さま【一畑薬師】八万四千の仏様に圧倒される【島根一人旅 #5】

島根県の観光スポットというと出雲大社が真っ先にあがって、他には石見銀山、津和野、松江城、八重垣神社、玉造温泉などと続きます。

いまの並びは島根県の公式観光サイトの主な掲載順。

どこまでいっても「一畑薬師」の名前が出てきません。

そこで、検索窓に「一畑薬師」と入力してみると、

漁師与市が海中から引き上げた薬師如来像が本尊で、眼病に霊験あらたかです。宍道湖や大山を眼下に眺める境内からの絶景が素晴らしいです。1300段の古参道は趣きがあって見事です。 ※「しまね観光ナビ」より

と、たった2行の案内が出てきました。

 

私は、いま出雲大社にいて、今夜の宿は松江温泉。

一畑電車という宍道湖畔をゴトゴト揺られながら走る地方鉄道で旅しようとしている。

その一畑電車の名前の由来が「一畑薬師」であるならば、そこへの敬意を表さねばならない(^^)

そう考え、一畑電車を「一畑口」で降りたのでした。

タクシーで向かう「一畑薬師」

ところで、「一畑薬師」は「一畑口」駅の目の前にあるわけではありません。

距離にして北へ約5km。そして標高200mほど登ることになります。

駅と薬師の間をバスが結んでいますが、1日7本(休日は3本)と観光客向けではなく市民の足。

1日7本なら決して少なくはないですが、私が「一畑口駅」に着く予定の時刻では、バスは1時間待たないといけない。

そこで、電車に乗る前に「一畑交通」に電話したら、「一畑口駅から一畑薬師までですね。電車が着く時間に合わせてお迎えにあがりますね。」と、感じのいい応答がありました。

タクシーは山間の小道を駆け上がります。

そして10分ほどで、参道の入り口らしき場所に到着。

料金は2,180円でした。

さて、自分がいまどこにいるのかわからない。

進んでいくと「御霊茶」なるお茶屋が。

薬師ですから薬なのかと思ったら、お茶も奏でるようです。

創建から千百年 歴史ある一畑薬師教団の総本山

一畑山の海岸に与市という盲目の母親と二人暮らしの漁師がいました。

与市は、ある日海から金色に輝く薬師様を引き上げます。

それから与一の家には不思議なことが起こりますが、夢の中で「母親の眼病を治すために、ワラを身にまとって近くの崖から飛びおりよ。」という、薬師様のお告げを聞きます。

母親愛の強かった与一は、実際に飛び降りるとケガ一つなく、そして助けに来た母親の目は見開いていた。

それから一畑薬師は、「目のお薬師さま」となったそうです。

いまから1100年ほど前の話です。

裸眼が自慢の私ですが、なんとか次の運転免許更新も裸眼で突破できるようにお祈り。

十六羅漢堂には、16人のお釈迦様の銅像が並んでいます。

全員表情が違う、大迫力の銅像。

おお、これに早く出会いたかった。

なるほど、タクシーを使った私はまったく階段を使わずに本堂まで来たようです。

お賽銭もキャッシュレス。

本堂の裏の見事な石垣。

八万四千の仏様に圧倒される

一畑薬師の象徴といえば、八万四千の仏様でしょう。

目が痛くなるほどの迫力です。

顔が違ってたらすごいことに・・と思ったけど、それはありませんでした。

一畑薬師から眺める宍道湖

晴れてるとは言い難いですが、少なくとも雨が上がってよかった。

幻想的な宍道湖が広がります。

ところで、今回の旅でレンタルしてきた「CANON EOS Kiss M2」なんですが、午前中であっさりとバッテリー切れ。

メイン機の6Ⅾは手荷物として「松江温泉駅」に送っちゃったとあって、ただいまスマホで撮ってます。

スマホでも十分撮れるんだけど、望遠と暗いところではつらいなあ。

マラソン大会にも使われる1200段の石段

一畑薬師は、ふもとから本堂に至るまでの1200段の石段も有名。

全部登らずに、ちょこっと見てみたい。

あそこの踊り場まで降りてみますか。

下から見上げるとこんな感じ。

マラソン大会にも使われるそうだけど、大勢で一気に走ったら、崩れてしまいそうな石段です。

というところで、一畑薬師の見学終了。

実は、ずっとバスの時間を気にして、時計ばかり見ていました。

参道からも見える宍道湖。

ここから上がっていくのが本来の参拝ルートのようです。

「開眼堂」の一畑まんじゅう

出雲名物だそうです。

しかし、商売はほんとタイミング。おばちゃんの声のかけ方絶妙です(^^)

「開眼堂」なんて縁起がいいし、鬼太郎のお父さんも「目」だし。

誰もいないバスターミナル。

生活バスなんですね。休日に便が減るのもわかります。

待合室で食べる一畑まんじゅう。一畑の「一」だそうです。

熱々のまんじゅうでした。

停留所に立っているのは私一人。運転手さんも驚いてるんじゃないかな。

頂上からふもとまで乗客は私一人。

この旅で、SUICAが使えないバスは初めてです(^^)

そして、一畑電車「一畑口」駅に到着。料金は200円。

あわただしくも、それでもしっかりと薬師を感じとれたミニトリップでした。

今回の島根&隠岐3泊4日ひとり旅の全行程はこちらです。