ただいま東京・新宿のバスターミナル「バスタ新宿」の目の前。
2022年10月6日木曜日、時刻は19時。会社を定時に退けて、ここにやってきました。
明日の金曜日は休暇届を出してあります。つまり4連休です!(^^)!
私と同じように退社した人と、旅立つ人が入り乱れます。
夜行バスで新宿から神々の国 出雲へ
私がここにやって来たのは、もちろん旅立つため。
乗るべきバスは、「ピンクのバス」で親しまれる「ウィラーエクスプレス」の出雲大社行き夜行バス。
私はこのバスで、出雲を歩き、それから隠岐の島に渡り、今年ハマってる島旅を楽しむつもり。
その前哨戦。久しぶりの長距離バス乗車に胸がときめきます(^^)
新宿の夜景もきれいに見える。
新宿から出雲大社まで812㎞。走行時間13時間20分。
と聞くと、うんざりする人もいるかもしれません(^^)
しかし、私は、アルゼンチンで36時間連続でバスに乗ってもあきなかった旅マニア。
私の旅経験で、国内最長の乗車距離となるバスを前に、勝手に興奮している自分がいます。
ひと月前の12時で確保できなかった「サンライズ出雲」
ところで、出雲といえば、人気列車「サンライズ出雲」の行き先ですね。
私も最初は「サンライズ」で行こうと考え、ひと月前にスマホの前で待機しました。
JR西日本のチケットは、ひと月前の10時に発売されます。
昼休みになった12時ごろトライすると、あえなく満席でした(*_*)
個室どころか、のびのび座席までも・・・
「サンライズ」の人気いまだ衰えずといったところでしょうか。
一計を案じた私は、夜行バスで出雲に乗り入れる方法にスイッチしたのでした。
でも、これも危なかった。残り3席でした。
金曜日でなく木曜日の夜出発ですよ。10月の出雲って旅人に人気あるのかな。
コスパと時間効率がいい「ウィラーエクスプレス」
ひょんなことから出会うことになった「ウィラーエクスプレス」という会社の夜行バス。
いつも通りに、会社の評判なども確かめずにそのままポチりましたが、熟考してみると、コスパだけでなく、けっこう時間効率が良いことに気づきます。
出雲といえば「出雲大社」でしょう。
「出雲大社」へ行くことを第一目的として、「サンライズ」と「ウィラーエクスプレス」を比べてみました。
サンライズ出雲 | ウィラーエクスプレス | |
---|---|---|
料金 |
ソロ :22,110円 のびのび:16,040円 |
3列独立:9,400円 4列 :7,400円 |
設備 |
ソロ :個室寝台 のびのび:カーペット |
3列:カーテン遮断 4列:寝顔フード |
出発時刻 | 東京 21:50 | 新宿 19:40 |
到着時刻 | 出雲市 9:58 |
出雲市駅南口 8:30 出雲大社 9:00 |
出雲大社前に 着ける時刻 |
タクシー 10:20 一畑電鉄 10:48 |
9:00 |
出雲大社までの 所要時間 |
12時間30分 ※タクシー利用(約3千円) |
13時間20分 |
日御碕行きの バス出発時刻 |
出雲市駅 12:45 出雲大社 13:22 |
出雲大社 10:37 |
※2022年10月現在
いかがでしょうか。
「ウィラーエクスプレス」が「出雲大社」直行便であることが功を奏し、翌朝の行動にかなり差が出ることがわかります。
出雲市駅から出雲大社まで、タクシーで約20分、バスなら30分。
「ウィラー・・」なら9時ジャストに出雲大社前に現れることができるのに、「サンライズ」は10時20分。
これは、実はその後の予定にも影響を与えます。
出雲大社をお参りした後は「日御碕神社」でしょうか。
ここへのバスはそんなに本数はなく、午前中のちょうどいい時間は出雲大社前を10:37のみ。
「ウィラー・・」の場合、出雲大社を一回りした後でも「日御碕神社」へ向かえるんです。
結果的に、半日近くの差が出るこのダイヤ。
なんか、狙ってる気がしますね(^^)
「ウィラー・・」のほうが、「サンライズ」よりも2時間10分早く出発するので当然といえば当然ですが、弾丸トラベラーの私には「ウィラー・・」のほうに軍配が上がります。
もちろん、出雲市駅に着いた後、レンタカーで行動するような方にとっては、個室でゆったりと横になれる「サンライズ」のほうが料金以上に快適だと思いますが。
バスの詳細ダイヤはこちらです。
途中休憩地の時刻まで詳細に記されている。
これは、バスにトイレがついていないため。
13時間以上走るバスにトイレがないというのは異例だと思いますが、これだけマメに止まってくれるなら大丈夫でしょう。
ウィラーエクスプレス 出雲大社へ向かって出発
さて、出発時刻が近づいてバスに乗り込みます。
4列シートも幅が広そう。そして進行方向左側は男女で相席となった時のためのプライバシー保護シートのようなものが見受けられます。
一人旅の外国人女性が先客としていたのには驚き。
もうツアーじゃなくても外国人入って来てるんですね。
そして、わが3列独立シート。ゆったりして快適そうです。
「ウィラー・・」は、Webでの予約時に席も指定できます。最後部が一番快適そうかな。
前後の座席の間隔は、そんなに広くはありません。
でも、身長176cmの私でも、通路側にうまく足を投げ出せば問題なし。
気分が高揚してるからそう思うのかもしれませんが(^^)
さて、出発時刻が来てバスが発車しました。
飛行機でも、列車でも、バスでも、旅立ちの瞬間はほんとに気持ちいい。
ところで乗客はほとんど女性。私は周囲をコの字型に、女性に囲まれてます。
ルミネの前をゆっくりと通過します。
バスは、自動音声で、これからの行程を説明してくれます。
ところが、経路変更の案内が!
東名高速・綾瀬バス停付近で道路上に散乱物があり大渋滞。
中央道と圏央道で迂回し、最初の休憩は海老名ではなく厚木になる。
これにより、約20分遅れるとのこと。そうでしたか・・・
まあ20分くらいなら回復してくれるでしょう。
まずは無事に出発できたことに安堵。
匂いの強くない飲食物ならアルコールも含めてOKなところもgoodです。
なるべく匂いの少なさそうな白ワインで乾杯!(^^)!
深夜のサービスエリア散策は楽しい
少しまどろむと、圏央道の厚木SAに停車しました。
圏央道から東名に入るころ、「サンライズ出雲」が東京駅を発車する時刻。
「サンライズ」から逃げきってやるぜ・・・などと思い浮かべながら就寝。
まだ完全消灯の時間ではないですが、連日の激務であっという間に寝落ちです。
これだけシート倒れれば、十分快適です。
私は男なので気になりませんが、ほぼ完全にカーテンで遮断されれば女性も安心でしょう。
23時30分頃、20分の遅れで第二東名の遠州森町スマートICに停車。
用がなくても深夜のSAを徘徊するのは、私の悪いクセ。
さすが静岡県。
いちおうトイレ行っておこう。これは親切な仕掛けですね。
さて、バスはここから完全消灯になります。
心地よいバスの揺れ。
ところが、なんか夢心地でありながらバスが徐行しているのを感じる。
渋滞してるのだろうか・・・こんな夜中に??
停車の感覚で目を覚ますと鈴鹿SA。
出発の時のアナウンスで、鈴鹿は上下線が同じ施設を使うので、間違えて東京行きに乗らないようにと、何回も繰り返していたのを思い出します。
いくらなんでも、と思うけど、寝ぼけてるとありうるのかも。
そういえば、この3連休はF1日本GPでした。
鈴鹿地方の天気予報は雨模様だけど、レース大丈夫かな。
私も寝ぼけてましたが、出発時刻を見て、一瞬我に返ります。
予定時刻よりも1時間以上遅延してる・・・
しかし、眠さが勝ってます。
「サンライズから逃げろ、逃げろ」と唱えながら、シートに横たわります・・・
朝までには、遅れは回復してるんじゃないの・・・
出雲大社まで行くのを断念! 松江駅で途中下車
今度こそ深い眠り。
兵庫県の加西SAの休憩には気づかずにアナウンスで目を覚ましました。
そして、鳥取県大山高原スマートICに到着。
ここで、バスがなんと1時間半の遅れとなっていることが判明。
伊勢湾岸自動車道でトラックが横転する大事故があったらしい。
鈴鹿の時点で1時間強の遅れ。
その後、局地的な大雨なども重なり、1時間半の遅延に広がったとのこと。
私は茫然と、雨がたたくフロントガラスを眺めます。
さて、困った・・・
1時間半も遅れたら、出雲大社に着くのは10時半になり、日御碕行きのバスは10:37発。
出雲大社は帰りに見学するとして、先に日御碕へ行ってしまえばいいんだろうけど、雨足は今後いっそう強くなる見込みで、遅延もさらに拡大する見込みも。
私の今日の予定は、「出雲大社」「日御碕神社」「一畑薬師」を見学すること。
そのためには、10:37の日御碕行きのバスには絶対に乗らなければならない。
急いでアプリで調べると、松江駅を9:02に出る山陰本線の普通列車があり、これが出雲市駅に9:44に着く。
これならば、バスなどを使って10時半ころまでに出雲大社のバスターミナルに駆け込むことができ、10:37のバスをつかまえられそうだ。
場合によってはタクシーを使ってもいい。
バスは米子駅に停車。時刻は7:10、1時間25分の遅れ。
ちなみに、米子駅で乗客の半数がバスを降りています。
松江駅で9:02の列車に乗るためには、これ以上遅れが広がるわけにはいかない。
完全に目が覚めました(^^)
車内の放送では、「バスが遅延してまことに申し訳ない」と乗務員が繰り返し恐縮している。
そんなに気にすることもないのに、事故渋滞はバス会社のせいではない。
そして、松江駅に着いたのが8:58。1時間28分の遅れ。
出雲市行きの列車の発車は9:02。あと4分・・・
私が途中下車を申し出ると「ほんとうに申し訳ございません」と2名のスタッフに頭を下げられます。
念のため、「出雲大社へは、もっと遅れそうですよね?」と聞くと、
「この雨なので、渋滞が出ちゃってるかもしれませんね、うーん・・」
この一言で途中下車を決意。バスの腹からキャリーを出してもらいました。
「サンライズ」からはまだ逃げてるけど、昨夜はこんなはずじゃなかったんだけどな。
2週間前も八丈島行きが台風でおかしくなっちゃったし、最近の私の旅運バイオリズムが微妙に狂いはじめてる気がする。
しかし、そんなこと今はどうでもいい。
キャリーを引っ張って、松江駅に向かって全力で走ります。
列車の発車まであと3分・・・
バスのスタッフが「そこの地下道を通ると早いですよ!」とアドバイス。
しょっぱなからドタバタですが、秋の雨の中、出雲の旅がはじまりました(^^)
追記:ウイラーエクスプレスさん感謝します!
実はこの旅でかつてない失態。
愛用のウオークマンをバスの中に忘れました(^_-)
松江駅であわてて降りたのがまずかった。
隠岐の島で気がつきバス会社に電話すると、わざわざ車庫まで探しに行ってくれて見つけてくれました。
シートの隙間に挟まっていたとのこと。
下車時には身の回りは点検しましたが、140度くらい倒れるシートを戻したときに挟まっちゃったんだね。
そして着払いで送ってくれて、帰宅後に再会。
1000曲以上入ってるこれがなくなったら、立ち直れなかったでしょう。
ウイラーエクスプレスさん、ほんとに感謝してます、ありがとう!