紺碧の大西洋を眺めながら、午後の予定を考えます。
クルマに戻って考えると、後から来たクルマに、早くどけ、とせかされるから(笑)
当初は、このまま北上してウエストコースト地方を訪れてみようかとも考えていましたが、さすがに時間が遅い。
距離も200km近くあり、行って帰ってくるだけになってしまいます。
そこで考えたのが、オバーバーグ地方のヘルマナス。
せっかく、南アフリカまで来て、郊外の町も歩いてみたかったし、ヘルマナスまでのドライブウエイは、大陸をドライブしている気分にさせる演出らしい。
距離も120kmほどで、グーグルマップで測ると、ここから1時間半ほど。
じゃ、行ってみるか、という気になりました。
チャップマンズ・ピークの料金所を、逆から通過して、一路ヘルマナスへ向かいます。
N2号線の快適ドライブ
ケープタウン市街を抜けて、2号線に乗ります。
途中までは、空港へ行くルートと同じでしたが、そのままひたすら東に向かいます。
途中目にしたスラム街。
けっこう延々と続きます。
この2号線。高速道路のようで高速道路でない。
というより、自動車専用道路ではない。
したがって、高速で走っていて、いきなり信号が現れるし、モノ売りも現れます。
直訳すると、ヘアピンカーブでも遅れるな、ですか。
この先に峠があるらしいです。
たしかに、カーブが連続してそうだ。
不用意に速度を落とせば渋滞は必至。
しかし、ヘアピンカーブで速度を落とすな、はけっこうすごい表現。
遅れないように必死に走って、ヘルマナス方面への43号線に分岐。
ちなみに、この2号線をひたすら走ると、インド洋に面した町ポート・エリザベスに出ます。
43号線をヘルマナスへ
43号線に入ってからは、対面通行。
それでも、各車100~120kmで飛ばします。
あたりはなだらかな丘陵地帯。
大陸を感じさせますね。
こりゃ、気持ちのいいドライブだ。
ヘルマナスのサインが見えました。
道路は順調で、ケープタウンから1時間20分で、ヘルマナスの町に到着。
どこかにクルマを止めようと、脇に入ると、すぐに海にぶつかります。
ロードサイドに駐車スペースがあったので、難なくとめられました。
リゾートタウン ヘルマナス町歩き
海岸に下りてみます。
ここも、まだ大西洋ですが、あと100キロ足らずで、インド洋となります。
つまり、2つの大洋の合流地点。
心なしか、波が高く、うずめいているように見えます。
さて、町歩きです。
町歩きといっても、ヘルマナスは、ちっぽけなリゾートタウン。
時刻は午後2時。遅いランチにしようと思い、朝から何も食べてないことに気づきます。
朝一のドピーカンを見て、ホテルを飛び出しましたから(笑)
松田優作かと思った・・
けだるくなるようなヘルマナスの午後。
レストランが、なかなか見つかりません。ケンタッキーなんかで食べてもなあ・・
ワインバーですが、簡単な料理ならあるでしょう。
ワインが飲みたくなるので、おさえておさえて。
言葉の覚束ない私に、ていねいな対応をしてくれたウエイトレス。
親切な女性は美しい。
そのウエイトレスに、ビールをすすめられましたが、丁重に辞退し、オレンジジュース。
そして、彼女のおススメは、ステーキバーガー。
ミディアムな焼き方のステーキが最高です!
こりゃ、おいしい。一気に元気回復です。
しかし、赤ワインと一緒に食べたかったな(笑) レンタカーの旅の唯一の弱点。
オレンジジュースを飲みながら、反対側の民芸店を眺めます。
おもちゃで遊ぶ子供。
おいしいステーキバーガーに満足して、町を散歩。
ホエールウオッチングとサーフィンの町と聞いていましたが、その通りのようです。
歩いていると、あっという間に町の外れに。
あの丘に登れば、町の全容が見渡せそうですね。
でも、町を歩いていて、人通りがあまりにも少ない。
したがって、少し怖い・・・
彼らの後に、こっそりついていきます。
町自体は本当に小さい。歩いていると、すぐに海岸に出ました。
これは東のほうを見ています。
あの先端が、アフリカ大陸最南端のアグラス岬でしょうか。
波は高いようですが、海水は透き通るエメラルドグリーン。
クジラを観察する旬な時期ではないけど、年間を通したリゾートタウンのようですね。
さて、のんびり、止めたクルマのほうに向っていきましょう。
海岸通りに止めたんだから、海沿いに歩いていけば、たどり着くはず。
小さな公園がありました。
いろいろなモニュメントが飾ってあります。
なんのおまじないなんだろう?
こうして、ずっと、沖を行く船を眺めているのかな。
私も、もうひと通り、大西洋とインド洋の合流する海域を眺めます。
止めておいたクルマに戻りました。
ケープタウンに帰るドライブ
ちょっと、まだ早い時間だけど、ケープタウンに戻るとします。
造られた感いっぱいの交差点。模型のようです。
ヘルマナスの町にお別れ。
対向車がいても120キロ。
景色も雄大だけど、120キロ同士ですれ違うのは、けっこうスリルがあります。
120キロで走ってたって、ヒッチハイクが現れるし。
2号線へ合流。
帰りは、R44。つまり、海岸通りを帰ろうとも思ったんだけど、西の空が分厚い雲をかぶっていたので、割愛しました。
海沿いの道は、今日はほんとに堪能したので満足です。
それより、早くホテルに帰って、赤ワインを飲みたい(^^)v
さっきのステーキバーガー、おいしかったよな。
だから危ないって。
だけど、止まるクルマいるのかな。それに、どこに行きたいんだろう??
来るときにも通った、ワインディングロード。
ほんとに気持ちのいいドライブだ。
油断はできないけど。
ああ、これもすごい・・・
「地球の歩き方」でも、このあたりは、立ち入らないように、とアドバイス。
外務省のHPでも、「十分注意してください」の危険度1に指定されています。
でも、衛星放送のアンテナが。
サッカーの試合ぐらいは見たいだろうな・・
ケープタウンの街に戻ったのは18時過ぎ。
テーブルマウンテンの上は、完全に雲の中。
ホテルの部屋から見ても、分厚い雲の中です。
あらためて、今朝のドピーカンに感謝。
そして、本日の無事なドライブに乾杯。
クルマを運転し終わったあとの、1杯。たまらんね~(^^)v
初日に、山火事見学?で煙にまみれたシャツやパンツのクリーニングが返ってきました。
いつもは自分で洗濯するんですが、安かったし、ホテルにお願いしちゃいました。
ホテルのワインで乾杯
夕食どうしようかな、と考えてるうち、ウオーターフロントまで歩くのが面倒くさくなって、ホテルのレストランでバイキングディナー。
立たないと、景色が見えないのが、ちょっぴり残念。
20時近くになって、空も色づいてきます。
南アフリカ共和国に来て、3度目の夜です。明日は帰国の日です。
ホテルの黒人ウエイトレスに、おススメの南アフリカワインを持ってきてもらいました。
ワインが大好きなのに、銘柄無頓着な人間ですが、最高においしいです。
あとで調べてみると、ワーウィックのファーストレディという銘柄。
日本で買うと1700円ぐらいの赤ワインを、数百円程度で飲めました。
この旅の心残りがあるとすれば、ワインで有名な南アフリカ、ワイナリーを楽しめなかったこと。
ま、でも、それを補って余りある楽しいドライブができたんだから、よしとしましょう。
残りのワインを部屋に持ち帰って、飲みなおしです。
疲れた身体に、ワインが染みていく、最高の瞬間ですね。