東京から直線距離では9,400km。
フライトコースでは飛行機3本、12,550kmの移動を経て、サウジアラビア紅海治岸の町ジェッダに到着です。
ドバイに負けず劣らず、砂漠の大地に切れ目を入れるハイウエイに高速鉄道の立派な高架線路。
緊張のサウジアラビア入国
定刻18時。日の傾きかけたジェッダ国際空港。
そして、ドバイからここまで運んでくれたエミレーツの2階建てA380機。
サウジアラビアは、現代社会において、日本とは切っても切れない関係。
それでいて、長らく観光客へ門戸が開かれていなかったことから、どことなくベールに包まれていた国。
いわば、近そうで遠い国への入国を直前に控え、高ぶっていた感情がおさまり、神妙な気分になります。
ジェッダの町が歓迎してくれています。
神妙な気分のまま、全身を男性はトーブ、女性はヒジャブやアバーヤで覆ったムスリムの方々と一緒にイミグレと思しき方角へ歩いていきます。
神妙といいつつ、やっぱり緊張していたんでしょう。
どこをどう歩いたのか、よく覚えていない。
覚えてるのは、降機したコンコースからアライバルコンコースに向けて、短い距離だったけど列車で移動したことくらい。
距離は短いけど、けっこうなスピードを出す、連絡列車でした。
そして、また歩き出します。
当然、日本人どころか、アジア人の顔をまったく見ない世界。
異国中の異国に来たという気分。私は、とにかく機械のように歩きます。
これで英語表記がなかったら、まったくもって地球外の異星に来たかの如くだけど、しっかり英語の表示はあります。
そして、イミグレはかなり厳重の様子・・・
もちろん、その様子は写真に撮れません。
私を含め外国人は、サウジアラビア国民とは別のレーンに並んでますが、一人一人にすごく時間がかかってます。
いっぽう、私はといえば、パスポートと持参のEVISAを提示しただけで、宿泊場所も帰りの便も聞かれずにパス。
若干、拍子抜けしました。
クアラルンプールでのチェックインの際は、帰りの便からメッカに行く予定はあるかとか根掘り葉掘り聞かれたのに。
滞在日数も聞かれないなんて信じられなかったけど、ほんとにあっさりした入国審査でした。
ひょっとして、上から下まで白装束だったので、ムスリムと勘違いしたとか、なわけないかw
とにかく、サウジアラビア入国。
記念すべき、海外渡航44カ国めのスタンプです。
サウジアラビアリアルへの両替
無事に入国できて、少しだけ緊張が解けます。
おや、さすがF1グランプリ開催国のサウジアラビア。
さて、まずは、何をおいても軍資金の調達です。
ATMが見つからなかったので、手近な両替所へ。
サウジアラビアの通貨はリアル。
日本円は御多分に洩れず、リアルに対しても安くなっていて、3年前の1リアル=約30円が、今は1リアル約40円。
3割も円安になってます。これは仕方ない・・・
だから、こういうときは、すでに持っているドルやユーロを交換した方がいいわけです。
200ドルの表示をしてるのは、3泊する予定のホテルがブッキングドットコム経由で予約は入っているものの、支払いはキャッシュで200ドルほど払うから。
サウジアラビアの滞在費はどう計算すればいいだろうか。
物価の程度もわからないし、キャッシュレスの状況もわからないので、まったくもって手探り。
ちょっと多いかな、とは思ったけど、なくなって慌てるよりいい、と考え500ドルほど両替。
約1,900リアルになってかえってきました。
主要な紙幣を並べてみたけど、数字が印刷されているのは裏かな?
国王の肖像画がプリントされている側には、まったくよめないアラビア語。
でも、0という記号が5を表しているみたい。
そして、音符の8分休符を左右対称にしたようなのが2ですね^ ^
ジェッダ国際空港のコンコースをウロウロする
アライバルホールに出ると、オールムスリムの中において、たったひとりだけのアジア人に好奇の目が向けられる。
そして、「タクシー?」とすぐに声をかけられます。
このあたりは、ふつうの国と同じ。
お、きれいな水族館・・・写真撮っていいのかな・・
撮ってる人がいたので、私も撮ります。
記念に、いろんなところを写真に撮りたいのに、咎められるか心配なので、おそるおそる撮ってます。
なにしろ、サウジアラビア観光省のHPには、「人々の写真を撮ってはいけない」とありますから。
ちなみに、このトレインというのは、高速鉄道のこと。
この列車に乗れば、イスラム教2大聖地のメッカとメディナ、どちらにも行くことができます。
つまり、イスラム教巡礼目的でジェッダの空港へ降り立ったムスリムは、簡単に聖地にアプローチできるわけです。
では、この高速鉄道、ジェッダの街へは行かないのか、というと行きます。
でも、高速鉄道のジェッダ駅は、市街からかなり離れています。
結局、街へ行くためには、空港からタクシーに乗るしかないようです。
バスがあるのかないのか、たぶん無い。公共交通機関がないのはつらい。
乗るつもりもないのに、高速鉄道のコンコースまで上がってみました。カッコいい。
少しづつ緊張が解けてきた感じ^ ^
さて、街へ向かいましょう。いちおう、タクシーはレベル0ということになってますが。
ジェッダ空港で起きた白タク&警官騒ぎ?
空港の外に出ました。
みなさん、ふつうにクルマに乗って去っていきます。
迎えにきた家族か、あるいは配車アプリで呼んだクルマでしょう。
私は、配車アプリを使ったことないし、なによりタクシープールがない。
私の探し方が悪かったのかもしれないけど、ほんとにタクシーがいない。
キョロキョロしてると、獲物を見つけたハンターのように「タクシー?」と声をかけられる。
もちろん、声をかけてくるのは白タク。
覚悟はしてたけど、旧市街までの足で苦労するなあ・・・
時は砂漠の向こうに、日が沈もうとするころ・・・
時間だけが容赦なく過ぎていくので、仕方なく呼びかけられた白タクに乗ろうとして「いくら?」と聞こうとすると、「早く乗れ! 早く!早く!」
ちょっと待て。
値段も決めてないのに乗れるかよ・・・
「80リアル! ハリー!ハリー!」
いきなり、80リアルと言われても・・・それにこいつ、何をそんなに急いでるんだ???
すると、どこからともなく警官が現れ、その白タクの兄ちゃん捕まりました。
マジか・・
そして、その警官に「お前も乗るんじゃない!」とたしなめられます。
なんだ?なんだ?
空港は、認可のない白タクは入っちゃいけないエリアだったみたい。
観光に力を入れようというサウジアラビアらしい・・・けど、どうすりゃいいのよ^ ^
結局、夕陽が沈んでいく中、警官の目を盗んで、白タクで旧市街へ移動することになりました(^ ^)
なんだか、やっぱすごい国だなあ・・
この運ちゃんは、第一声が100リアルだったけど、なんとかさっきの80リアルにさせて乗車。
どうなんだろ?
80リアルは3,140円。まったく、金銭感覚がわからん。
ジェッダの空港に着いてから、イミグレ、両替、警官騒ぎ、そして白タク乗車。
結果的に、淡々とイベントをこなしてるけど、なんとなく目の前の光景に現実感がない。
スマホに差し込んだSIMはしっかり稼働してくれて、Googleマップも動いてる。
それによると、たしかにタクシーは旧市街のホテルの方角へ向かってるようだ。
なかなかタフな国だけど、安心していいのかな。
そして、目に飛び込んでくるアラビア文字と、凄まじいカーチェイス。
マクドナルドの看板。
グローバルチェーン店のサインを見て、さらに安心。
いちおう、ちゃんと地球にいるみたいだw
白タクなんて、乗ったの初めてだし、正直、ここにきてようやく地に足がついた感覚。
前のクルマのバンパーがつぶれてるのは、カーチェイスに負けた証??
とにかく、スピードレンジの高い、すごいトラフィックなんです。
F1グランプリが拍車をかけたかな(^ ^)
緊張と刺激に満ちた、サウジアラビアの旅がはじまりました。