レバノンの世界遺産バールベック  壮大な神殿の散策【レバノン旅行記 #9】

中東の三大遺跡のひとつバールベック遺跡。その壮大さには、感嘆するばかりです。

そして、風の音にまじって、コーランが鳴り響きます。

アラブにいるんだよな~!(^^)!

気持ちよく響き渡るコーランです。

巨大なジュピター神殿の6本柱

鳴り響くコーランで気分が盛り上がったところで、振り返ると、目に飛び込んだのがジュピター神殿の6本列柱。 

太さが2.5m、高さが20mの柱です。

度重なる地震で崩壊してしまい、6本しか残っていませんが、当時は54本も並んでいたというのだから壮大です。

タイムマシンがあったら・・・

上の写真と下の写真、柱の下に人がいるのわかります?

とにかく、おそろしく巨大な神殿柱です。

 

ちょうど、昼のこの時間は、逆光になってしまいますね。

しかし、あの柱の上に、どうやって、さらに石をのっけたんだろう?

6本列柱の上部。ほんと、どうやって、のっけたんだろうね。落ちてこないのかな。

彫刻も素晴らしい。

ジュピター神殿から見下ろすバッカス神殿

6本の柱の向こうに見えているのがバッカス神殿。

ジュピター神殿の柱のたもとまで行くと、バッカス神殿の全容を見下ろせます。

ちなみに、足元にはいわゆるなんの「防御」もありません。つまり、足を踏み外したら、10m以上下の地面に落下します。

これでいいんです。日本流は過保護すぎです。

しかし、それにしても、よくぞ、こんな状態のまま残っていたものです。

 

アテネのパルテノン神殿より大きいというウワサはダテではありません。

  

でも、風化が激しいようです。修復用の資材が積み上げられています。

観光客も少ないようだし、1人10,000LP(700円)の入場料で修繕費を捻出できるかな。

柱を構成していたであろう太い柱が転がります。

ベカー高原の山なみが広がります。

ジュピター神殿の壮大さに酔っているうちに、ツアー客は下のバッカス神殿に行ってしまいました。

ライオンの雨桶

バッカス神殿に移動する途中、ライオンの装飾が転がっています。

これは、ジュピター神殿から落ちてきた装飾物。

この見事なライオン。当時は、ジュピター神殿の屋根にあって、雨桶の役目を果たしていたそう。

しかも、ライオンの口から、雨水が流れ出す仕掛けになっていたというのだからすごい。

ガイドさんが丁寧に説明してくれます。英語力のなさが悔しい・・

 

バッカス神殿から見上げる6本の列柱

下から、あらためて、6本の列柱を見上げます。今度は順光だ。

見れば見るほど壮大ですが、もうひとつの注目は基壇。

この柱の下支えとなっている基壇は、高さ3m、重さ800tの巨大な石がいくつも組み合わさっています。「トリ・リトン」と呼ばれ、現在の技術では運べないらしい。

(では、どうやって運んだんだ??)

 

入り口のところの支柱は、エジプトから運んだものだし、まったく豪勢な神殿です。

彫刻が、風化していないのも不思議。

ローマ神殿の象徴 バッカス神殿

そして、バッカス神殿です。

現存のローマ神殿においては、もっとも保存状態がよいそうです。

そして、パルテノン神殿を上回る大きさ。

2,000年も前に、こんなものを造っちゃって、素直にすごいと思う。

従事した人たちの苦労も計り知れないけど。

2,000年前の文明でこの規模ですから、当時は、さぞ賑わったことでしょう。

実際、ローマからの巡礼者が絶えなかったそうです。

しかも、神殿に触れてしまうのがすごい・・・世界遺産ですよ(笑)

これは、記念撮影が必要でしょう、とツアーで一緒のブラジル人に頼みました。

 

柱の裏側の装飾も見事。

 

一同が、バッカス神殿の正面のほうに歩きだしました。

 

入り口でも思ったけど、石のすき間から草が垂れる様は、「嘆きの壁」のようです。

 

バッカス神殿の内部

バッカス神殿の内部に入ります。

 

しかし、門の上の石なんて、よく落ちてこないもんだ。

  

そこにも見事なレリーフが。神々をイメージしているらしい。

 

階段の脇にあった壁画。これがバッカス神です。

バッカスは酒の神。それが、少年のような姿で描かれています。

中に入りました。屋根以外は、ほとんど当時のままを残しているというものすごさ。

ツアー一行も、ため息まじりで見学しています。

 

これは、本当にすごいや。

このレリーフの残り方もすごい。

中東の三大遺跡のひとつバールベック。やっぱりすごかった。

こんなすごいところが、外務省危険度「レベル2」で、不要不急では訪問をやめてほしいなんて、もったいなさすぎる。

シリア国境に近い分だけ、このエリアの危険度は、なかなか下がらないかな。

見学開始から、かれこれ2時間。一行もさすがに疲れて、遺跡に腰を下ろしています。

材木を使って修復していますね。

その天井にも埋め込んでありますが、神の姿でしょうか。

顔がつぶされているのが気になる。

ローマ帝国のあと、7世紀にはイスラム国家がこのエリアを支配しましたので、偶像崇拝禁止によるものでしょうか。

 

ここは、イスラム国家支配時の要塞だそうです。神殿が要塞に変わったんだ・・

巨大な柱に名残を惜しみつつ、そろそろバールベックにお別れです。

すごい遺跡だった、バールベック。

少なくとも、私の経験では、ヨルダンのペトラ遺跡、イランのペルセポリスに匹敵するレベル。

いや、保存状態の良さを勘案したら、バールベックのほうが上でしょう。

シリアのパルミラも見てみたい・・

 

生涯の思い出に残った、バールベックでした。

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