レバノンへの旅 出発まで ~外務省の危険度情報~

それにしても、中東のきな臭い状態が続きますね。

2019年9月以降だけでも、

  • イスラエルが、レバノンのヒズボラ(シーア派組織)拠点を攻撃。(9月1日)
  • サウジアラビアの石油施設がドローンと巡航ミサイルにより攻撃される。(9月14日)
  • イエメンのフーシから声明が出されたのに、トランプはイランの関与を主張。これに、イギリス、フランス、ドイツも追随(三国干渉みたいだな)。(9月17日)
  • 米軍がシリア北部から撤退の方針。これを受け、トルコがクルド人攻撃へのきっかけとなる。(10月7日)
  • イランのタンカーが紅海にてミサイル攻撃を受け爆破(詳細不明)。(10月11日)

なんか、すごい、というか怖いというか、この地球上の数少ない文明の発祥の地で、こういった暴力の応酬が繰り返されているのは、やりきれなく、また悲しくもなります。

 

しかし、しかしです。やっぱり、中東は、世界中で最も魅力のあるエリアだと思うのは私だけでしょうか。

イスラエルやイラン以来、3年ぶりの中東エリアの国への訪問ということで、興奮を抑えられないくらい気分が高潮している私がいます。

レバノンの海外渡航危険情報

レバノンは、外務省の定める渡航危険レベルが、広範囲で長らく「レベル2」となっていました。

「レベル2」というのは、その国の政情などから、「不要不急の渡航は止めて下さい」と注意を促しているエリアです。

外務省は、このレバノンに対し、「2017年8月にレバノン国軍によるテロ組織の掃討作戦が成功して以来,治安は回復傾向にある」として、首都ベイルートを含む広範なエリアを、「レベル1」に引き下げました。

「レベル1」というのは、その地域への旅行に際し、「危険を避けるために十分な注意を払う必要あり」という、いわゆる海外を旅する場合、当然に注意しなくてはならない勧告がなされているエリア。逆説的に言えば、注意しながら旅をしてもよいエリア。

 

したがって、私の旅は、今まで「レベル1」以下のエリアに限られ、今回レバノンを旅するにあたっても、レバノンの大半に当たるエリアが「レベル1」に引き下げられたので、晴れてプランに組み込んだという経緯があります。

出典:外務省海外安全HP(2019年11月現在)

 

ところが今回、私の弾丸旅行の掟である「レベル1」以下のルールを一時的に逸脱します。

というのも、中東の三大遺跡のひとつとされる「バールベック遺跡」のある場所が、以前より引き下げられたとはいえいまだ「レベル2」のエリア内にあるからです。

その理由は、テロ組織の掃討作戦によりだいぶ治安も回復傾向にあるものの、イスラム国その他のテロ組織の活動がいまだ看過できず、またシリア国境にも近いとしてレバノン国軍が監視強化を敷いているエリアであるから。

「レベル2:不要不急~」の解釈

とはいうものの、この「バールベック遺跡」は、世界的に有名な世界遺産で、レバノン国内の旅行会社も、ここを訪れる現地ツアーをふつうに企画しているし、そう簡単にあきらめたくない。

しかしながら「不要不急の旅」は行うべきではないという本邦外務省の勧告。

観光旅行の一人旅が、不要不急であるのは自明の理。

レバノン行きのフライトチケットを確保してから、自分自身の旅をどう律すべきか考えた挙句、外務省に電話してたずねてみました。

 

私:「レバノンの海外渡航危険情報についてお尋ねしたいんですが?」

外:「どんなことでしょう?」

私:「マップを見ると、『バールベック遺跡』周辺は『レベル2』になってますね。『レベル2』の『不要不急の』とは、どのように考えればよいでしょうか?」

外:「言葉通りでして、特に重要でなく、また急を要する事情もない、と言う意味になります。」

(それは、わかってますよ。私だって学校出てますから(笑))

私:「では、その重要度や急ぎの度合いは、どのように測るのでしょうか?」

外:「それは、旅客の皆様の個々の判断になります。」

(ここまでは、想定どおり。もう少し踏み込もう・・)

私:「『レベル2』のエリアに入るツアーを催行している旅行会社があるのですが、そのツアーに申し込むのはいけないことですか?」

外:「いえ。不要不急でないご旅行なら、参加すること自体を拘束するものではありません。」

私:「法律違反にはならないのですか?」

外:「はい。法的拘束力のあるものではありません。」

 

こんな質問もしてみました。

私:「たとえば、まもなく要介護状態になる両親がいるとします。親が介護状態となってしまえば、もう旅行などできなくなってしまう。レバノンの危険情報が「レベル2」に下がっている今のタイミングを逃すと、もうレバノンには行くことができなくなってしまうかもしれない。こんなのは、不要不急ではない、と考えることはできますか?」

外:「(同情いただいたあとで)いえ、やはり、不要不急の判断は、旅客の皆様に行っていただくものなのです。申し訳ありません。」

 

これ以上、通話を引っ張ると、多大な迷惑をかけると察して、私は電話を切りました。

外務省としては、当然の対応でしょう。

「不要不急」の定義などできるわけがない。やはり、自己責任で考えるしかないようです。

 

中東の遺跡を見学したいというだけで、こんなに悩む人間がいるのか、それもわざわざ「レベル2」のエリアに踏み込もうとする人間がいるのか、いやいてよいのか。

古代ローマ時代の遺跡としては、世界最大規模を誇る神殿跡は、レバノンの象徴でもあり、ぜひとも見学したい。

しかし、外務省が緻密に調査している国際情報をもとに判断された「レベル2」の考え方を、無下にするのは、いささか気が咎める。

 

さんざん頭を悩ませた挙句、私は苦し紛れにこんなふうに考えました。

  • 「不要不急の渡航は止めて下さい」とは、逆説的に考えれば、「行ってはダメ」と規定されているわけではない。
  • 日本の旅行会社にも、「バールベック遺跡」をツアーに組み込んでいるところがある。(その旅行会社は、「レベル2」のエリアを周遊する際の条件として、「ホテルやレストランなどが通常通りに営業している」「交通機関や車の運行にまったく支障がない」「宿泊場所やコースの変更で突発的な危険を回避できる」など、緻密な基準を定めている。)
  • レバノン全土が「レベル2」であるわけではなく、バールベック付近など一部である。

以上を勘案して、いささか屁理屈かもしれないけど、現地のツアー会社が安全を見極めて催行していることを確認した上で、踏み込むことにしました。

最近では、スリランカが「レベル2」に引き上げられたこともあり、これによってツアー催行の中止を決めたのがJTB、日本旅行、阪急旅行社など。一方で、HIS、旅工房などは、現地に支店があり、情報交換を密に行えるとしてツアーは継続していたことなども、決心の後押しとなりました。

人生初の「レベル2」エリアへの踏み込み

国土全体がレベル2以上であるならともかく、局所的であるならば、信頼できそうな旅行会社を通して現地ツアーで訪問するなどの対応をすればOK。

と、勝手に旅のルールを変えました。

もちろん、何かあったときはすべて自己責任。他に転嫁しようなどという気は毛頭ありません。

どうして、こんなにしてまで中東レバノンに行きたいのか。

それは、中東における歴史の深さです。

地球規模で考えても、人類が定住をはじめたと考えてもよいエリア。世界の宗教の発祥の地ともいえるエリア。

行ってみたいと考えてしまうのが、旅人の性です(笑)

それに、国土全体の危険度レベルが引き上がってしまったら、もう行けなくなってしまうし。

しかし、旅先の治安情報をこんなに調べたのは初めてです。

刻々と、出発の日が近づきます。

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