馬祖・南竿島をEバイクで1周しました。
あちこち寄りながら計6時間。
なんとも慌ただしい離島めぐりだったけど、なんとか南竿というものを感じることができて私的には満足。
Eバイクを返して、福澳港の待合室で、今度は北竿へ思いを馳せます。
南竿 ⇒ 北竿のフェリー
目星をつけておいた南竿15:00の北竿行きの船。
さっするところ、北竿に着いたら、15:20発で折り返してくるダイヤ。
「ナンガン」から「ペイガン」へ。
島旅なんて久しぶりだな、と感慨にふけりながら、チケットを買います。160元(690円)。
フェリーだからか、台湾のルールなのか、チケットには名前が書き込まれます。
さて、時間が来て、他の乗船客と一緒になって埠頭へ。
観光シーズンではない11月。見た感じ、乗船客はほぼ島の住民です。
旅人の性、乗り物に乗り込むと、なるべくよい席をとろうとする。
定員84名に対して、乗り込んだのは、せいぜい20人そこそこなんですが^ ^
ところが、なぜか、キャビンに入って来ない・・・
みんな、デッキに出てるんだね。
私もデッキへ。
気持ちのいい船旅。あっという間に福澳の町が遠ざかります。
港があって、町があって、その向こうに丘。
万国共通的な離島地形を眺めて楽しみます。
これに似た風景は、それこそ2023年7月の澎湖諸島以来だろうか。
しかし、澎湖は渋滞もする都会だったけど、人口1万人にも満たない南竿は、日本の離島にも似通う愛らしさがある。
それでも経済は成立するのだから、人間の営みとは実に不思議なもの。
乗船前は、乗客はみな地元民、みたいな感想をもったけど、こんなにはしゃいでいるところを見ると、台湾本土からの観光客?
みれば、第9回馬祖マラソンのTシャツを着てるわ。
沖へ出ると、台風一過の台湾海峡は揺れるわ揺れる。
欄干にしっかりつかまってないと、振り落とされるレベルです。
しかし、案ずることもなく、数分で船はエンジンを惰性にして接岸しました。
北竿の白沙港です。
芹壁聚落の宿へ
港には、今夜泊まる宿の主人が迎えに来てくれてました。
今朝、15時の船に乗ろうと考えた時、メールを送っておいたのです。
そして、主人は主人でも、女主人でした。
その英語が達者な女主人の運転するクルマで、芹壁聚落へ向かいます。
芹壁聚落という名前は、いろいろな旅人の馬祖に関するブログを読んで知りました。
馬祖の北竿には、こんな感じの石造りのさぞ風光明媚な村があるぞ、と。
今回の馬祖の島旅。この村に泊まることが目的だった。
さきほどの女主人さんに、明日の朝食、コンビニや料理屋のある場所、島の観光スポット、そして北竿のさらに北に浮かぶ島「大坵島」への行き方などの手解きを受ける。
とても親切な女主人さん。
夕闇に包まれる芹壁聚落
芹壁聚落の第一印象。台湾にも、こんな村があるんですね。
およそ3,000人とされる北竿島の人口。芹壁聚落の住民は何人だろうか。
とりあえず、日が暮れるまでに、セブンイレブンに買い出しに行きます。
急な坂を登りながら、時折振り返って、芹壁聚落のたたずまいを鑑賞。
展望台がありました。
買い出しの帰りには、サンセットを眺めるのにちょうどいい時間になるかな。
こんな道をテクテク歩いてます。
距離は2キロ弱、片道30分程度だけど、アップダウンだあるので、それなりに疲労を伴う。
あとで、このセブンイレブンまで歩いて行ってきた、と女主人に告げると、驚いてた。
この島での移動手段は、クルマかバイク。徒歩なんて考えられないのでしょう。
そして、これまた石壁づくりのセブンイレブン。
では、芹壁聚落に戻ります。
おや、路線バスがあったのか。
しかし、時刻表を見れば、1時間に1本。
それにしても、ほかに旅人の姿を見かけるでもなく、ただひとりこんな道を歩いてる。
人間にとって、旅とはなんなんだろう?と質問したくなる。
キャッチすることができたサンセット。
霞んで中国大陸は見えないけど、「日の没する国」とはよく当てたものだと思う。
まさに、台湾海峡の向こう、大陸中国に太陽が沈んでいきました。
そして、芹壁聚落を見やれば、灯りが灯りつつあります。
控えめに言って、久々に、胸を打たれる景観に出会った気がする。
芹壁の石造りは、閩東建築と呼ばれるらしい。
馬祖列島の中でも、その伝統的な形が、きれいに保存されている集落。
だから、台湾の地中海だの、リトル南フランスだなんて、呼び方はやめてほしい。
こんな主体性のある集落なんて、そうあるものじゃない。
オフシーズンだから人がいないのか、それとももうすぐ夜になるから人がいないのか。
いちおう今日は日曜日で、日本の明日は祝日。
つまり、会社を休まなくたって、日本人なら、来ようと思えば来れる。
それでも、こんな素朴で美しい眺めを独り占めできる旅運に感謝。
それも旅の不思議。
夜になったら、そして翌朝になったら、この風景は、どんなふうに姿を変えるのか。
台湾にこんな村があるなんて、ほんとに旅とは奥が深い。