南竿めぐり 石造りの漁村「津沙聚落」&南竿最高峰「雲台山」【台湾・場所旅行記 #4】

馬祖へ来る日本人観光客は、何を目的に来るのだろうか。

台湾とは違った台湾を見てみたい、のようなこともあるだろうけど、やはり、大陸中国との緊張関係が気になる人も少なくないように思う。

実は、私もその一人で、台湾海峡のパワーバランスが何かの拍子にくずれたとき、最前線となるのは馬祖、金門島、澎湖諸島あたりになるからだ。

そして、昨今の現代社会は、いとも簡単にパワーバランスがくずれてゆく。

米国が、さらに大きく内向きになった時、台湾海峡では本当に何が起こるだろうか。

突然、政治的議論に足を突っ込んでしまったが、これは仕方ない。

馬祖をEバイクでめぐれば、至るところに兵士はいるし、国を守るという、人間においては酸素ともいうべき不文律を随所随所で目にするから。

航海の安全・馬祖港に面した馬祖天后宮

大陸中国の福建省を見つめる「媽祖巨神像」の真下にある町。

町というか港。

港というよりただの砂浜だけど、船はどことなく軍用船にみえる。

その町の商店街。なんか、いい雰囲気だよね。

この商店街には、なぜかEバイクで入れない。止まってるクルマやタクシーは、関係車両かな。

なので、Eバイクを止めて、テクテクとガランとした商店街を歩いていくと、その先にたたずんでいた「馬祖天后宮」。

背後は、さきほどの馬祖港。

海に向かって、赤い絨毯。

どんな儀式があるのか知りませんが、やはり海上安全の守り神なのでしょう。

ちょうど私が訪れたとき、巫女さんがカーペットを入れ替えてました。

毎日欠かせない儀式の上に成り立つ平和。

この社も、大陸中国の方角を向いてます。

その距離、わずか9キロ。平和を祈らざるを得ません。

石造りの漁村「津沙聚落」

さて、次は、南竿で最も美しいとされる「津沙聚落」へ行ってみましょう。

今朝からの初志通り、南竿を反時計回りに回ってますが、半周も過ぎたところです。

Eバイクは、こんな感じの道をカタカタいいながら走ります。

ここをUターン気味に下るようです。

「津沙」とは、ローマ字から察するところ「ジンシャ」でいいのかな。

津沙聚落は、南竿において、独特の石造りの家が並ぶ集落。

その家並みを眺める前に、何か食べましょう。

さっきの馬祖村では、ほとんど店がやってなかったし、時計ばかり気にして、お腹空くの忘れてました。

といっても、デザート風の食べ物しかないかな・・・

なんて書いてあるかわからないし、もうおばさんに「おすすめ」をお願い。

ただし、Eバイク運転してるんで、老酒だけはダメよw

家族がやってる店?

観光客や兵士が来るのだろうか。

おや?なんだこれは?

豆腐? 豆花?

よくわからないけど、杏仁豆腐にあずき豆、そして蜜たっぷり。

とっても甘いランチになりました。

腹ごしらえも済んだところで、集落を歩きましょう。

こういうところは、ふつうの民家なので、静粛に、そしてハメを外さないようにしないと。

石造りの石壁が見事。

なんとなく、対馬の厳原でみかけた光景に似てる気がする。

この家並みの中にも、何軒か民宿があるらしい。

木造の扉や家壁も独特です。

津沙聚落の俯瞰図。

これの、北竿版に今夜は泊まる予定。

さっきの道をUターンしないで、そのまま登ると、展望台があって、さらに上空から津沙聚落を見下ろせます。

雰囲気的に、南竿でもっとも美しい景観かな。

いかにも、小さな漁村といった感じが、なんとも愛らしい。

こんな静かなところで1週間ぐらい過ごせたら、なんて思ったけど、今日みたいに、穏やかな日はまれ。

大陸中国からの西風がまともに直撃するそうです。

大陸中国という言葉がまた出たけど、そこらじゅうにも書かれている。

これは、いわゆるトーチカですね。

今日は観光客もなく、非常に静かな津沙聚落。

観光シーズンをボール半分だけ外す、これもテクニック。

だって、この絵に、人がうじゃうじゃでは、興醒めしてしまうでしょ。

では、津沙聚落にさようなら。

もし、また南竿に来ることがあったら、こんな集落に泊まってみたい。

こうしてみると、日本のようで日本でない。そんな比喩も浮かぶ。

軍事施設から観光スポットへ「北海坑道」

さて、南竿Eバイク周りも終盤。「北海坑道」です。

名前からして説明がいらないような「北海坑道」。

もちろん、船や戦車を隠すためのトンネルとして掘られました。

視認されなくすることが軍事作戦だった当時。

時代背景は、ベトナム戦争のクチトンネルが掘られた時期と重なります。

兵隊さんたちの苦労が偲ばれます。

しかし、時代が変われば、政情も変わるもの。

この「北海坑道」は観光スポットに生まれ変わってます。

この時間表示は、干潮によって、歩道を歩ける時間帯。

つまり、ここです。

夏は、水面が青く光る「藍眼涙」がみられると聞きますが、これかな?

夏じゃなくても見れました^ ^

ライトが照らしてるから擬似的なものだろうけど、それでも美しい。

こうして「北海坑道」は、軍事施設からSNS映えするスポットに生まれ変わりました。

北海坑道の近くには、大漢據點と記された、別のトンネルもあります。

もう、南竿を去る時間が迫りつつあり、内部の見学は割愛しましたが、このあたりはトーチカだらけでした。

ふたたび、軍事転用される日が来ませんように。

南竿最高峰 標高248m雲台山

さて、南竿最後のイベントは、この島の最高峰「雲台山」からの眺め。

雲台なんて、とてもわかりやすい。

敵が来たら、煙で合図するのだろうか。まるで狼煙。

でも、それは冗談ではなく、かつては監視塔的な使われ方をしていたものと思われる。

現在は、雲台山軍情館に転用されている。しかし、台湾人しか入れない(のだと思う)

さて、台湾海峡に北竿が浮かんで見えます。

北竿には何があるのか。

島めぐりのアドベンチャー的高揚感は、大航海時代などのRPGを進めるときの期待感となんら変わらない。

Eバイクというアイテムを返して、北竿行きチケットというアイテムを手に入れましょう(^ ^)