レバノンの旅も最後。
これから、タクシーをチャーターして、ベイルートの南方の観光地を回ろうと考えています。
空港もベイルートの南側にあるので、荷物を持ってチャーターして、帰りは空港でドロップオフしてもらうのにも都合がいいスケジュールです。
チャーターするタクシーさがし
ホテルの周辺で、チャーターするタクシーを捜すんですが、けっこう難しい。
タクシー自体は頻繁に通り、カメラを肩から提げている私などには、「ヘイ!タクシー!」と叫んで、後続車がいてもクルマを止めて勧誘してきます。
そんなタクシーには、笑って手を振るだけですが、ちょうどホテル近くの交差点に止まっていた初老のドライバーに声をかけたところ、プランニングに応じてくれました。
行程としては、ベイルート南方の2つの観光地「ダイル・エル・カマル」と「ベイト・エッディーン」の2箇所を回り、帰りには空港で降ろしてほしいドライブルート。
トータルで100kmを超える行程です。交渉しても、どうしても100,000LP(7,000円)より下がりません。
昨日70,000LPで半日チャーターできた記憶があるので、もう少し粘ろうとも思いましたが、最後は空港まで行ってもらえるし、チップを含んでということで、100,000LPで手を打ちました。
最初の目的地「ダイル・エル・カマル」までは、こんな感じのルート。
運転手には、「お昼の12時に、メイフラワーホテルにの前に来てくれ。」と約束して、その場は別れました。
ダイル・エル・カマルまでのドライブ
12時ちょうどに、さっき約束した運転手がホテルに迎えに来てくれました。
契約した料金は100,000LP(7,000円)。
ホテルから空港までタクシーを依頼すると、35USドルというのだから、全て含まれているこの契約は、割安ともいえます。
タクシーは、今朝、徒歩で歩いた道を海岸通りに向かいます。
初老の運転手は、「昔はガイドだったんだ。」という話を聞かせてくれながら、ベイルートから南下します。
景色のいいところでは、クルマを適宜止めてくれながら。
このあたりには、2006年には、イスラエルからミサイルが撃ち込まれたんだ、という話もしてくれます。イスラエルによるレバノン侵攻ですね。
クルマは山岳地帯に入りました。
レバノンは、どの緯度で切っても、海岸線から山岳部まですぐです。
それが、日本の地形と似てるような気がする理由だと思う。
いくつかの町を通り過ぎながら。
ダイル・エル・カマルの文字が見えました。
アラブ様式の町並み ダイル・エル・カマル
町の中心の広場に着きました。
運転手に、「見学時間はどのくらい必要か?」と聞くと、「30~40分?小さな町だよ」。
一応、1時間もらいました。
ぱっと見ただけでも、崖にへばりついた美しい町です。
ダイル・エル・カマルとは、「月の修道院」という意味だそうです。
17世紀の頃は、この町はレバノン首長国の中心をなしてました。
こちらは、元大統領のカミール・シャムーンの像です。
さて、広場を出て、町を散策です。
町のどこからでも見えるミナレット。
下り坂を降ります。
いい感じの小道。
教会とモスクが、こんなに近くにあってもいいんでしょうか。
エジプトに行ったときも、ムスリムがコプト教徒のことを「兄弟」と呼んでいたし、宗教のことを本当によくわかっているのは、信者自身であるということがよくわかります。
教会の下を見下ろすと、おじさんと孫?がライフルを持ち出しています。一瞬ビビリました。
レバノンで一番美しい17世紀の町並みと言われてるそうですが、たしかに美しい。
さて、また登ります。
さっきのミナレット。
1本しかない、町のメインストリート。
広場に面したユースフ・シャハーブ宮殿に登ってみました。
レバノン発祥の地ともいえるダイル・エル・カマル。ここに宮殿を置き、この美しい町を築き上げたレバノンの英雄は、ファハルッディンです。
時が停止したかのような静かな町を、上へ下へと歩いていると、1時間なんてあっという間にたってしまいます。
さて、次は、というよりこの旅最後の立ち寄り地点「ベイト・エッディーン」に向かって出発です。