【京都一人旅 #15】自転車で巡る嵐山の寺院 閉館中だった「直指庵」

早起きは三文の徳というけど、これは旅においては、文字通り当てはまる。

「渡月橋」から「天龍寺」。

そして「竹林の小径」から「御髪神社」「野宮神社」と回っても、まだ10時。

しかも、渡月橋へ行く際、バス乗り間違えてるんだよね。

朝早かった分だけ、お腹もすきはじめてますが、まずは自転車を借りようと、「嵐山駅」に向かって歩いてます。

現れはじめた観光客&「嵐山駅」でのレンタサイクル

嵐山電鉄の嵐山駅方面から、観光客がちらほら歩いてくる。

 

さすがに、ほっとしましたよ。

4連休初日に、天下の嵐山駅前通が閑古鳥が鳴いてたら、日本一の観光都市京都が終わってしまう。

みたらし団子なんて食べたいけど、後で後で。

さっき訪れた「天龍寺」の正門は、駅前通に面してるんだね。

 

さて、嵐山駅に到着。自転車を借りましょう。

レンタサイクルは久しぶりだな。

6時間借りると、電動式の方が安くなる。電動式にしましょう。

券売機でチケットを先に買う仕組み。

自転車に乗る以上、もうお酒はダメですよ。

レンタサイクル屋さんのとなりにビールバーがあるのはなぜ?

 

借りた自転車がこれ。

電動自転車なんて乗るの初めてだから、おじさんにきちんとレクチャーしてもらいました。

鍵のかけ方、ギアの変え方、一通り教わって「チャージは」と聞くと、バッテリーは楽勝で1日もつとのこと。そうなんですか。

外国だと、チャージスポットを確認するのはマストなんだけど、それは要らないみたい。

でも、走り出してわかった。

電動自転車ではなく、正確には「電動アシスト自転車」。

要するに、停止状態から時速10kmぐらいになるまで、電動でアシストしてくれて、それを超えると自力になる。

坂道なんかで速度が低下してきたときも、自動的にアシスト。

これは、すごいラクな自転車です。

自転車でめぐる嵐山 「清涼寺」に「大覚寺」の瞥見

快適な自転車にまたがって、嵐山の駅前通をまっすぐ北へ。「清涼寺」にたどり着きます。

堂々とした仁王門。

このとき、雨が激しく降りだします。

 

さっそく、バッグに詰めていた雨がっぱを羽織ります。

まったく予備知識なしに「清涼寺」に来ましたが、このときは、本堂の裏手に「天龍寺」に勝るとも劣らない立派な庭園があることを知らず。

雨が降っているのをしおに、退散してしまいました。

あとで調べたら、紅葉が綺麗だとのことで、季節を変えて再び訪れるのもいいでしょう。

 

そして、自転車にアシストされて「大覚寺」へ。

ほんとこれ、「こぐ」というより「アシストされる」という表現がぴったり。

 

このエリアの寺院では、大御所の部類に入る「大覚寺」。参拝者用のパーキングもあります。

私も、自転車を駐車して参道へ。

大覚寺は、弘法大師空海を宗祖と仰ぐ真言宗大覚寺派の本山。

離宮の面影を残す京の古刹と称されるほどの「大覚寺」ですが、なんと、お寺に誰もいなくて入れず。

また、降り出した雨に追われるように退散します。

あの玄関は、時代劇のロケにも使われるらしい。

 

しとしと雨の中「直指庵」へ

人通りもまったくない嵯峨野の町を、自転車でゆっくり通り過ぎるのは気持ちいい。

「直指庵」の看板を見つけました。

ちなみに「直指庵」というのは、嵯峨野の北のはずれにひっそりとたたずむ尼寺です。

なんと閉館中だった「直指庵」

ところが、自転車をとめて、門に近づくと「閉館中」の張り紙が。

感染症の影響なんでしょうけど、これは悲しい。

ここには「想い出草」というノートが備えつけられており、文字通り想い出や人生の悩みを書き綴ることが許されています。

私は学生時代に、西村京太郎著「京都感情旅行殺人事件」というミステリーに登場したので、この尼寺を知りました。

小説では、「想い出草」の趣旨にそぐわない記述をした者は、自殺に見せかけて殺されました。

 

私も、今回は、ちょっとした人生の悩みがあって、「想い出草」に心境を吐露するつもりできたのですが残念でなりません。

 

実は、8年前の6月にもここを訪れています。

妖気ただよう雰囲気たっぷりの古寺では、女性がひとり、「想い出草」に思いをつらねていたのを覚えています。

それにしても、京都、そして嵯峨野はおくが深い。

1646年、明の隠元禅師の教えを受けた独照性円禅師が草庵を結んだことが始まりと記されています。

このあたりの竹林の様子は、それからまったくかわってないのでしょう。

周囲に人気はまったくなく、風に吹かれた葉の音しかしません。

竹林の小径でも感じた孤独感が、ふたたび湧き起こってきました。

 

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