嵯峨野の町を自転車で風に吹かれて、すっかり頭の中がからっぽになりました。
そして「直指庵」が閉館していて、心にもぽっかり穴があきました(笑)
なんか、人気のまったくない嵯峨野を散策して、頭の中がリセットされた気分です。
昨日までは、ていうか、つい今朝までは、「外国に行けないから京都に来てる」という気持ちが、心のどこかにありました。
でも、竹林の中にひっそりとたたずむ「直指庵」をみて、素直に「京都を楽しもう」、そんな風にスイッチが切り替わったような気がします。
広沢池を横目にみるサイクリング
なんか、無性に自転車で遠出したくなって、予定変更。
嵯峨野を巡るつもりでしたが、このまま東へ向かい、「仁和寺」「龍安寺」「金閣寺」のトリプル世界遺産を目指すことにしました。
なぜなら、自転車をこぐのがこんなに快適だなんて初めて知ったから。
「広沢池」が左手に広がります。
多くの貴族が詩を詠んだ場所らしいですが、雨上がりの空気をかけぬける自転車が気持ちいい。
行き交うクルマもない県道29号線を東へ。
このまま走れば、右京区の世界遺産街?にたどりつけます。
途中の街道沿いにも現れる寺院。
左折すると「高雄」。高雄にも「高山寺」という世界遺産があります。
徒然草「仁和寺にある法師」を思い出す真言宗御室派総本山「仁和寺」
広沢池から自転車を15分ほどこいで、世界遺産「仁和寺」に到着。
重要文化財に指定されている二王門を見上げます。
ふつうは「仁王門」と表記されますが、仁和寺では「二王門」となります。
高さは18.7メートルもあり、とても重厚な造り。
徳川三代将軍家光公の寄進によるもので、知恩院、南禅寺とともに「京都三大門」だそう。
ここでも「南禅寺」が登場。昨日、もっとしっかり観ておくべきだった・・。
仁和寺といえば「徒然草」。
「徒然草・第五十二段」は、仁和寺の1人の法師の話。
国語の教科書で見かけたので修学旅行で訪れた、そんな経験があります。
仁和寺といえば五重塔や御影堂ということになるんでしょうが、私はまっさきに庭園に向かいました。
時が止まったかのような「仁和寺・南庭」で瞑想にふける
この拝観客の少なさ。
木張りの廊下を独り占めです。
なぜか置いてある公衆電話??
そして、縁側に腰かけます。いやあ、落ちつくなあ・・・
庭の北側には「左近の桜」と「右近の橘」が植えられているそうですが、どれがどれだかわかりません!(^^)!
縁側に腰かけてると、シーンとして、物音一つしません。
これは、ひょっとして、とてつもなく贅沢な環境なのかな。
このお寺に来るのは、高校時代から通算3度目。
この庭園を眺めていると、ほんとうに心が落ち着いてくるのはなぜだろう?
渡り廊下を歩きます。
渡り廊下でつながっている「白書院」。
福永晴帆による「松の絵」。すごい襖です。
秋に来たら、あの緑の絨毯の上に、紅葉が模様をつくるのでしょう。
渡り廊下を歩くときの、ギシギシという音がなんともいえません。
楽しい旧家の徘徊、そんな気分です。
自転車でほてった身体も冷めてきました。
「南庭」の反対側に出ました。これが「右近の橘」ですね。
こちらが「左近桜」。
「仁和寺・北庭」から拝む五重塔
宸殿を抜けると目にとまる五重塔。
北庭は南庭とはまた違った趣。池泉回遊式庭園となっています。
私は将棋がわかりません(わかる人がうらやましい・・)
左の方は、豊島先生。
現在名人と竜王(この二つが最も格が高いタイトルとされる)を保持されており、現時点で最強の棋士といわれるかたであると、フォロワーの方から教えていただきました。
それにしても、ほんとにみごとな襖です。
歩き回って少し疲れたし、この畳の上で、寝っ転がりたい、ふとそう思います。
なんとも難しい漢字「遼廓亭」。茶室のようです。
これは、いたずら。
加工して、紅葉の季節のようにみせかけました(笑)
仁和寺の境内をのんびりと散歩
仁和寺の庭園を心ゆくまで堪能したので、境内の散歩へ。
なんか、砂利がすぐに靴に入ってくるな、と思ったら、なんと靴に穴が開いてました。
異国の旧市街散策に大活躍の靴だったのですが、ついに寿命がつきましたか。
重要文化財に指定されている五重塔。
こちらは国宝にもなっている「金堂」。
こちらは「鐘楼」。中国・西安の「鐘楼」にも似ています。
仁和寺の境内は広いです。そろそろ、次に行きますか。
仁和寺は、秋もさることながら桜の名所でもあります。
春にも、また来てみたい、そう思わせる落ち着きのあるお寺でした。