【京都一人旅 #16】広沢池を眺めるサイクリング ~ 時が止まった「仁和寺」の庭園

嵯峨野の町を自転車で風に吹かれて、すっかり頭の中がからっぽになりました。

そして「直指庵」が閉館していて、心にもぽっかり穴があきました(笑)

なんか、人気のまったくない嵯峨野を散策して、頭の中がリセットされた気分です。

昨日までは、ていうか、つい今朝までは、「外国に行けないから京都に来てる」という気持ちが、心のどこかにありました。

でも、竹林の中にひっそりとたたずむ「直指庵」をみて、素直に「京都を楽しもう」、そんな風にスイッチが切り替わったような気がします。

広沢池を横目にみるサイクリング

なんか、無性に自転車で遠出したくなって、予定変更。

嵯峨野を巡るつもりでしたが、このまま東へ向かい、「仁和寺」「龍安寺」「金閣寺」のトリプル世界遺産を目指すことにしました。

 

なぜなら、自転車をこぐのがこんなに快適だなんて初めて知ったから。

「広沢池」が左手に広がります。

多くの貴族が詩を詠んだ場所らしいですが、雨上がりの空気をかけぬける自転車が気持ちいい。

行き交うクルマもない県道29号線を東へ。

このまま走れば、右京区の世界遺産街?にたどりつけます。

途中の街道沿いにも現れる寺院。

左折すると「高雄」。高雄にも「高山寺」という世界遺産があります。

徒然草「仁和寺にある法師」を思い出す真言宗御室派総本山「仁和寺」

広沢池から自転車を15分ほどこいで、世界遺産「仁和寺」に到着。

重要文化財に指定されている二王門を見上げます。

ふつうは「仁王門」と表記されますが、仁和寺では「二王門」となります。

高さは18.7メートルもあり、とても重厚な造り。

徳川三代将軍家光公の寄進によるもので、知恩院、南禅寺とともに「京都三大門」だそう。

ここでも「南禅寺」が登場。昨日、もっとしっかり観ておくべきだった・・。

仁和寺といえば「徒然草」。

「徒然草・第五十二段」は、仁和寺の1人の法師の話。

国語の教科書で見かけたので修学旅行で訪れた、そんな経験があります。

仁和寺といえば五重塔や御影堂ということになるんでしょうが、私はまっさきに庭園に向かいました。

時が止まったかのような「仁和寺・南庭」で瞑想にふける

この拝観客の少なさ。

木張りの廊下を独り占めです。

 

なぜか置いてある公衆電話??

そして、縁側に腰かけます。いやあ、落ちつくなあ・・・

庭の北側には「左近の桜」と「右近の橘」が植えられているそうですが、どれがどれだかわかりません!(^^)!

 

縁側に腰かけてると、シーンとして、物音一つしません。

これは、ひょっとして、とてつもなく贅沢な環境なのかな。

このお寺に来るのは、高校時代から通算3度目。

この庭園を眺めていると、ほんとうに心が落ち着いてくるのはなぜだろう?

渡り廊下を歩きます。

渡り廊下でつながっている「白書院」。

 

福永晴帆による「松の絵」。すごい襖です。

 

秋に来たら、あの緑の絨毯の上に、紅葉が模様をつくるのでしょう。

渡り廊下を歩くときの、ギシギシという音がなんともいえません。

楽しい旧家の徘徊、そんな気分です。

自転車でほてった身体も冷めてきました。

 

「南庭」の反対側に出ました。これが「右近の橘」ですね。

こちらが「左近桜」。

「仁和寺・北庭」から拝む五重塔

 

宸殿を抜けると目にとまる五重塔。

北庭は南庭とはまた違った趣。池泉回遊式庭園となっています。

私は将棋がわかりません(わかる人がうらやましい・・)

左の方は、豊島先生。

現在名人と竜王(この二つが最も格が高いタイトルとされる)を保持されており、現時点で最強の棋士といわれるかたであると、フォロワーの方から教えていただきました。

それにしても、ほんとにみごとな襖です。

歩き回って少し疲れたし、この畳の上で、寝っ転がりたい、ふとそう思います。

なんとも難しい漢字「遼廓亭」。茶室のようです。

これは、いたずら。

加工して、紅葉の季節のようにみせかけました(笑)

仁和寺の境内をのんびりと散歩

仁和寺の庭園を心ゆくまで堪能したので、境内の散歩へ。

なんか、砂利がすぐに靴に入ってくるな、と思ったら、なんと靴に穴が開いてました。

異国の旧市街散策に大活躍の靴だったのですが、ついに寿命がつきましたか。

 

重要文化財に指定されている五重塔。

こちらは国宝にもなっている「金堂」。

こちらは「鐘楼」。中国・西安の「鐘楼」にも似ています。

仁和寺の境内は広いです。そろそろ、次に行きますか。

仁和寺は、秋もさることながら桜の名所でもあります。

春にも、また来てみたい、そう思わせる落ち着きのあるお寺でした。

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