さて、ベッドの上で一休みしたところで、時刻は16時。
今回の釜山一人旅のハイライト。
荒嶺山(ファンリョンサンと呼ぶらしい)に登り、釜山随一の夜景を見に行きます。
正直、この荒嶺山からの夜景を見るために、釜山に来たようなもの。
ネットサーフィンしているときに偶然見つけ、その夜景に一発で魅かれました。
それはそれは、この世のものと思えぬほどの光景とか(それは言いすぎですね)
しかし、ここは、最近展望台などが整備されたばかりで、公共の交通機関は通じておらず、ふつうの観光客なんかは行かないようです。
そういうところに行きたいんだよなあ・・
相変わらずの変人ぶりですが、当然、「地球の歩き方」には、まったく紹介されていません。
なので、ネットだけの情報を頼りに荒嶺山にGO! です(笑)
メトロ 南浦 ⇒ 南川
私は、いま南浦のホテルにいます。
クルマを持ってる韓国人はヒョイヒョイと行けるんでしょうが、私はまず地下鉄で2号線南川駅へ。
そこからタクシーで登る作戦です。
1号線南浦駅から行く場合は、西面駅で2号線に乗り換えます。
なぜか、車内は激混み。
南浦からは意外に遠く小一時間ぐらいかかって南川駅へ。
ここから目指す荒嶺山まで、グーグルマップによると直線距離で2~3キロ。
道は曲がりくねってるので、実際の道のりは5~6キロってとこでしょうか。
それは、いいんですが、タクシーがまったく通りません。土曜日だから??
「荒嶺山」(ファンリョンサン)が通じない運転手?
早くも作戦失敗か、と思ったころ、1台のタクシーが通過。うまく捕まえられました。
そして、「ファンリョンサン」と言って、グーグルマップをキャプチャーしてきたスマホの写真を見せます。
マップには、ここ南川駅と荒嶺山の頂上すべてが入ってるので、職業運転手なら簡単に理解し運んでくれるものと思ってましたが、なかなか理解してもらえず、「日本人?」と聞いて、車を止めます。
そして、どこかへ電話。
(なんだ、なんだ・・・)
一言二言電話口で言葉を交わした運転手は、私にスマホを渡します。
すると、耳に飛び込んできた女性の声は韓国人の日本語。
韓「お客さん、どこへ行きたいんですか?」
私「ファンリョンサンです。」
韓「えっ、お客さん、もう少しゆっくり話してください。」
私「ファン・リョン・サン です。」 (やばい、発音が悪くて通じてない)
韓「??ファン・リョン・サン???」
私「あの、夜景が綺麗な・・・」
韓「ああ~、はいはい。ファンリョンサンね。でも、お客さん、降りるのに2時間くらいかかりますよ。日本の方、あまり行く人いないですよ。」
私「(えっ、そんなに・・) はい、行きたいんです。」
韓「はあ、じゃ、気をつけていってらっしゃい。」
そして、運転手にスマホを返すと、運転手も「ああ、あそこか・・」みたいにうなずいて、クルマをスタート。
いやあ、帰りに徒歩2時間!(そんなにかかるかな)
一瞬、めげかけましたが、ここまで来てやめられません。
そして、ヘアピンカーブの続くワインディングロードを走ること約10分。
運転手が「ここだ。」
景色が綺麗だぞと身振りで説明する運転手に4,000ウオンほど払って、タクシーを降りました。
おおーッ! たしかに綺麗な景色が広がっています。
でも、ここって展望台?? 違うような・・
道路わきに、上方へ上る小道があったので、登っていきます。
登るにつれ、景色も広がりを見せ、大パノラマに。
ところが、この辺まで来たら、「コラ!入っちゃいかんよ!」みたいに、韓国人に咎められる。
仕方ないので「ファンリョンサン?」と聞くと、
もっと向こうだ、と指差して「20ミニッツ」
そうでしたか、ここは展望台ではなかったんだ。
うわー、あの運転手、とんでもないとこで私を降ろしたもんだ・・
まいった、まいった、どうしよう、ここから徒歩20分だって・・
周囲には、「展望台じゃないけど、ここでもいいや」って感じの韓国人カップルが談笑しています。
展望台の勘違い 荒嶺山尾根づたいのハイキング
しばらく思案しましたが、歩き出しました。
やっぱり、ここまできて引き返せません。現在17時20分。日没までには着けるでしょう。
人気はなく、クルマの通りだけ多い山道を、一人テクテク歩きます。
時々立ち止まり、素晴らしいビューに感動。
あれは、午前中に渡った釜山港大橋だね。
アップダウンのある道を歩くのは、それなりに重労働ですが、音楽を聴きながらなら苦になりません。
流れてきた曲は、平井堅「瞳をとじて」でした。
反対側にも、木々の陰からこんな風景が。
私のようにテクテク歩く人間は少数派ですが、自転車組もけっこういます。
ロードサイドにはトイレなどの設備も。
おっ、あれが展望台へのルートかな。
そのようです。
止まってるバスはツアーバスかな。
駐車場がありました。
こりゃ、クルマ持ってる韓国人は楽勝だね。
おお・・まさしく、太陽が沈むところ。
しばらく、見入ります。
それにしても、夕日って、いつ見ても綺麗だよね。
さて、ここはまだ展望台ではなさそうなので、さらに上にあがるとします。
駐車場は渋滞がはじまっています。
方角はこっちですね。
なんか、足が痛くなってきた。疲労というより、靴が合ってないのかな。
前から気にはなっていたんだけど、ぴったり合う靴を探したほうがいいかも。
偏平足の私です。
荒嶺山展望台からの絶景!
さすがに息が切れはじめたころ、展望台(と、そのときは思った)に到着。
すごい夕焼けだな。
すごい!たしかにこれは絶景だ!
広安大橋の方を見てるんだね。
美しい景色に浸っていたら、上のほうから降りてくる人が。
まだ、上があるんだ・・
そこへ登っていくと、さらに息をのむ光景が広がっていました。
こっちの方がメインとなる展望台かな。
こりゃ、夜景の名所になりそうだ。
デートスポットにもなりそう。
ていうか、韓国人はクルマで簡単に来れるんだから、もうなってるよね。
夕焼けも綺麗。
欧米人たちのツアーのようですね。
すると、下の道路に止めてあったバスは、彼らのかな。
この夕焼けは、南方から近づいている台風によるものかな。
いずれにしろ、めったに見れない風景に感謝。
あらためて、下界を臨みます。
階段も整備されています。
これは、本当に美しい。
薄暮が夕闇に変わるまで、ベンチに座って音楽鑑賞。
流れてきたのは、ミスチル「擬態」でした。
人もいっぱい集まってきました。
下界も綺麗だけど、夕焼けの空もまた逸品。
これだから、旅はやめられないよね。
やっぱり来てよかったな。
韓国を訪れる日本人旅行者は減少しているらしい。
まあ、理由はいろいろあるんだろうけど、いろいろある理由の直接の当事者ならいざ知らず、別に韓国人と仲良くなりに来ているわけでないし、片意地張る必要もないと思う。
メディアも正確な情報なんて流さないし、実際に自分で体験するのが一番。
そう割り切れば、こんな綺麗な景色が見れるわけだし。
時間とともに、下界がライトアップ。
しかし、思ったより点かない。ひょっとして、土曜日だからか。
平日なら、オフィスビルの明かりも満載だったことでしょう。
とはいえ、これでも、十分に素晴らしいです。
世界三大夜景に指定されないのが不思議・・・
長崎の見たことあるけど、もっと光は少なかったような・・・
ほんとすごい迫力。
ほんの少し風が吹いてるだけで、穏やかな天気。
天候にも恵まれたことを感謝です。明日は台風だけど・・・
言葉は要らないですよ。これは。
釜山に来て、こんな素晴らしい景色に出会えるとは思わなかった。
下に下りて、最初に訪れた展望台に。
もうすっかり暗くなりました。
おおー、広安大橋がライトアップされてる・・・
オフィスビルのライトがマックスになったら、すごいんだろうな。
展望台のすぐ横には電波塔がありました。
もう一度上へ。
もうすっかり暗くなって、夜景っぽくなってきました。
時刻は19時すぎ。そろそろ帰りましょう。
荒嶺山から夜の徒歩下山
楽しいことをした後は、苦しいことが待っているのが世の常。
南川駅まで歩きます。さて、何時間かかることやら・・・
タクシーがあれば、利用しようと思ってましたが、そんな都合よくいきません。
バスの定期便くらい設定すればいいのにと思いますが、そのくらい素晴らしい夜景でしたよ。
クルマの通行量はそれなりにあるし、こうして出店もあるので、治安は大丈夫でしょう。
とはいっても、油断はしてません。
読み込ませておいたグーグルマップを、時々確かめながら、早歩き。
道路からも、こうして夜景が見れます。
広安大橋も。
ただ、テクテクと歩きます。
気温は涼しいし、たぶんじっとしてたら寒いくらいですが、大汗をかいてます。
そして、足も痛い・・・
大丈夫だとは思いますが、強盗などの襲来に備えて、音楽を聴いていません。
なので、時間が、いつもより多く感じます・・・
またまた綺麗な広安大橋。
展望台を出て、1時間もたったころでしょうか。
奇跡のように、タクシーが通りかかったので、乗りました。
今までもタクシーは何度か見かけたんですが、すでに先客がいて乗れなかったんだよね。
駅まで、と言うと、疲れが急に襲ってきて眠ってしまいました。
目を覚ますと、まだタクシーは走ってます。
どうやら、私が駅としか言わなかったために、釜山駅と勘違いしたらしい。
ま、いいでしょう。メーターを見ると6,000ウオン。釜山駅まで10,000ウオンくらいかな。
そして、釜山駅に到着。初老のタクシー運転手さん、拾ってくれてありがとう!
地下鉄で南浦洞まで帰りましょう。
日本語バージョンがあるから楽です。
帰ってきました、南浦洞。
お腹もすいたし、このままどこかで食べちゃいましょう。
焼肉屋さんがいっぱいあります。
でも、家族連れやグループがほとんど。1人で、すっと入れそうな店がありません。
ここでいいや。
最初、ピッチャーかと思った・・・ お茶でした(笑)
何を注文したのか忘れてしまいましたが、出てきたのがコレ。
いや、旨い旨い!
辛いのが好きな私は、韓国料理合うかも。
ただ単に、歩き回って、お腹がすいていただけかもしれませんが。
そして、コンビニでビールを買って、部屋に戻って、本日の無事に乾杯!
荒嶺山。行ってよかった。
とても、素晴らしいところでした。
アクセスが良くなったら、もっとすごい人でごった返す気がします。
その晩、寝てる最中に、ふくらはぎがつって、目を覚ましました。
なんと、情けない(^^)v