標高2,640m ボゴタ旧市街のバー&高地で酒が回りやすいのは本当だった話【コロンビア旅行記 #4】

旅していて、もっとも旅心地がわく時間帯は夕方から夜にかけて。

これは、完全に私の持論だけど、本来、夕方というのは家路につく時間帯。

であるにもかかわらず、家に帰る必要がない。

このことだけをとっても、旅先で迎える夕暮れというのは、えも言われぬものがあり、そして、日本からの距離が離れていればいるほど、旅愁も感じる。

さらに、そんな時間になれば、お酒も飲みたくなる。

そして、その日の行動が充実したものであれば、夕暮れから夜にかけての時も一層充実したものになる。

空気が冷たくなるボゴタの夕暮れ

ボリーバル広場でむかえた夕暮れ。

夕方になると、もともと涼しかった空気に、近くで冷蔵庫の扉が開かれたように、冷気が混じる。

8月というのに気温13度には驚いた。北緯は5度。ほぼ赤道直下です。

バス通りにも顔を出してみた。

世界中、どこでも変わらぬ夕暮れの雑踏。

そして、坂道を登って、目星をつけておいたバーへ向かいます。

カジェ11のバー「EL AQUELARRE」は「魔女の夜宴」

さて、昼間のうちにラ・カンデラリアを歩いて、お酒を飲むならこの店にしようとチェックしておいた「EL AQUELARRE」という、こじんまりとしたバー。

外見は小ぢんまりとしてたけど、中は立体的になっていて、とても機能的なつくり。

バーらしいバー。やっぱり、異国の地で酒を飲むなら、バーに限る。

イスラム圏も好きな私だけど、このバーの雰囲気。

そして酒に自分が酔っていく感じはこたえられない。

キリスト教圏の旅は、そのへんの気兼ねがいらないから、本当に便利だ。

手はじめに、チリのワインと、軽めの肉料理をオーダーしようとしたけど、どうもQRコードでオーダーする仕組み。

うまくつながらないので、翻訳アプリで上記を伝える。

愛想のよいウエイターがにっこり笑って下がっていく。

ところで、店の名前「EL AQUELARRE」の意味がわからず、そのまま翻訳アプリで訳すと、なんと「魔女の夜宴」^ ^

なにが魔女なのかわからないけど、あらためて店の中を見回すと、たしかに魔女が3人もいました。

よくみれば、魔女がまたがる箒も。

まさか、いかがわしい店ではないと思うけど・・・

一瞬不安になった私の気持ちを打ち消すように、満面の笑みをうかべたウエイターがワインを持ってきてくれます。

コロンビア人がたしなむ酒というと、ビール(セルベッサ)をはじめとして、ラム酒やウイスキーあたりなんだけど、ワインも好まれるそう。

しかし、ワインの場合、国産というよりは、チリやアルゼンチンからの輸入物が一般的らしい。

私も、チリやアルゼンチンワインは大の嗜好品。

まずはひと口、生き返ります(^ ^)

料理が来ないのをいいことに、さっそく2杯目をオーダー。

考えてみれば、ワイン好きの私が、メキシコシティ便のANA機内でいただいて以来、この旅ではワインを口にしていない。

コスタリカでもパナマでも、ワインを口にする機会がなかった。

だからか、と、意味不明の解釈で、ワインを飲み続けます。

コロンビアの肉料理「アサード」&チリワインに酔いしれる

そして、でてきた肉料理。

それにしても、軽めと言っておいたのに、とんでもない量。

これは完全にディナーだ。

身体の大きいコロンビア人にとっては、これでも少量なのかな。

調べてみると、これは「アサード(Asado)」。

コロンビアで人気のある肉料理。

牛肉や豚肉をグリルして、焼きポテト、サラダなどが一緒に提供される料理とのこと。

フレッシュなサラダも、このこってりした「アサード」に合いそうだ。

肉片をよけてみると、下からはポテトが。

量は多すぎるけど、南米らしい料理に大満足。

肉は豚みたいでした。

でも、切り身の大きさといい、焼き加減といい、これはクセになりそう^ ^

だから、どうしても、ワインが進む進む・・・

もともとチリワインは、週末ごとに1本空けるほど大好きなので、まさに水を得た魚です(^ ^)

クレジットカード決済というのは、酒飲みにとっては魔物。

その場でキャッシュで払う必要がないんだから、勘定のことなどまったく気にせず飲みあかします。

日本から1万キロ以上も離れたコロンビアまで来て、ケチってどうすんだ、という思いも。

飲むにつれ、気分が良くなるものだから、さらに始末におえない。

ブレーキの壊れたクルマと同じ。

さすが「魔女の夜宴」・・・

歩きはじめて急激に酔いが回る・・・

さすがに、いいところで切り上げて店を出ました。

おや? 雨が降ったのかな。

そして、空はすっかり暗くなり、ひんやりした空気に包まれます。

ここは標高2,600mのボゴタ。

高地では酒に酔いやすいから注意、という予備知識は知ってました。

知ってたけど、自分は大丈夫でしょ!という、なんの根拠もない楽観・・・

ところが、坂道を歩くにつれ、とたんに息が苦しくなりはじめました・・・

ほんと、急激に、襲われました^ ^

要するに、バーに座って飲んでるうちは呼吸が一定だったものが、歩き出したことでわずかな呼吸の乱れが乱れを呼んで増幅させたんでしょう。

こりゃたまらん・・・

早くホテルに帰らなくては、と思うんだけど、とても早歩きなんてできない。

立ち止まって、大きく深呼吸。

これを繰り返しながら、ゆっくりと日の落ちたホテル前まで戻ってきました。

富士山の5合目より高いところでワインを何杯もおかわりしたらこうなるという見本でした^ ^