まったりとした温泉。そしてボリュームたっぷりの食事に恵まれた下部温泉の一夜から明けて、本日は日曜日。
青春18きっぷで身延線を旅していて、身延山に登らない手はないでしょう。
武田信玄も崇拝したといわれる身延山は、ふもとに久遠寺を構えた標高1,153メートルの山。
日蓮宗の総本山であり、その歴史は700年以上前までさかのぼるとのこと。
身延山の最寄り駅は身延駅で、下部温泉から電車で10分ちょっとです。
下部温泉の旅館「元湯 甲陽館」でゆったりとした時間を過ごせた私は、8時30分の電車に乗るために、番頭さんに駅まで送迎していただきました。
身延山へは身延駅からアプローチするわけですが、各所に要する時間的データはこちらをどうぞ。
下部温泉から身延山・久遠寺へ
山峡にあるので、朝8時半でも陽のあたらない下部温泉駅。
12月の朝の空気は冷たいです。
ライトをつけて身延線の電車がやって来ました。
乗り込んだのは、私と、一人旅らしい女性の二人だけです。
この女性も下部温泉のどこかの旅館に泊まったんですね。
ワンマン電車のアナウンスが「つぎは、はだかじまです」と告げます。
どんな字を書くんだろうと思っていたら、こうでした。
そして身延駅に着きます。
身延は、身延線の中心駅。しかし、町はそんなに大きくありません。
かつては身延山・久遠寺の門前町。いまは観光拠点といったところでしょうか。
したがって、列車の運転本数も多くない。
ただいま9:40で、ロープウェイで身延山を往復して、何時のに乗れるだろうか思案。
いちおう目標を10:55の普通列車に立てます。
そのつぎの普通列車は12:34になってしまうんだな・・・
下部温泉から乗った一人旅の女性も、ここで降りました。
やっぱり身延山に登るのかな。
運よく、すぐに発車する8:45をキャッチ。これなら10:55までに戻れるかも。
身延駅から身延山入り口へ向かうバスは、なんとスイカが使えました。
例の一人旅女性も乗ってます。
この光景からは、「日本三大急流」が想像できない富士川を渡ります。
身延山・久遠寺にいたる287段の石段
さて、15分ほどでバスは身延山・久遠寺のふもとに到着。
お土産屋さんが立ち並ぶ門前町の参道を登ります。
ところで、身延駅10:55発の列車に間に合うには、10:30のバスに乗る必要がありますね。
現在9時ちょうど。間に合うかな・・・
久遠寺の三門に到着です。
立派な、身延山・三門。
そして三門をくぐると、目に飛び込んでくるのが、菩提梯と呼ばれる287段の石段です。
一瞬、石壁か、と見間違えるほどの急峻な石段です。
いちおう時計を見ながら行動していますが、これを見て、身延駅10:55の電車はあきらめました(笑)
さて、頑張って登りましょう。
ちなみに、この石段を登らないで久遠寺にアプローチする方法もあるそうです。
なんだか、道が通じているらしく、タクシーで行けるそうです。
しかし、日本の寺院に石段はつきもの。
お祈りをしてから歩き出しました。
下から見上げても絶壁のような石段でしたが、上から見てもコワいくらいです。
というのも、石段の一つ一つの高さがかなり高い。
ふとももを一生懸命上げないとつまづきます。
これ、転げ落ちたら、ただではすまないでしょう。
とても、一気には登れず、休み休みでしたが約10分かけて登頂成功。
久遠寺の本堂が待っていてくれました。
日蓮宗の総本山「久遠寺」の境内を歩く
どっしりとした威圧感を放つ「本堂」を正面から眺めます。
しかし、287段の破壊力はすさまじく、呼吸を整えてから境内を歩きだしました。
気温は氷点下ですが、身体はコートを脱ぐほど火照っています。
石段を登り終えて、まっさきに目に入るのが五重の塔。
2009年に再建されたかなり新しい建造物。
鮮やかな色合いの「祖師堂」。
「祖師堂」には日蓮聖人の御尊像が安置されています。
朝早すぎて、誰もいない久遠寺の境内。
山腹にあるにもかかわらず、けっこう広いです。
身延山ロープウェイで山頂へ
では、身延山のメインイベント、ロープウェイに乗って山頂を目指します。
久遠寺の境内の裏側の道を5分ほど歩くと、ロープウェイの駅に到着です。
これで山頂まで行けるわけですが、片道切符も売ってます。
帰りは徒歩で、という方もいるのでしょう。
しかし、身延山ロープウェイは、高低差763m。関東一の高低差です。
私はもちろん往復チケットを購入。1500円でした。
運転は20分間隔。つぎのは9:40。
ふもとの10:55のバスに乗れるかどうかは微妙なところ。
駅の売店では、様々な銘柄の甲州ワインが売られています。
けっこう、美味しそうだったりします。
さて、発車です。
高低差763m。垂直に上がっていく感じ。下りのロープウェイとのすれ違い。
富士山も顔を出します。雪をかぶっていないのは、なんとも残念。
所要7分で「奥の院駅」に着きました。
身延山山頂に鎮座する「奥の院思親閣」
帰りのロープウェイの時間を確認して、山頂を歩きます。
まず、左手に広がるのが標高1982mの七面山。
身延山は山頂全体が展望台のようになっていて、見どころも多いようです。
ロープウェイは1本ずらして、のんびり歩くことにしました。
山頂の中心にある「奥の院思親閣」です。
奥の院思親閣の仁王門。
こんな高いところに、よく建てたよなと思います。
こちらが、奥の院の祖師堂。
樹齢750年といわれる御手植え杉。
やっぱりハイキングコースがあるんですね。クルマがありました。
南アルプスを臨める北側展望台
身延山は独立した山なので、四方を眺めることができます。
こちらは北側展望台。南アルプスの山々や、甲府盆地の様子をみてとれます。
案内板によると、あの雪をかぶった山は、右側が国内標高2位の北岳(3193m)。
そして左側が同3位の間ノ岳(3190m)。
雪かぶっててよかった(笑)
こういうパノラマビューは、眺めていて飽きないですね。
身延山自体は、標高1,153mとそんなには高くありません。
甲府盆地ですね。
八ヶ岳連峰・・かな。
では、今度は南側の展望台に参りましょう。
この時間、南側は完全に逆光です。
水滴の凍った蛇口。
南側展望台から臨む富士山&駿河湾
おお、見下ろす感じなので、北側より、南側の方が絶景です。
箱庭のような身延の町。
富士川の流れの先には駿河湾が光ります。
富士山も登場。北岳は雪かぶってたのに、なんで??
駿河湾の先の伊豆半島まで見えるなんて、すごく空気が澄んでいるのでしょう。
展望台には私一人。この素晴らしい絶景を独り占めです。
山間を貫く高速道路。
富士山も登ってみたいな・・
2021年も、海外は行けなさそうだし、富士山に登ってみようかな、そんな気になりました。
では、身延山奥の院にお別れです。
身延駅から身延山展望台にいたる時間的データについて
当初、身の程知らずな私は、身延駅から身延山山頂への往復を2時間と踏んでました。
全力で駆け抜ければできなくはない行程ではありますが、見どころも多く、おススメしません。
それでも、3時間もあれば、身延駅から絶景パノラマを楽しんで身延駅に戻ってこれると思います。
運転本数の少ない身延線を利用して身延山にアプローチするには、スケジュールが重要。
ここに、私自身が歩いた時間的データを記載しておきます。
行程 | 所要時間目安 |
---|---|
身延駅 ~ 身延山 バス |
30分~1時間に1本 ※所要時間約15分 |
身延山バス停~身延山三門 |
徒歩7~8分 |
身延山三門~久遠寺 287段の菩提梯 |
約10分(私の足の場合) ※下りは7~8分程度 |
久遠寺境内の散策 |
約10分 |
久遠寺境内~ロープウェイ乗り場 |
約5分 |
身延山ロープウェイ |
20分間隔で運行 ※所要時間7分 |
身延山山頂の散策 | 約30分 |
よい旅をお楽しみください!