東京駅から夜行バスで新潟へ。そして、ここは燕三条駅。
夜行バスでも、夜行列車でも、羽田深夜便でも、激務から解放されて、旅先で土曜日の朝を迎える。
何度経験しても、最高の朝だ。
いま私は、弥彦線のホームにいて、日が当たりはじめた新幹線の駅舎のほうを眺めています。
燕三条から信越線「青海川」駅へ
さて、弥彦線のホームを歩いてみると、夜が明けはじめた町がなかなかいい雰囲気。
今日は2022年9月10日(土)。青春18きっぷの最終日。
まず、最初の目的は、信越線にある海に近い駅で有名な「青海川駅」に行くこと。
2両連結のワンマンカーがホームに入ってきました。
青春18きっぷの旅は、弥彦線の車窓からはじまりました。
実は、弥彦線とは1982年以来の再会。つまり40年ぶり。笑える(^^)
しかし、沿線の風景は、まったく記憶に残ってない。
早朝の車内はガラガラです。
信越線との乗換駅、東三条に到着。
0番線という表現が、なんとなく懐かしい。
弥彦線の女性運転手は、青春18きっぷを差し出すと、
「ごめんなさい。私スタンプもってないんです。」そうですか。
改札口で、18きっぷ最終日のスタンプを押してもらいます。
ここからは信越線の客。
上越線との分岐駅「宮内駅」。
かつて夜行列車で旅してたときは、よく乗り換えで降りた記憶があります。
日本海が近そうな駅名。
いよいよ「青海川」です。
日本一海に近い駅「青海川」
「青海川」駅を発車していくワンマンカー。降りたのは私だけ。
潮騒の音に包まれたホームに、たったひとり。
「日本一海に近い駅」と称される「青海川」駅は、たぶん、〇〇の駅百選とかに選ばれているであろう有名な駅。
青春18きっぷ最終日の土曜日ということもあって、ごった返してたらイヤだな、とかるく危惧してましたがまったくの杞憂。
まだ早朝7時半ということもあるのだろうか。
「日本一海に近い駅」を独り占めです。
いまでこそローカル線のように扱われてるけど、かつては裏日本の大動脈。
関西と新潟や東北を結ぶ優等列車が、昼夜何本もこの駅を通過していきました。
私も、その優等列車に乗って通過するだけで、この駅に降り立つのははじめて。
たとえば、こういう優等列車ね。
けたたましいタイフォンが響いたと思ったら、トンネルの向こうから特急(快速?)が顔を出し、やはり通過です。
高台から見下ろす日本海
「青海川駅」を高台から見下ろしたくなりました。
「青海川駅」という入り江を、高々とまたぐ建造物は国道8号線。
まさか崖をよじ登るわけにもいかず、じゃっかん遠回りしながら坂を登ります。
鶴見線の「海芝浦駅」は、海に近いどころか海上ではないか、などと野暮なことは言ってはいけません。
向こうは臨海工業地帯の海。こちらは海水浴場なんです。
それにしても、人間とは、すごい建造物をつくる生き物です。
なんていう橋なのか知らないけど、これがなかったら、物流は止まってしまうことでしょう。
トラックが、ひんぱんに通り過ぎます。
美しい景色だ・・
ワンマンカーが現れて停車し、客の乗降もなく発車していきます。
そして、高速で通過していく特急列車。あとで調べたら、これは「しらゆき1号」。
「青海川駅」が開業したのは、なんと1,899年。19世紀です。これにはびっくり。
絶妙なところにレールを敷き、駅を設けたものだと思います。
しかし、今日は晴れてよかった。
日本海は鉛色のほうが似合うという人もいるし、私もそんな気がするけど、海水浴場のある海は、やはり晴れてるほうが絵になる。
人類の歴史とは、自然と人工物の協調なのかもしれない。
この素晴らしい海を眺めていたら、シベリアおろしの冬にも来たくなった(^^)
さて、そろそろ下におりましょう。ちなみに、さっきの地点は、駅から徒歩15分ほどでした。
こちらは北陸自動車道のりっぱな橋脚。一本いくらするのだろうか?
サケの川のぼりがあるみたいです。
では、その川と海に流れ込む様子を見に行こうとすると、轟音をたてて貨物列車が通過。
特急も2本通過したし、駅に人はいないけど、やはりいまでも線路は大動脈のようです。
海岸に出るには、線路の下をくぐります。
透き通った日本海の波。
これが、さっきのサケがのぼるという谷根川ですね。
こんなふうに、海にそそぐ川をみたのは久しぶりな気がします。
9月10日です。日がのぼってだんだん暑くなってきますが、海からの風が気持ちいい。
「青海川駅」とその付近の散歩で1時間が経過しました。駅に戻りましょう。
「青海川駅」と戯れてみる
駅に戻っても、相変わらず誰もいません。
そして驚いたことに、無人駅なのに、待合室に冷房が効いてました。
この駅に発着する列車はこの通り。私が乗るのは9:05の直江津行き。
列車が来るまでもうしばらくあるので、この「日本一海に近い駅」と戯れてみます。
たまには草刈りにくるのだろうか。
太いがっしりとしたレールと、枕木を覆いつくす雑草が不釣り合い。
それにしても素敵な駅だ。
海水浴シーズンには、利用する客が増えるのだろうか。でもどこで着替えるんだ??
とにかく潮騒の音しかしない「青海川駅」。来てよかった。
上り線ホームに戻ると、特急が高速で通過していきます。
なんだか、このまま去るのが惜しい「青海川駅」。
青春18きっぷを使った回数は数えきれないけど、これまでは移動手段だった。
これからは、のんびり時間を使って、降りたかった駅に降りてみよう。
そんな気にさせてくれる「青海川駅」。
間もなく列車が来ます。
ワンマンカー登場。これに乗って、直江津と糸魚川で乗り継いで「親不知駅」で降りてみるのが次の目的。
「青海川駅」にさよなら。