阿里山林業鉄道ができたのが1912年。
日本統治時代のことで、豊富な森林資源を運び出すことが目的だったという。
この木材は、まさに日本本土にも輸出され、神社仏閣の建設にも用立てられた。
そして、阿里山鉄道のほぼ中間に位置する奮起湖。
蒸気機関車時代、列車はここで行き違いの交換。
機関車を休め水や石炭の補給を行い、乗客は旅の道中の食料を調達するという、喧騒が想像できる阿里山鉄道の要衝を担う駅でした。
その関係で、周囲にあった集落が駅付近に集まり、鉄道員のみならず、乗客に弁当を供給する習慣が根付いたとのこと。
台湾の方は、「奮起湖」という地名から「弁当」を連想すると言われるが、こういう経緯があったのかと思います。
阿里山鉄道 奮起湖駅の様子
ガタガタ列車に揺られてきて、目的地に着いた時の独特の倦怠感が私を襲ってますw
ホームに立って、周囲を見渡せば、駅弁屋さんが肩から箱を下げて、弁当を売っている光景が重なって見えないこともない。
ここまで私を運んできてくれた列車が、終点十字路にむけて発車していきます。
奮起湖駅の背後に迫る杉林。林業で名を馳せた奮起湖のイメージそのままです。
さて、ではせっかくの弁当の町奮起湖なので、名物の駅弁のランチといきましょう。
奮起湖名物「駅弁」のランチ
奮起湖駅の狭い駅舎。駅舎というのか、食堂というのか、その兼用といった感じの建物。
台湾ふう幕の内弁当といった趣きの唐揚げ弁当ですか。
とにかく、飛ぶように売れてます。
メニューにアルファベットがふってあるのはありがたい。私は「G」をオーダー。
どうもテイクアウトの方が高くなるみたいだ。
さて、140元(602円)のチキン弁当。
お味の方は、どんな感じでしょうか。
考えてみれば、諸外国で「駅弁」なるものを食べるのはじめてかな。
チキンは骨がなければ最高だったけど、まあまあです^ ^
お米も、どこの国の米だ、ってくらい美味しい。
美味しかったです、ごちそうさま。
米粒一つ残さない、日本人魂です。
奮起湖老街&老老街の散策
さて、食後の散歩を兼ねて、老街の散策。
阿里山はお茶が名物らしい。
もちろん、阿里山だけでなく、奮起湖の名物もめじろおし。
ていうか、ものすごい人の数。
高低差もあるので、「九份」を思い出します。
売ってないものはないと思えるほどの賑やかさ。
黒いゆで卵?
「山葵」ってなんだ? 後で調べたら「わさび」らしい。
こちらはお茶屋さん?
これはなんだろう? ドライフルーツ?
こちらは漬物かな。
こちらはお土産屋さん。とにかく歩いて楽しい、奮起湖の駅前商店街。
少し開けました。こちらが老街のようです。
旅館もあるんだね。こんな町でも泊まってみたい。
これはなんの行列?
どら焼きかな・・厚くて美味しそう。
弁当屋さんは駅構内だけではありません。
たぶん、こういうところが駅に弁当を供給してるんでしょうね。
奮起湖の弁当文化は、ほんとに根付いてるみたいでした。
奮起湖商店街や老街のようすはこちらです。
奮起湖老老街で味わう阿里山コーヒー
奮起湖老街から坂を数百m下ると、「老老街」に出ます。
まあ字体から言って、ここが本当の奮起湖の旧市街なんでしょう。
うわ、なんか夜歩いたら雰囲気ありそうな通り。
阿里山コーヒーという銘柄があるんですね。
人の良さそうな主人に「阿里山水洗コーヒー」をオーダーしました。
水洗コーヒーって、水洗いコーヒーのことだよね。
120元(516円)を用意して待ちます。
なんか、いい感じだな。老老街までは観光客も来なくて静かだし。
きました「阿里山水洗コーヒー」。
コーヒー党の私ですが、いままで飲んだことがないようなフルーティな風味。
酸味を感じるコーヒー。これも後で調べたら、阿里山は、世界でも名高いコーヒーの産地らしい。
阿里山の緯度と高度がコーヒーベルトとして、栽培に適したロケーションとのこと。
ひさしぶりに旨いコーヒーを飲んだぞ(^ ^)
日本に帰ってから、楽天で阿里山コーヒーを見つけたけど高い高いw
お土産に豆を買って帰ればよかった・・・
おみそれしました、阿里山コーヒー。
コーヒー豆を干してますね。
奮起湖老老街や阿里山にこんな特色があったなんて、再訪の楽しみができました。
帰りの列車の発車時刻は14:30。そろりそろりと駅の方に戻ります。
立派な樹木が並びます。
そういう目で見ると、いたるところにコーヒーショップがありました。
阿里山鉄道が作ったとも言える奮起湖の町。楽しい散策でした。