佐渡一人旅3日の朝。本日は旅の最終日。
今回の佐渡の旅にあたっては、行きと帰りでコースを変えてみたく、帰りの本土への船は小木港から直江津となっています。
だから、ゴールデンウイーク最終日の本日は、路線バスで両津から小木港へ向かう沿線沿いの観光に限定されます。
そして、小木港の出航時刻は15:45。
この船が定時に運航されるかもポイント。
船がちゃんと運航されるかどうかは、翌日出勤できるかどうかにかかってくるので切実なんです。
この点、佐渡汽船はとても親切な船会社で、予約している乗船客に早朝からメールで案内してくれます。
就航予定の文字を見て一安心。
では二度寝、ではなくて、もう6時ですから朝風呂でも入って来ましょう。
「住吉温泉 寿月館」にさよなら
柔らかな朝日の差し込む「住吉温泉 寿月館」の浴槽。
そして、長屋にでも居ついた気分で顔を洗います。
2度目の「寿月館」の朝食。
素朴な朝食の膳は、かえって食欲をかきたて、またおひつをカラにしてしまいました。
和定食には定番の鮭。
ほんとに美味しかった自家製のコシヒカリ。米粒一つ一つの形がわかるような美味しさ。
2泊お世話になった「寿月館」。
温泉はあるし、料理のボリュームもあるし、私のような庶民派旅人にはおすすめです。
休日は迂回する新潟交通佐渡「南線」
宿を出て、少し散歩してみると、とてもいい天気。
3日間、好天に恵まれたゴールデンウイークに感謝。
そして、宿のクルマで両津港まで送ってもらいます。
乗るバスは、両津から佐和田へ至る南線。
この南線は、冬季以外の休日は、「妙宣寺」や「佐渡歴史博物館」などに立ち寄ってくれます。
小木港に向かっていることもあり、まずは、このバスで「妙宣寺」という五重塔に寄ってみようと思いました。
両津港から乗ってもよかったのですが、始発から乗って良い席を確保したく、「両津局前」まで歩いて乗りました。
「両津局前」を8:33に出て、「妙宣寺」に9:28に到着するバス。
約1時間のバスの旅です。乗り放題の「佐渡2dayパス」が大いに役に立ちました。
バスは、佐渡の真ん中、国中平野を西に進みます。
途中、「トキの森公園」に停車。
ここに寄ってもよかったのですが、野生ではなく保護されたトキの観察(当たり前かw)なので割愛。
鳥が好きな方なら、おススメだと思う。
多くの観光客が下車しましたが、私は「妙宣寺」目指して、ひたすら乗り続けます。
そして、本線から少し入った「妙宣寺」に到着。バスを降りたのは私だけでした。
新潟県唯一の五重塔「妙宣寺」
ちなみに、「妙宣寺」とは、持ってきた「地球の歩き方」にも載っていないちっぽけな日蓮宗のお寺。
拝観者も住職もみあたりません。
たった一人で、佐渡ヶ島の寺院を散策。なんとなく不思議な気分。
こんな、御堂と御堂を結ぶ廊下も立派なお寺です。
しかし「妙宣寺」の真骨頂は、ここではありません。
新潟県内唯一の五重塔だそうです。
日光東照宮の五重塔を模したとされ、1,827年の建立。
こうやって、五重塔を見上げていると、日本の文化の素晴らしさを、あらためて感じとれます。
聖武天皇の勅命 佐渡国分寺
さて、「妙宣寺」の五重塔を見学したところで、次のバスまで約20分。
グーグルマップで調べてみると、「妙宣寺」から徒歩15分くらいのところに「佐渡国分寺」があるようなので、行ってみることにしました。
バスも、「妙宣寺」の次のバス停が「佐渡国分寺」なので問題ありません。
問題はないけど、暑い。
いくらグーグルマップで15分と出ていても、気は急いでしまう。
国分寺らしき門が見えたときは、もう汗だらだらです。
国分寺とは、奈良時代に聖武天皇が、病やききんから国を守るために、国ごとに建てた、あの「国分寺」です。
それの佐渡版です。
したがって、歴史は古く、建立は8世紀まで遡ります。
古事記の編纂が開始された奈良時代には、すでに佐渡ヶ島が日本における一つの地位を占めていた証でしょう。
実際の「佐渡国分寺」は、落雷や大火により、何度も焼失と再建を繰り返してきたので、境内を歩いて雰囲気を楽しむだけです。
妙宣寺から急ぎ足で歩いてきて汗をかきましたが、木陰を通り抜ける風が心地よい。
石垣の積み方にも歳月を感じます。
妙宣寺も拝観者は私だけでしたが、佐渡国分寺も私だけ。
ゴールデンウイークに島旅を選んだのは正解だったようです。
5分しかいられなかった佐渡国分寺でしたが、静かな境内を歩けただけでも満足です。
実際には、いつバスが現れるかと、ドキドキしながらの国分寺見学でした。