尖閣湾の断崖絶壁を堪能し、現在16時前。
本日の予定はこの後、佐渡の北辺をぐるっと回る路線バスに乗って、両津に戻ります。
佐渡は大きい島。854.8 km²もあって、東京23区の1.4倍。
だからこそ、外周の景色をバスの窓から味わいたい。
実は、今日のスケジュールで、一番楽しみだったイベントでもあります。
ルートはこんな感じです。
乗り継ぐバスの時刻表です。
- 尖閣湾揚島遊園16:00 ⇒ 岩谷口16:49
- 岩谷口17:11 ⇒ 両津港18:47
ほんとに、楽しみな行程。
のんびりとバスに揺られるのがなんと旅心をくすぐられることか。
ちなみに、岩谷口というところは、ただバスターミナルがあるだけで、ほかには何もないみたいです(^^)
「尖閣湾揚島遊園」バス停にて
尖閣湾揚島遊園バス停。ここで待つのは、岩谷口行き。1日5本のうちの1本。
時間があったので、少し歩くと、集落を見下ろします。
漁業や観光で生計を立てているんでしょうね。
バスが来るまでのひととき。
昨日、両津港に船で着いたとき、ほとんどの乗船客は観光バスかレンタカーで散っていきました。
私のような路線バス行動派は非常に少ない。
公共交通機関で旅するからこそ、その地の表情がわかるんだと思います。
車窓に展開する海沿いの棚田
バスが来て乗り込みます。最前列の特等席をゲットして、気分は最高潮。
ところが、写真撮ってたら、運転手さんに「乗客の迷惑になるのでやめてください」と注意された。
乗客って、たったいま降りて行った1人だけなんだけど??
しょんぼりして、窓の外を眺めます。窓の外は撮ったって構わないよね。
すると、不思議な光景が窓外に展開しはじめました。
海岸に沿う棚田。波にこんなに近い水田を見るのは初めてです。
なんとなく不思議な光景。
そして、バスは「岩谷口」に到着しました。
ここまで乗ってきたのは私だけです。
「岩谷口」バス停付近の風景
バスターミナルかと思ったら、ただのバス停だった「岩谷口」。
ここから県道45号線「佐渡一周線」を回って両津へ向かうバスは、1日2本しかありません。
そのうちの1本、17:11発のバスに乗ります。
ほんとになにもない「岩谷口」。
海岸に出てみてびっくり。
ゴミだらけではないですか!
これはいったい、誰の仕業だ??
海岸に目を落とすと幻滅するので海を眺めます。
この海の向こうに、北朝鮮があるんだよな・・・
崖を眺めると、つづら折りのカーブが山肌に張り付いてます。
これからあそこを通るんですね。
こんなに近くて、水田は海水をかぶらないのだろうか。
さて、バスの出発時刻が近づいてきました。
佐渡・内海府線の親切なバス運転手
さて、両津方面行きのバスがやって来ました。
乗客はもちろん?私だけ。最前列の特等席ゲット!
さっきのバスでは、なぜか写真撮影を咎められましたが、誰に迷惑かけてるわけじゃないので、ふつうに写真を撮ります。
すると、今度の運転手さんは、とても親切。
デカいカメラを持って、一目で観光客とわかる私に、窓外を移り行く観光スポットの案内をはじめてくれました(^^)
こては、なんと松尾芭蕉が詠んだ詩とのこと。
「この橋は、長さより高さのほうが長いんですよ!」とのこと。
しかも、徐行してくれます。親切な運転手さんです。
バスは、私一人を乗せて、県道45号「佐渡一周線」をのんびり走ります。
つまり、私がいなければ、このバスの乗客はゼロ。
運転手さんも、「この区間は、いつもそうですよ。」と笑います。
真更川という集落。ここから、バスの営業本数は2本から4本に増えますが、依然として乗客は私だけ。
それにしても、なんと寂寥感漂う光景であろうか。
涙が出てきそうな寂しい景色に感動です。
陽も傾いてきて、ますます景色がセピア色に染まります。
バスが集落に近づくときは、山肌から海辺まで曲がりくねりながら下りていきます。
運転手さんが教えてくれた「お祈りしてる岩」(だったと思う)
というのも、あとでグーグルマップで調べようと思ったら、載ってなかったからw
つづら折りカーブを下るので、ときおり海が右側に。
おお、たしかに「お祈りの岩」です。
そろそろ、バスは、佐渡の北辺に近づいてきました。
どんな土地でも、北辺に近づくほど、景色が荒涼としてくるのはなぜだろう。
さい果てに近づいてる、そんな景色です。
大野亀というバス停。このバスに乗って、はじめて観光客のクルマを見た。
依然として、乗客は私1人。
このあたりが、佐渡の北端。海水浴場にもなっている二ッ亀です。
「願」という地名。美しい名前。
夕暮れの佐渡東海岸
バスが南下をはじめ、東海岸沿いになっても棚田が現れます。
泊まってる宿のコシヒカリすごく美味しいけど、気候条件の厳しさなども影響してるのだろうか。
バスは、佐渡の東海岸に沿って南下します。
乗りごたえがある、日本で一番大きい島の路線バス。
東海岸のほうが道路事情はよいようです。いきなり真新しいトンネルに入りました。
寂しさ募る風景は、ずっと見ていてあきません。
それよりも、このバス。「岩谷口」を出てから、乗客がずっと私1人だけなんだけど。
乗客もいないけど、信号も1つもありません。
両津が近づいて、ようやくバスに乗客が現れました。
両津までもう少し。
そして、バスは夕暮れの両津の町に入りました。
「岩谷口」から1時間半の旅でした。
いろいろガイドしてくれた運転手さんにお礼を言って別れました。
ここから、私は、昨夜から泊っている「住吉温泉」に戻るわけですが、両津港から「住吉温泉」方面行きのバスに乗り継げました。
両津から「住吉温泉」まで約3キロ。
歩くつもりだったので、助かりました。
「住吉温泉 寿月館」2度目の夕食
「住吉温泉」で私を下ろして発車していくバス。時刻は19時。
あたりは夕闇につつまれ、幻想的な雰囲気。
昨夜から泊ってる「寿月館」はすぐそこです。
夕暮れの山の稜線が美しくて、しばらくたたずんでました。
「寿月館」の夕食は19時から。
宿泊の皆さんは、すでに盛大に食べはじめてました。
本日は11時間の行動、さすがに疲労を覚えます。
疲れているから、いくらでも食べれます。
「寿月館」の美味しい海の幸。
昨夜に続いて、とても美味しい料理。
旅すると、身体を動かすので、ほんとに食がすすみます。
ほとんど貸し切りの温泉で身体の疲れを癒して、
部屋に戻ると、布団が畳んでありました。
しかも、浴衣は新品に交換です。
誰ですか?「寿月館」の口コミに悪評を書いたのは?w
明日はゴールデンウイーク3日目。旅の最終日です。
心地よい疲労感を楽しみながら、明日の予定をたしかめます。
ていうか、ほんとに疲れていて、どろのように眠ってしまいました。
旅先での疲労。こんなに気持ちのいいことはないです。