「ほくほく線」松之山温泉 東京から2時間半の雪国へ【新潟県】

雪国で暮らす方が聞いたら気色ばむかもしれませんが、首都圏在住の人間からしたら、雪国の情景にはえもいわれぬ感があります。

しかも2022年1月、4年ぶりに東京にも雪が10cmも積もったものだから、よけいに欲求不満。

私は童心な正直者なので、雪が降ったら「どんどん積もれ!」と願ってしまう。

というわけで、雪国に行きたくなってしまいました(^^)

それで、地図を広げてあれこれ物色を楽しんだあげく、新潟県十日町市の「松之山温泉」が候補に。

「松之山温泉」を選んだ理由は、

  • 鉄道が通じていないような町の、なるべくひなびた温泉につかりたい。
  • しかし、豪雪で身動きがとれなくなったら本末転倒。

という、なんとも矛盾するような条件ですが、これだけネットで情報が出回る現在、「ひなびた温泉」を見つけるのはけっこう難しいもの。

そんななか「松之山温泉」は、新潟県の魚沼丘陵と東頸城丘陵にはさまれるあたりにあり、少なくともメインロード沿いではありません。

そして交通機関は、越後湯沢と直江津を結ぶ「ほくほく線」の「まつだい」駅からバスで約30分。

地図を見るだけで、雪深さが目に浮かぶような場所にあります。

一方で、「ほくほく線」というのは、そもそも首都圏と北陸地方を結ぶ高規格線路として敷設された線路。

北陸新幹線ができてからはその役割は譲りましたが、直線区間とトンネルが多く、雪害対策もしっかりしているので、新潟県における例年通りの雪量なら不通になることはありません。

したがって、天候の急変で、山奥に取り残されるリスクもない。

上越新幹線と組み合わせれば、東京からたった2時間半で、新潟県の山奥にたどり着けるという「立地のいい辺鄙な温泉地?」、と考えて1月の週末東京駅へ向かいました。

東京駅で買う「おぎのや」の釜めし

上越新幹線なんて乗るの久しぶりだな、とはしゃぎながらやってきた東京駅。

時刻は昼近いので、やはりここは東京駅の駅弁です。

おや、東京駅でも「おぎのや」の釜めしを売るようになったのかな。

嬉しくなって、即ゲット。

「釜」ではなくプラスチック容器だったり、温かくはなかったりはしますが、それでも「横川駅」で食べたのと同じ懐かしい味です。

「東京」⇒「まつだい」2時間半の旅

久しぶりの雪国への旅ということでグリーン車を奮発。

普通車もガラガラなのに、2,100円ですごく贅沢をした気分。

外環をまたぐあたりで富士山がくっきりと見えました。

1時間後には雪国なのに、関東平野は青い空。

高崎駅付近では、浅間山もお見え。

高崎の人は、こんなにくっきりとした浅間山を見れるんですね。 

さて、高崎を出ると、長い長いトンネルの連続。

まず榛名トンネルを抜けると、窓外には雪が。

中山トンネルを抜けると、少し深くなります。

そして国境の長いトンネルを抜けて越後湯沢に到着。

東京からたった1時間19分。川端康成もびっくりでしょう(^^)

在来線ホームへ。「ほくほく線」に乗り換えです。

越後湯沢から直通列車もありますが、私は上越線で六日町まで行き、そこで「ほくほく線」に乗り換える乗り継ぎでした。

懐かしい越後湯沢駅。学生の頃は冬になるたびに、幾度となく利用した駅。

越後中里方面からの電車が、雪をかき分けるように入ってきました。

今回、新幹線でズバリと越後湯沢まで入りましたが、帰りは在来線で水上あたりまで行って上毛高原から新幹線というのもいいでしょう。

車内は暖房がきいていて快適。このとき、雪が激しくなり猛吹雪に。

これだけの雪を眺めるのは10年ぶりくらいかもしれない。

これも、何度も利用したことのある石内駅。

反対側の窓は、雪の壁に覆われて何も見えません。

東京と、たった1時間半の距離でこの気候の差。

日本列島は、旅人の目を楽しませてくれる土地です。

家族で最後にスキーに行ったのは、「上越国際」だったかな。

六日町に着いて、いよいよ「ほくほく線」に乗り換えます。

「ほくほく線」沿線の風景

「ほくほく線」の電車に乗り込みます。想像はしてたけど、ガラガラです。

六日町から松之山温泉のある「まつだい」までは600円。28分の旅です。

吹雪にかすむ六日町の町を「ほくほく線」の電車は走ります。

途中の駅でのすれ違い。向こうの電車は、なにかがぶらさがっている?

長いトンネルを抜けて、日本一長い信濃川を渡ります。

実は「ほくほく線」に乗るのは2度目。

2004年9月に富山の伏木から船でロシアに渡りシベリア鉄道に乗った時があり、そのとき、やはり越後湯沢から乗りました。

それ以来17年ぶりの「ほくほく線」。

当時は、特急「はくたか」という列車で、風のように通り抜けてしまいました。

しかし、今乗ってる電車も、線路の規格が良いのか、けっこうなスピードで走ります。

変わりやすい天気。雪がやんで晴れ間も。

まもなく「まつだい」です。

たった28分ですが、六日町から「まつだい」まで、途中2つの丘陵を長いトンネルで抜けているんです。

バスしか便がなかったころと比較したら、とんでもなく便利になったことでしょう。

まつだい駅で降ります。直江津に向けて出発する電車。

東京から2時間半。

ずいぶんと雪深いところへ来たな、という感じですが、意外にもそんなに寒くはありません。

松之山温泉は日本三大薬湯なんですね。

あと2つは、群馬県の「草津温泉」と、兵庫県の「有馬温泉」とのこと。

山奥にあるだけで、「ひなびた温泉」ではないようです(^^)

松之山温泉はまつだいから約10㎞。

数本ですがバスもあるようです。旅館の送迎をお願いしてありますが、片道はバスでもよかったかな。

さて、迎えに来てくれているクルマに乗って、松之山温泉の薬湯につかりましょう。

目指すは「野本旅館」です。

松之山温泉「野本旅館」での一夜はこちら