南米大陸の大都市。アルゼンチンの首都ブエノス・アイレス。
ブラジルのリオディジャネイロとともに、治安の悪い町として、知られています。
ここで言う「治安が悪い」というのは、ふつうに歩けるんだけど、強盗などに注意する必要があるという意味。
すなわち、ベネズエラやホンジュラスなどは論外。
リオやブエノス・アイレスは、気をつけていれば、ラテン色に染まった美しい街並みを眺めながら、楽しく散歩できます。(リオは、まだ行ったことないんですが・・汗)
私は、はじめての南米大陸上陸が、このブエノス・アイレスでした。
なので、治安に関する前評判で不安を抱えながらも、気持ちが浮き立つという、複雑な面持ちで、ブエノス・アイレスのエセイサ空港に降り立ちました。
ケチャップ強盗からの襲撃は、その3時間後になります(笑)
背景
- 長年の夢だったパタゴニア縦断を目指したアルゼンチン弾丸旅行。
- マイアミからアメリカン航空の深夜便で、ブエノス・アイレスに早朝7時に到着。
- 夜のバスでパタゴニアに向かう予定になっており、その間ブエノス・アイレスの街を見学するつもりでバスで街に出る。
と、こんな感じで、浮き立つ気持ちを抑えながら、バスで市街に向かいました。
ブエノス・アイレスのエセイサ空港は、市街からバスで1時間ほど離れています。
状況
はじめて見る、南米大陸の景色。
はじめて見る、ラテン系の街並み。
はじめて見る、ラテン系の美男美女。
その全てが新鮮で、舞い上がりつつも、治安に注意という前評判をアタマに入れて、カメラバッグなどしっかりかかえて、街を散策していました。
そして、5月広場に到達。
こういう平和な光景を見ていると、治安の悪さなど、微塵も感じさせません。
5月の塔。ブエノスアイレスで最も古いモニュメントだそうです。
そして、悲劇は、下の写真を撮った瞬間に発生。
未遂で助かったケチャップ強盗
背中にヒヤッと冷たい感触!
「ケチャップ強盗」のことは、常にアタマに入れておいたので、瞬間的に危険を察知し、後ろも見ずに立ち去りました。
もちろん、持ち物など、すばやく確認して。
これがよかったのかどうかはわかりませんが、幸い追撃してくる奴はなく、盗難被害はありませんでした。
100mほど離れたところまで行き、誰もつけてこないことを確認してから、カメラバッグを肩からおろし、ジャケットを脱いだらこのありさま。↓(下の写真です)
もう一度、パスポートやら現金などをすばやくチェック。
カメラに液体がかかっていないことに安堵しながら、ウエットティッシュで被害箇所を拭きはじめました。
このときの気分は、なんとも言えません・・・
悔しいやら、悲しいやら、なにが楽しくてこんな事するんかい??
ちなみに、ジーンズのお尻から太ももにかけても汚されてました。
匂いを嗅いでみると、青唐辛子のようです。
ペンキなんかじゃなくて、よかったというべきでしょうか。
第二弾だったのかな・・・
はるばる、あこがれの地球の裏側の国に来て、あまりにもみじめ。
私は、無言で拭き続けていましたが、10分ほどして、おばさんが「アラアラ」と言いながら寄ってきました。
これって、ケチャップ強盗の手口そのものだったので、120%の警戒モードに突入。
パスポートケースやカメラバッグなどを、ギュッと握りしめます。
おばさんは「この街には、こういうことする人がいるのよねえ。」(私の想像、おばさんの表情から)、とつぶやきながら、私自身では角度的に拭きにくいジーンズの裏側などについた液体を拭いてくれたのでした。
そして、「これでわかったでしょ。気を付けていらっしゃい。東洋人さん。(これも、私の想像)」と言って、その場を離れていきました。
もう一度、貴重品を確認。大丈夫でした。
あの、おばさん、親切だったけど、実は強盗の一味ではなかったのか、そんな疑念もわきます。
ぎゅっと握りしめていた、パスポートケースやカメラバッグ。
手放して、ベンチの上にでも置いていたら、やられていたのかもしれません。
しばらく、呆然と座りこんでました。
ケチャップ強盗なんて手口は予備知識として知ってましたが、直撃を食らうなんて・・・
ステーキで癒された
その後、夢遊病者のように、あてもなく、街をさまよってましたが、ランチで食べたステーキに満足して元気回復。
これから、バスでパタゴニアを縦断するぞ!という気になりました!(^^)!
それにしても、ケチャップ強盗にあったのは、カメラをバッグから取り出して、肩からかけた次の瞬間です。
ずっと、狙われていたというのが真相でしょう。
ブエノス・アイレスをはじめ、南米大陸には美しい街が無数にあると思いますが、無慈悲な強盗団も無数にいると思います。
旅を台無しにしないためにも、自己防衛はしっかりしておきましょうね。