私は、自分でもかなり温厚な人間だと思ってます。
日常生活や仕事はいうにおよばず、旅行中だって、怒ったりすることなどほとんどありません。
それだけ、私は、家族や周囲の人たち、そして会社に恵まれてる。
そして、私には、旅の神さまがついている、と素直に感謝することにしています。
メキシコシティで、悪徳警官に脅迫されて、賄賂を払ったときはさすがに悲しくなりましたが(笑)
そんな私でも、インド・バラナシで体験した、「超厚顔無恥な詐欺師」については、さすがにアタマにきました。
日本人旅行者に、同じ目にあってほしくないので、事件発生から2年ほどたちましたが、レポートさせていただきます(笑)
背景
- バラナシに2泊するだけのインド週末弾丸旅行。
- デリーからエアインディアでバラナシ空港に19時ごろ到着。
- 空港からバラナシの中心部までタクシーで着いたのはいいけど、そこから予約しているホテルまでの道のりがわからず。
バラナシの旧市街は、ガンジス河沿いに細い路地が入り組んでいるため、今回私が予約したホテルのように「ガンジス河に面したホテル」だと、タクシーで横付けできないんです。
なので、バラナシ旧市街の交通網の中心、ゴードウリヤー交差点でタクシーを降ろされ、途方に暮れかかると、タクシーの運転手は、すぐに案内人をつけてくれました。
「この案内人は、タクシー代金に含まれてるよね。」と何回も確認したうえで、ホテルへ。
案内人は、すいすいと細い路地を歩いていきます。
こりゃ、はじめてだと、絶対わからないって。
ついた「シタ・ゲストハウス」。
ゴードウリヤー交差点からここまで、迷路のような路地。
案内人がいなかったら絶対来れなかった。まずは感謝です。
ほんとにガンジス河のほとりなんだなあ、と感慨にふけっていると、さっきの案内人が、「夜の街案内してやろうか。」
時計を見れば、まだ21時。
バラナシには、2日しか滞在しない。
であれば、街歩きの予行練習のつもりで案内してもらうのも悪くない。
そこで荷物を置いてから、案内人に「いくら?」と値段を聞きました。
絶対に最初は値段を決めないインド人
「up to you!」(出た出た、一番やばいパターン(笑))
それからの、この男との会話です。
私「30分ほど、この旧市街で賑わってるところを案内してくれるだけでいい。いくら?」
男「気持ちだけでいい。」
私「それは、だめだ。値段を決めてくれ。」
男「あなたがハッピーになった分だけ、払ってくれればいい。」
私「FIXされないなら、案内を断る。」
男「わかった、わかった。カネは要らない。」
私「うそつけ!カネがいらないわけないだろ。そういうLIARが、この国にはいっぱいいると、このガイドブックにも書いてある。」
男「ほんとうにカネは請求しない。」
私「だから、ウソはやめてくれ。値段を決めてくれ。」
と、こんな感じで5分くらい、やりとりしただろうか。
私が「I will not pay.」「You do not need money, really?」を繰り返し、いちおうカタチだけ了承するので、案内をお願いすることにしました。
もちろん、信じたわけではありません。
最後は、どうせ、いくらかのカネをよこせ、と言ってくるんでしょうから、300ルピーぐらいは払うつもりでした。
夜のバラナシを案内してもらう
夜のバラナシはエキゾチック。
だから、この前を行く案内人にも感謝。
昨夜まで日本にいて、今夜この雰囲気。
まさに飛行機のマジック。
ところが、やっぱり事件は起きました(笑)
火葬場の下で平然と2,000ルピーの要求
火葬場も夜見れば妖気がただよう迫力もの。
立ち止まって、しばらく見入っていると、男が口を開きました。
「Are you happy? プリーズ、トウサウザン。」(そらきたぞ・・・)
「何が2,000ルピーだ!カネは要らないって言ったじゃないか!」
「あなたを幸せにした。その分のカネをください。」
「冗談じゃない!幸せなんかじゃない!」
「あなたはウソついてる。幸せそうな顔をしていた。あなたはハッピーに違いない。ウソをつくのか。」
「詐欺師」にうそつき呼ばわりされ、私もカチンときて、
You’re a liar!
と、思いっきり怒鳴りつけて、もともと払うつもりだった300ルピーのうち、100ルピー紙幣だけを渡して、その場を離れました。
こうなることは、はじめからわかってましたが、あらためて食らうと、ほんと疲れます。
あれだけ、カネはいらないな?と確認しておいて、コレですから。
正直、コイツがいなかったら、はじめて訪れたバラナシの夜の街なんて、歩き回れません。
だから、はじめから300ルピーぐらいだったら払うつもりだったんです。
それを、2,000ルピーとふっかけてくるなんて、さすがの私もアタマにきました。
ほんと、なにが2,000ルピーだよ。日本人なら払うと思ってるのかな。
いろんな人のブログにも書かれているように、インド人と関わると、ロクなことがない。
しかし、啖呵をきって一人になったのはいいんですが、ホテルまでの帰り道がわからない。
しかし、ガンジス河沿いのホテルでしたから、川岸沿いに歩いて、なんとか帰れました。
まとめ
文化の違いといってしまえばそれまでだが、この「喜捨」という考え、どうしても日本人の私にはなじめない。
私は、どちらかというと、郷に入らば郷に従えという考え方。
しかし、旅人に擦り寄ってくる輩の表情には、「金持ち(外国人)は、お金を出すのが当たり前」という考えが、みえみえだからアタマにくる。
彼らは、なぜ適正料金を掲げないのだろうか。
ちなみに、インドのような国では、長く滞在して、住民との情がわいてくると、様々なサービスが適正価格で手に入るとも言われる。
だから、どんな状況下でも値段がFIXされた社会こそ、実は人情味がない、という意見もあったりする。
でも、人情味うんぬんはとりあえずおいて、弾丸旅行者はわずかな日数で、その土地を去らなくてはならないんです。
自衛手段は、「現地の人と深く関わりすぎないこと」と、私は結論付けてますがいかがでしょうか。