先日、コロナ騒ぎがおさまったら、真っ先に行きたい国として、香港を挙げました。
それが、いかに浅はかな考えであったかが、証明されてしまいました。
2020年5月28日ロイターより
「香港国家安全法」とは、端的にいえば、香港での反中国共産党などの異端分子を押さえ込む法律。
なんと、全人代、すなわち中国の国会が5月22日に開かれて、わずか7日で採択されました。
そして、賛成2878、反対1、棄権6という、ものすごさ。
独裁政権の破壊力といわざるを得ません。
ほんの1週間前に、コロナがおさまったら行きたいなんて記事を書いたばかりなんですけどね。
しかも、2018年末の時点で、中国共産党員の数は9,000万人以上。
1億人を超えるのも時間の問題でしょう。
日本の人口に匹敵する人員が、中国共産党員。
この先、地球はどうなっていくのか。
どうしても、ネガティヴな未来を想像してしまいます。
6月4日の「天安門事件」追悼集会はどうなるか?
6月4日といえば、1989年に「天安門事件」が起きた日。
香港では、毎年この日に追悼集会が行われています。
昨年、2019年の6月4日は、過去最高の37,000人が集会したと報道されました。
そして、その5日後の6月9日に、香港市民50万人以上が集まる大規模デモが起きています。
ということは6月9日は、香港の大規模デモ1周年。
今回の「香港国家安全法」が、採択と同時に発効なら、デモ参加者は、反乱分子として押さえ込まれてしまいます。
ちょっと、私的には、どうなるのかドキドキです。
というか、自分の無力さを再認識しました。
香港経済にも大きく影響する?
「香港国家安全法」が発表された5月22日、香港ハンセン指数は、窓を開けて大暴落しています。
香港は、世界に名だたる国際金融市場です。
「香港国家安全法」は、文字通り香港の自由をなくす、公平な資本主義社会の金融市場ではなくなるとマーケットがみている証ともいえます。
さらに、こんな記事もみつけました。
2020年5月28日ロイターより
なんか、恐ろしいことが書いてありますよ。
香港が中国本土と一体とみなされるなら、貿易や旅行に関してアメリカが与えてきた特別待遇が打ち切られる可能性があるそうです。
それだけでなく、香港はいままで、トランプ政権が中国に対して発動した関税の適用も受けていない。
それらが、すべて逆回転するなら、香港市場の暴落もわかる気がします。
今後の株式市場の動向については、日本も含めて要注目ですね。
中国とアメリカの関係はどうなる?
2019年11月に、トランプ大統領が署名しアメリカ政府で制定された法律。
それが、「香港人権民主主義法」です。
トランプさんの言動には賛否はあろうかと思いますが、こと行動力だけとれば、歴代のどの大統領よりもすばやい。
これは、香港の自治を保証する「一国二制度」が守られているかどうか、米国務省に毎年の検証を義務付け、香港での人権侵害に関与した政府関係者らに制裁を科す、という法律です。
当然、中国側は猛反発しました。
アメリカが、どこまで本気で香港側に立つ気でいるのか、これからの両国の動向には目が離せません。
一国二制度としての時間は、あと27年も残っているのに・・
いうまでもなく、香港は、1997年まではイギリスの領土でした。
そして、1997年7月1日にイギリスから中国に変換。
「一国二制度」の維持を約束した「香港特別行政区基本法」。
これの期限は2047年までの50年間だったのです。
今年は2020年。まだ27年間も残っています。
当然これは、国際社会を敵に回す行為ですが、膨大な人口と、資金力、軍事力までも手に入れた中国共産党は、そんなこと微塵にも感じていないでしょう。
私は、一人の旅人ですが、私の思想は、基本的に政教分離。
すなわち、国家がどのようなことを考えていようが、その国の文化や大地の美しさには敬意を払い、地域住民の生活スタイルなどを一旅人として感じたい、という人間です。
だから、中国は好きな国なんです。
繰り返しますが、現在の横暴さは別として、この国ほど歴史観あふれかつ雄大な国はない。
なので、今回の香港問題然り、新疆ウイグル問題然り、尖閣諸島問題然り、個人的に暗澹たる思いです。
しかし、今回の件で、もっとも衝撃を受けているのは、香港市民であることは間違いありません。
口に出せば出すほど、自分の無力感を感じてしまいますが、香港市民の方々、くれぐれも身の安全は最優先して欲しい。
デモが拡大し、これ以上、犠牲者がでないことを、安全な場所から祈らさせていただきます。
※香港の街の様子を旅行記にしています。よろしければご覧ください。