エアポートレイルリンクの車窓にビルが並びはじめ、バンコクの中心部に近づいている感じがする頃、列車は「マッカサン」駅に到着。
乗り換えです。
「マッカサン」駅からMRTで「サナームチャイ」駅へ
朝7時を過ぎて、夜明けの遅いバンコクの町にも日が差してきました。
マッカサン駅の空港鉄道とMRTの間は、けっこう離れています。
その間を結んでいるスカイウオーク。
立ち止まって、バンコクの朝の交通の流れを眺めます。
羽田深夜便でバンコクに着き、早朝のメトロから眺める風景。
夜行バスで異国に来てしまったかのような、身体の中の時計と距離感がうまくかみあわない、このなんともいえない違和感が好きだ。
さて、お次は「サナームチャイ」駅へ。えーと、10個目ね。
その間、6年前に泊まった「シーロム通り」を通るのか・・なるほど、どこか道がつながる感触。
しかし、もう7時20分過ぎ。さすがに「メークロン市場」に向かう朝の列車には間に合わないだろうな・・・S1バスでダイレクトに「カオサン通り」に行けてたら違ってたかも。
まあ、いいです・・・12/31タイの大みそかのMRT。
みんなマスクしてる。着用率100%。これはこれで違和感・・(^^)
サナームチャイ駅に到着です。
実はこの駅は、2019年の延伸された際に造られたMRTブルーラインの延伸区間。
駅も出来立てほやほやという感じで、とても綺麗です。
バックパッカーの聖地で有名な「カオサン通り」の最寄り駅がここ。
最寄りとはいっても、ここから30分程度歩きます。
逆に言えば、今までより、「カオサン通り」へのアクセスは格段に良くなったと解釈すべきなのかな。
サナームチャイ通りは「ワットポー」通りだった
さて、地下鉄駅から地上にあがったときの、方向感覚を整理する万国共通の儀式を終えて、北に伸びる「サナームチャイ通り」に向かって歩き出そうとしました。
ところが・・・ん! なんか見覚えがある!
なんだ、これは!
ワットポーじゃないですか!
仏教国タイを代表する「ねはん寺」。
6年前に、はじめてタイに来た時、真っ先に訪れたお寺。↓これです
6年前のワットポーやワットプラケオの記事はこちらになります。
そうだったのか・・
この新しくできたMRT駅の「サナームチャイ」は、ワットポーやワットプラケオを訪れる際の最寄り駅として機能してたんだ。
ていうことは、この2つの寺院は「カオサン通り」にも近かったんだ。
いろんなことがつながり、楽しくなります。
とにかく、この「サナームチャイ通り」を北に歩いていけば「カオサン通り」にたどり着けます。
トゥクトゥクが通り過ぎ、タイにいる実感がさらに増します。
いやあ、嬉しくなってくるね、少しづつ昔を思い出していくこの感覚。
これは、まさにタイを歩いている感触です。
6年前に訪れたときは、ラーマ9世 プミポン国王が死去された直後。
喪中のさなかの観光でした。
私は、そんななか、派手な赤いシャツを着て歩き回る、なんというTPOのなさ・・・
そんな、恥ずかしい記憶もよみがえります。
夜が明けた直後のバンコク。まだ気温20度くらいでさわやかです。
つづいて現れる王宮「ワットプラケオ」。
その向かいにある「サランロッム宮殿」。
そして、タイ王国の国防省。
写真撮っても大丈夫だよねw
西洋の植民地化を退けたことと、西洋化した建物は無関係ではないでしょう。
やっぱり尊敬されているんですね、ラーマ9世。
そして、現国王のラーマ10世。タイ人のご家族が記念撮影。こちらも尊敬されているようです。
それにしても、70歳とは思えない、顔色の良さ。
しばらく、ワットプラケオの交差点で、人の行き来を眺めていたら8時を回りました。
まあ、のんびり行こうや・・という気分になります。
入国4時間以内にタクシーでボラれた話
さて、「カオサン通り」にやってきました。
まあ、この「カオサン通り」は、旅好きな方なら知らない人はいないというくらい有名なバックパッカーの聖地。
私も、足を踏み入れるのははじめて。
今回、3年ぶりの海外旅にあたり、「では、いっちょ、カオサンにでも泊まってみるか!」と考えた単純な動機です。
「カオサン」界隈の様子やホテルについては後日述べますが、とりあえず、本日の目的が「メークロン市場」なので、「ウォンウィエン・ヤイ」(Wongwian Yai)駅に行く必要があります。
ベストシナリオだった8:35発の列車には、もう間に合わないので、急ぐ必要もないんですが、「カオサン通り」の突き当りには、タクシーがいっぱい並んでます。
ちょっと迷いましたが、3年ぶりの海外旅(2週間前にソウルには行ってますが・・)のリハビリを兼ねて、タクシーに乗ってみようと思いました。
なぜ、ここまで意を決する必要があるのかというと、文字通り、バンコクのタクシーにはボッタくりが多いからです。
バンコクのタクシーは、大別すると、緑と黄色のツートンの個人タクシーと、ピンク色の会社タクシー。おおざっぱにそんな感じです。
ていうか、タクシーは、バンコクに限らずあまり利用しないので、よくわからない(^^)
会社タクシーで、メーターで行けば、トラブルことはないだろうと、ちょうど乗車待ちしていたピンク色のタクシーを選びました。
会社タクシーだけあって、車内もきれい。
「ウォンウィエン・ヤイ」駅と言っても発音が悪くて通じなく、グーグルマップを見せてスタート。
メーターで走り出したところまではよかったんですが・・・
ところが、なんと、この運転手のおやじ・・・途中で、メーターを止め、「100バーツね!」と後ろを振り返って、私に向かって拝むじゃないですか!
マジかよ・・嫌な予感って、当たるんだよなあ・・
6年前にバンコクを訪れたとき、バンコク市内で初めて乗ったのが、チャオプラヤ川の乗り合いボート。
このときも、相場の3倍にもなる100バーツをボラれた思い出がある。
私は、バンコクとは、入国4時間以内に100バーツぼられる運命にあるのだろうか。
タークシン王の像の前でタクシーを降りる
とりあえず、「ウォンウィエン・ヤイ」駅に近いロータリーでタクシーを止めてもらいます。
ロータリーの中心には、タイ人が尊敬する「タークシン王」の像が。
そんな像をバックに、「100バーツ」と拝んでゆずらないタクシー運転手・・・
ほんとに、マジかよ、って感じのシチュエーション。
メーターで走り出して、途中で止めるかふつう・・
この拝み方・・まるで物乞いだ・・
ドアはロックされている、内側からはたぶん解除できないだろう・・
ダッシュボードには、社員証が掲げてある。それをタテに争うべきか・・
と、いろいろ考えたけど、妥協しました。100バーツ。400円・・
弾丸旅行者は、トラブルを抱え込むべきではない。
距離からいって、本来なら50バーツくらい。
だから、ボラれたのは200円だけ。
この顔色の悪いタイ人に恵んであげたことにしました。
いやあ、しかし、海外はすさまじい。
3年ぶりの異国の旅。やっぱりリハビリは必要だった。
むしろ、久しぶりの洗礼を受けて、感性が過去に戻っていく快感を感じずにはいられない。
私はマゾか、まったく(^^)
タクシーを降りて、路肩の花に水を撒く散水車の様子を眺める私に、ふたたび声をかけてくる運転手。
「ネクスト! ウエア、ゴー!」
って、アホかww
あまりの厚かましさに、逆に笑ってしまいました(^^)
ボッタくった直後に、同じ人間からふたたび巻き上げようとは。
私は、そんなにお人好しな顔してるのかな。
それで思い出した。
私が外国を歩くときに、常時身につけていたレイバンのサングラス。
3年ぶりにかけました。
マスクすると曇るし、日本でマスクにサングラスだと完全に銀行強盗なので、ずっとしまい込んでたんだよね。
サングラスしたくらいで、物乞いが近づいてこないなんて保証はないですが、気分の問題です(^^)
厚かましくも哀れみがかった運転手が去った後、あらためてロータリーの中心にたつ像を眺めます。
タークシン王。
アユタヤ朝が滅亡した後,ビルマ軍を撃退してタイの独立を回復した,タイにおいても尊敬されている18世紀のタイ国王。
刀を振り上げた姿が、とても凛々しい。
さて、旅は続きます。