メディナ郊外の観光&循環観光バスからの風景【サウジアラビア旅行記 #15】

大音量でアザーンが流れる中、私は「循環観光バス」のチケット売り場に足を運びました。

実際にお祈りがはじまって、いつ窓口が閉まってしまうかわからないので、実は午後の営業開始16時の30分ほど前から待機です。

場所はここ。「預言者のモスク」からもヒルトンホテルからもすぐです。

メディナの「Citysightseeing Al Madinah HOP-ON bus」とは

運営がどうなってるのか知らないんだけど、いわゆる「はとバス」。

世界中のあらゆる観光地で運行していて、名所を循環して回ってくれ乗り降りも自由。

だいたい1時間おきぐらいに運転されているという、私のような弾丸旅行者には重宝するバス。

いろんな街で利用したことがありますが、メディナにもあったというわけです。

こんな具合に、メディナを訪れるなら外せなさそうな場所を回ってくれます。

料金は80リアル(約3,150円)。

マップとレシートをくれますが、このQRコードの入ったレシートはずっと持ってないとダメ。

再乗車できなくなります。そして24時間有効。

3,150円を高いと思うかどうかだけど、たとえば「預言者のモスク」から「ウフドの戦い」のあった「Uhud Battlefield」までは、直線距離でも5km。

メディナ郊外は、歩いて観光できる距離ではありません。

タクシーやUberで回ったら、数回の乗り換えで、軽く1万円を超えるでしょう。

だから、メディナ観光のもっとも効率のいい足、と言えると思います。

Citysightseeingバス 出発

さて、バスがやってきました。

最前列を確保。そして、身体を包み込んでくれる冷気・・・これがたまらん^ ^

なにしろ、外は43度ですから。

車内はこんな感じです。

後方にオープントップスペースがあるようだけど、この日差しでは誰も行きませんねw

では、最前列&高さ3mの特等席から、メディナの街の様子を楽しみましょう。

まず、ヒルトンホテルの裏を出発。

お祈りが終わって、モスクから出てこられるみなさん。

それにしても、モスク周辺は、日本が羨ましくなるような建設ラッシュ。

ホテルを作ってるんだろうね。

すごいな、サウジアラビア政府の観光にかける意気込み。

走り出すと、なぜかバスはバイパスへ。

最初は、まっすぐ「Uhud Battlefield」に向かうものと思ってたけど・・・

この循環バスにも「レッドライン」と「グリーンライン」の2種類あるので、乗り間違えたかな?

ま、乗り間違えたのならそれもよし。景色を楽しみましょう。

メディナにも空港があるんだよね。

そんな気づきも、郊外ドライブのいいところ。

夜走ったら、どんな感じになるんだろうね。

「預言者のモスク」周辺は、煌びやかなホテルに囲まれてましたが、少し離れると、ふつうの住民が居住するエリアに。

映画「アラビアのロレンス」が描いた今から100年ほど前のメディナは、どんな感じだったんだろう。

そんなことを考えてると、バスはバイパスを降りて、ふたたび「預言者のモスク」の方角へ。

どこをどう走っているのかわからなくなったw

2階席から眺めると、やっぱり巡礼者の姿は迫力そのものだ。

夕方のお祈りを終えて、ホテルにでも戻るのでしょうか。

これが、ムスリムの方の標準の行動。

メッカの姿も見てみたいな。

ここは、マップ上のNo.2ポイント「アルバキー」という墓地の入り口でした。

今回、この墓地はどこが入り口だかわからず入れなかったんだけど(修復中?)、ムハンマドの家族や友人たちの墓地が集められた場所らしい。

そしてNo.3ポイントに。

私がもらったマップだと、「3」はグリーンラインなんだけど、レッドラインも通るみたい。

「3」を出ると、今度こそバスは一気に郊外を目指しはじめました。

そして、「5」ポイントとなるウフド・バトルフィールドが見えてきました。

ウフドの戦いのあった「Uhod Battlefield」を歩いてみる

さて、メディナ郊外観光の最初のスポット「ウフド・バトルフィールド」です。

バトルフィールドなんて、ゲームの世界に出てきそうなワードですが、ここはイスラム教にとって、とても神聖な場所。

すなわち、イスラム創成期において、ムハンマドひきいるメディナとメッカの戦いがあった場所。

岩山を背景に、白いモスクが映えます。

この小高い丘は「アーチャーズヒル」。

メッカとの戦いの際、ムハンマドはこの丘の上で50人の射手に守備隊を命じたものの、命令に従わないものがおり、結果的にメッカに敗れた。

それゆえ、ムハンマドの指示は絶対的なものだという象徴として、「アーチャーズヒル」は崇められています。

 

その「アーチャーズヒル」に登ってみました。

この丘は、さして高い丘ではないですが、「登山道がない」ので登るのが大変。

一歩間違えたらケガしますが、女性も子供も一生懸命登っています。

あの左側に見える柵の中は墓地。

ウフドの戦いで亡くなった殉教者の遺体が納められているとのこと。

とにかく神聖な場所です。

振り返ればメディナの街が。5kmしか離れてないので、預言者のモスクのミナレットも見えます。

さて、次のバスを逃すと、さらに30分待たねばならないので、この神聖なバトルフィールドでの滞在時間も30分。

「アーチャーズヒル」に敬礼して、バトルフィールドにお別れです。

循環バスのバス停に戻ってきました。

サラっと言ってますが、汗びっしょりです。暑すぎる・・・

循環バスから眺めるメディナ郊外の遺跡

ところで、よく計算しておかなかったんですが、現在すでに17時。

ジェッダに帰る新幹線は21時発。

駅に向かうために20時に出ることを考えると、けっこう際どい時間に差し掛かっています。

夜のライトアップされた「預言者のモスク」もみたいし。

なので、あとのチェックポイントは、バスの車窓から眺めることで割愛することにしました。

もう少しゆっくり時間を取れればよかったんですが、16時までチケットを買えなかったのがいたかった。

しかし、暑さで身体もバテてます。無理せず、このくらいがちょうどいいのかもw

バスの先頭は、どうも冷房の効きが弱いので、クーラー直下の席をチョイス(^ ^)

こちらは、「9」ポイントのセブンモスク。

メディナの北の入り口であり、627年のカンダックの戦いのあった場所。

アラブの多神教軍に対して、イスラム側が防空壕を掘ってムハンマド自信も勝利を祈願した、まさにイスラム創世記の砦です。

この砦から、なぜかたったひとりでバスに乗ってきた少年。

そして「10」ポイントの「クバーモスク」。

ここは、メディナで最初に作られたモスク。

預言者のモスクに対し大きさは比べるまでもないですが、上空から見ると、ミナレットがきれいに四隅に配置され、ライトアップされても美しいモスク。

ここで、バスは時間調整のため20分ほど停車。

モスクには非ムスリムは入れないだろうから、周辺を散歩。

ベンチに腰掛けて、メディナの人々の夕方の表情を眺めて過ごしました。

思ったのは、けっこう歩きタバコしてる人多いのに、路上にはゴミひとつ落ちてないw

18時近くなって、メディナの街は渋滞に。

不思議な世界だな。

地球上の宗教の聖地でもあり、ふつうにクルマが走る都市でもあり、世界中のムスリムが集まる観光地でもある。

夜のお祈りに備えて、人々が移動しはじめている姿。

スタート地点に戻ってきました。

とんでもない駆け足だったけど、メディナの郊外の遺跡や聖地をかいま見れて満足。

買ったチケット、メディナで1泊すれば、明日の午前中も使えたんだよね・・・

と、それは仕方ない。

ふたたびアザーンが鳴り響いています。

夕暮れの「預言者のモスク」を拝見しましょう。

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