前に、旅人として「直行便」に旅愁を感じると書いた。
弾丸旅若造のころは、むしろハブ空港でトランジットする旅こそ楽しいと感じたものだが、それだけ歳をとったということだろうか^ ^
もちろん、巨大ハブ空港で迷子になるのを楽しみながら乗り換えるフライトも楽しい。
歳をとっても、精神年齢はまだ子供で、それも嬉しい。
ところで、日本国と交流はあるも、さほどメジャーではない国への直行便。
という定義も難しいが、最近の私の旅ではバングラデシュのダッカがそれにあたる。
直行便に特に旅愁を覚えるのは、日本にいながら「ダッカ」という旅人しか関心を寄せなさそうな字面に接しられるのに加え、なにより客層が興味深い。
両国の間に、どれほどの経済交流や観光客の往来があるのか知らないけど、アジアで言えばシンガポールやマレーシア、タイなどと比べて著しく少ないのは明らか。
そんな国への直行便での旅は、旅行前から機内の想像すらつかない。
メジャー路線では味わえない希少なエクスタシーやハプニングを、どうしても期待してしまう。
12万円台だったネパール航空「成田⇔カトマンズ」のチケット
さて、2023年の年末年始は5連休。
例によって、プライスが高止まりしているフライトを物色していたら、ネパール航空の成田 ⇔ カトマンズの直行便が目にとまった。
しかも、値段は12万円台とまあまあ。
直行便の誘惑にもかられて、その勢いでポチってしまった。
航空会社 | 便名 | フライト | |
---|---|---|---|
往き(12/30土) | ネパール航空 | RA434 | 成田11:00 ⇒ カトマンズ16:25 |
帰り(1/2月) | ネパール航空 | RA433 | カトマンズ23:25 ⇒ 成田9:00 |
週3便運航しているらしく、成田からは月・水・土。
帰りはわからないけど、ダイヤからして、そのまま折り返すようにも見える。
日本人の私からしたら、成田(あるいは羽田でもいいが)は夜飛んでくれれば、向こうでの滞在時間は1日増える。
でも、ネパール航空は、文字通りネパールの航空会社。
ネパール国民が利用するシーンを想像して、逆側からフライトスケジュールを眺めると、とても使いやすそうだ。
ところで、ネパール航空は、ネパール国の国営キャリア。
どこのアライアンスにも加盟しておらず、マイルが貯まらないのは残念だが、就航国はインドやタイなど7か国。
そのなかに日本があるというのは、ネパールと日本の交流の深さを示しているのだろうか。
ちょっと調べてみると、ネパールの人口は約3000万人。
そのうち、約600万人が出稼ぎで海外に赴任しているというから驚きだ。
日本在留はそのうち約15万人で、この数字はここ数年で急増しているらしい。
私の日本での生活圏ではネパール人はなかなか見かけない。
しかし、留学生に加え、飲食店や介護事業などへの就労で、日本のいびつな人口構成を補う担い手となっているのかもしれない。
ネパールへの旅立ち前夜の思い
ネパール航空といえば、2023年1月、つまり1年前にネパールの観光地ポカラへの着陸の際墜落するという不幸な事故に見舞われている。
そんな飛行機に乗るのか、という向きもあろうが、私はそういう不測のことについてはあまり深く考えない。
考えたところで事故は起きるときには起こるものだし、航空機事故なんて天変地異に巻き込まれるようなものだ。
それよりも、成田からの飛行ルートが楽しみである。
ヒマラヤ山脈を越える飛行ルートにはならないだろうが、窓からヒマラヤの雪壁など拝めることにはならないだろうか。
というわけで、当然のことながら、今回のリザーブもまた窓際一択だ。
2023年、つまり海外渡航再開の年の最後の渡航国はネパールになった。
ネパールは、もちろん行ったことがなく初めての国。
だから本や映像を通じてしかネパールを体感したことはないが、やはり沢木耕太郎氏の「深夜特急」や蔵前仁一氏の「旅で眠りたい」などからの感化が強い。
ネパールに特に強い思い入れがあるわけでもないが、いずれ行くときは、チベットからヒマラヤを越えて・・・なんて想像はあった。
が、そんなことに意地を張っていると、勤め人である間はどこにも行けなくなってしまう。
時がたつのは早い。
日本国の水際措置が緩和され、顔をほてらせて海外渡航を再開したのが 2022年の12月。
もうあれから1年だ。
13か月連続で日本を出国するのも初めての体験。
総武横須賀線快速グリーン車の中で、この1年の旅を回想しながらの旅立ちとなった。
バングラデシュに続いて直行便の旅立ちに、さらに胸がときめく。