京都・大原は「三千院」だけではありません。
正式名称を『魚山 大原寺 実光院』とする「実光院」(じっこういん)もそのひとつで、魚山 勝林院(ぎょざん しょうりんいん)を本堂に頂く僧坊です。
客殿から眺める、池泉鑑賞式の「契心園」が見どころになっています。
「三千院」をあとにした私は、散り紅葉が舞い落ちる遊歩道を、「実光院」に向かいました。
散り紅葉鮮やかな「三千院」~「実光院」
紅葉のトンネルのようです。秋の京都は芸術だなあ・・
舞い落ちた紅葉をさばくのも、腕のみせどころなんでしょう。
ほんとに、映画のセットでも見ている気分です。
賑わう秋の大原においてひっそりと佇む「実光院」
この参道の奥には、額縁庭園で有名な「宝泉院」があるので、観光客はみんなそっちに行ってしまうのでしょう。
私もあとで行くつもりですが、「実光院」は穴場ですね。ひっそりとしています。
見事に誰もいません。これは、名園を独占できるかな。
この客殿の雰囲気いいですね。
客殿から臨む座観式庭園「契心園」。
「契心園」は、普賢院の庭園として江戸時代後期に作庭されました。
人もなく、とても落ち着いた雰囲気です。
この右手に広がる庭園は、回遊式庭園の「旧理覚院庭園」。
「実光院」は、2つの庭園を持っているのです。
石垣や築山のバランスが、絶妙なコントラストを形どる美しい庭園です。
でも、私は、客殿の中央に腰かけて、両辺の景観を独り占めにした、この写角がとても好きです。
2つの庭園を同時に眺めます。
秋の京都で、こんな贅沢な「切り取り」に出会えるとは思いませんでした。
しばらく、時間を忘れて、景観を楽しみます。
回遊式庭園「旧理覚院庭園」を歩く
さて、回遊式庭園の「旧理覚院庭園」のほうは、庭園を歩くことができます。
サンダルを借りて、庭に出ます。
様々な季節の木々を観賞できる回遊式庭園「旧理覚院庭園」。
桜の季節も見事だそうです。
今の季節は、散り紅葉が絨毯のような見事な演出です。
こんな見事な庭園を独り占めできるなんて不思議。「三千院」はあんなに賑わっていたのに。
実光院がこの地に移転した際には荒廃していた庭園。
それ以降、ご住職が整備・作庭し現在の庭園となりました。
「三千院」の客殿よりも、秋の京都を感じられた「実光院」。
孤独にふけりたいのなら、おススメな寺院です。