京都御所の南を横切る丸太町通。
そして、同じく御所から西へ延びる一条通。
その2つの通りの間隔は約600m。
そこに大きく広がる境内を持つのが妙心寺です。
面積は約10万坪。東京ドーム7個分といえば、イメージがわくでしょうか。
その広大な敷地の中には46もの塔頭があり、もし時間をかけて訪れていくならば、丸一日の行程となりますが、現在11:30。
本日の午後は、大阪を観光するつもりなので、今回は、ただいま特別公開中の「大法院」と、庭園美で知られる「退蔵院」をのぞいていこうと思います。
場所的には、「龍安寺」や「仁和寺」を歩いた後、京都駅に戻りたい方はJR山陰本線の花園駅に出るのが一つの方法ですが、そのルート上にあるのが妙心寺です。
妙心寺の境内を歩き塔頭の門に触れる
龍安寺のバス停から、等持院を経由して南下してきた私は、妙心寺の北門から境内に入ります。
おめあては、11月のみ特別公開の「大法院」ですが、せっかく妙心寺に来たのですから、その数多い塔頭の門を眺めながら散歩しましょう。
入った瞬間、広さを感じる妙心寺。
次々と、重要文化財の塔頭が現れます。
民家を兼ねてる場合も多いようです。
妙心寺の拝観コースには、1時間コースから半日コースまであるという広さ。
ほんと、グーグルマップみてないと、迷子になります。
11月のみ特別公開の妙心寺・大法院
妙心寺の境内において、南北ではほぼ中間、東西では西寄りに位置するのが特別公開の「大法院」。
大法院は、真田信之、つまり真田幸村のお兄さんの菩提寺です。
紅葉が訪れたばかりで、ほかに拝観者がいない境内。
へえ、私は相撲のことは知りませんが、「千代の富士」の名前は知っています。
歴代3位の31回の優勝実績を誇る横綱ですね。
「千代の富士」は、この妙心寺で毎年秋に開催されている「もみじの会」に参加していたということで、石碑が供えられたそうです。
お寺の中は、残念なことに撮影禁止。
でも、陽のあたる縁側に座ると、抹茶と和菓子をごちそうしてくれました。拝観料800円に含まれているらしい。
それにしても、この組み合わせは、芸術的味覚。和食に続く、無形文化遺産に申請してみたらと思う。
私の目の前には、こんな感じの庭園が広がってました。
静かだった「大法院」を後にします。
紅葉が池泉回遊式庭園に映える「退蔵院」
さて、お次は「退蔵院」。
妙心寺においても、46ある塔頭のなかで600年以上前の1404年に建立された古刹。
日本最古の水墨画であり国宝にも指定されている「瓢鮎図(ひょうねんず)」が有名らしいですが、時は秋、やはり紅葉を映す庭園美を鑑賞したいと思います。
中庭を歩いていくと、まず方丈が目に入ります。
あれが「瓢鮎図」なのかな。国宝なのに、太陽光にさらしちゃって大丈夫なのかな。
それとも摸本?
その方丈にあがってみます。
大法院と違って、こちらは撮影可。
宮本武蔵がここに住み、修行に励んだ時代もあったそう。
応仁の乱のあと、1597年に再建された歴史ある方丈です。
では、「余香苑(よこうえん)」に向かいましょう。
余香苑の入り口にある「陰陽の庭」。
こちらは陽の庭。
そして、こちらが陰の庭。物事の二面性を表していると伝えられますが、本日のこの時間、「陰の庭」のほうが日があたってますね(^^)
あずまやという休憩所。
そして余香苑です。
11月12日では、紅葉はこの程度。もう一周遅ければ、池の左辺も色づいたことでしょう。
造園家の中根金作氏による設計。昭和40年に完成した余香苑です。
10分ほど鑑賞して出口へ。
2つの庭園の鑑賞に要した時間より、境内を散策する時間のほうが長かった妙心寺。
ほんとに広い境内です。今度じっくり塔頭をひとつひとつめぐってみますか。
では妙心寺にさようなら。