青く細い路地が入り組む街を見下ろす、岩山の頂に張り付くように築かれたメヘラーンガル砦。
ジョードプルをたずねた旅人で、ここを訪れない者はさすがにいないだろう。
宿の兄さんの話では、早朝が狙い目というので、朝9時の開場に合わせて部屋を出た。
ブルーシティ旧市街の宿からは、上り坂を徒歩5分ほどでアプローチできる距離にある。

見上げ続けて首が痛くなるメヘラーンガル城塞

実は、このアプローチ方法は、まったく正反対らしい。
つまり、私はメヘラーンガル砦の裏庭から入ったわけだけど、たった一人だけ警備員がいて、ふつうに通してくれたから、大丈夫みたい。
ちょっと心配だったけど、歩くにつれ、観光客が歩いてるのが目に入ったので安心。
なにしろ、おとといはジャイプールでアンベール城に入らず引き返すという笑うに笑えない大失態をしでかしてるので、さすがに慎重になる。

敵をはね除けるためのトゲトゲらしいけど、どうやって使ったんだろ?

さて、登るにつれ、城壁が迫ってきて、要塞の雰囲気が出てきました。

すごいね、こんなに長々と続く城壁なんて、万里の長城をのぞけば見たことない。

そして、とにかく大きくてデカい。同じこと言ってる^ ^

ここはまだ砦の中ではないのに、外見に圧倒されて足踏み状態。
なんせ、この高さだからね。

こんな巨大な城に挑む者は勇敢者か、無謀者か。
爆薬もなかった時代に、どんな戦法を取ったのか。
上ばかり見上げてるので、首が痛くなる。ほんとに。

あのオーバーハング気味にせり出してる回廊はどうやって造り上げたんだろう?

当たり前だけど、クレーンも滑車も何もない時代の建造物。

それなのに、すさまじく精巧なモザイク。
おや、上の回廊からこちらを見下ろしている。

では、そろそろ、あの見下ろされていた砦の中に入ろうか。

ターザンでもできるみたい、気持よさそう。

そのターザン乗り場?から見下ろすブルーシティでした。

日本語音声ガイダンスで城塞見学開始

さて、城塞のわきを通って、チケットエントランスへ。
入場料は800ルピー(1,360円)は外国人料金。
そしてGoogleマップにも出ていた音声ガイダンスを借りようとしたら、デポジットが1,000ルピー。

「出口もここなのか? ここで返却するのか?」と聞くと、砦の向こうに返却ポイントがあって、そこで翻訳ヘッドホンを返すと、1,000ルピーが返ってくる仕組みらしい。

では、ヘッドホンを耳につけて見学開始・・・
と行くはずだったのに、いきなりこんな絶景を見せられては足も鈍る。

これは、さっき私が登ってきた坂道とは反対側から砦を見ている。
つまり、昨日歩いたクロックタワーから見える側。
ラジャスターンの青い空が美しすぎる。

なんか、向こう側にも城壁がある。

朝の澄んだ空気に、かるく朝靄のかかる幻想的なジョードプルの街でした。

ところで、このメヘラーンガル砦は、15世紀、ラトール朝の創始者ラオ・ジョーダーによって築かれたもの。

厚さ数十メートルともいわれる城壁は、外敵の侵入を拒むだけでなく、威圧感たっぷり。
砂漠の王国の誇りそのものにみえる。

では、門をくぐって中に入りましょう。

このあたりから、音声ガイダンス開始。

この手形は「地球の歩き方」によると、マハラジャのマーン・スィンが死んだときに殉死した妻たちを表しているらしい。

そういうことを、チェックポイントごとの番号を押すと、音声でていねいに教えてくれる。
日本語ガイダンスは本当にありがたい。
英語だとだぶん理解力は半分以下だけど、日本語なら8割程度までは上がる(^ ^)

幾度もの戦火にも耐えながら、マールワール王国の中枢として機能してきた砦の内部。

ガイダンスによると、メヘラーンガル砦は、ムガル帝国からイギリスの支配へと移り変わっていっても、ジョードプルは藩王国として一定の自治を保っていた、とのこと。

そして時代とともに、単なる軍事拠点から王族の居城へとその役割を変えていきました。

たしかに、城塞というより、王宮としたほうがしっくりくる装飾です。

内部には、王宮らしく、マハラジャゆかりの展示品が並んでました。

意外と小さいな・・・

巨体の王様だったら、運ばれてるうちバランス崩して倒れそう^ ^

これは珍しい形。

なるほど、こんなふうに運んだんですね。

急に華やかになったと思ったら、ここは王妃の部屋かな。

そんな感じでした。

日本語ガイダンスは、かなり詳しく解説してくれて、聞いていてとても面白い。

ここは「タハット・マハル」と呼ばれる装飾された宮殿。
人気スポットで、向こうの2人、なかなかどいてくれなかったw

タハット・スィン王には、30人の王妃がいたとのこと。

30人もいたら、誰が誰だかわからなくなるよな、ふつう^ ^

それにしても、見事な装飾でした。

メヘラーンガル砦からジョードプルの街を見下ろす世界

メヘラーンガル砦は、城の中に入ってからも立体的。
螺旋階段をどんどん上がります。
けっこうな高低差になるけど、エレベータも併設されてました。
そして、視界が広がります。

ここは、さっきのタハット・マハルの上階あたりかな。

テラス的な回廊。

まだ気温もそんなには高くないので、吹き抜ける風がほんとに気持いい。

王様からしたら、天下を取ったような気分になる、そんな下界の光景です。
インドの歴史をあらためて学び直したい、そんな気持ちになります。

ふたたび展示室。武器庫かな。

切られたら痛そう・・・刃物恐怖症の私です。

城の反対側の風景。つまり、私がアプローチした側。

あの中に、泊まってる「シンビハベリ」があるはず。

こうしてみると、ラジャスターンは砂漠の国だな、と思うし、ブルーシティの箱庭とよく溶け合っている。
方角的には、このさらに向こうに行けばジャイサルメールに到達するはずだけど、今回は日程が足りなく割愛。

登ってくる時に見上げた回廊から、今度は見下ろす。
とんでもなく高くて気持いい。
と思ったら、さすが日照時間の長いラジャスターン、太陽光パネルがいっぱい。

こちらはゆりかごの間。

豪華なのはわかるけど、ゆりかごだからうたた寝するでしょ。
尖ったとこが多すぎて、快適に眠れたのか心配してしまう。

見学ルートも最終コース。

ステンドグラスが鮮やかな「モーティー・マハル(真珠の宮殿)」で城内の見学終了です。

日本語ガイダンス聞きながらゆっくり歩いたので、見学時間は2時間半。

なんとなく達成感にふけってると、またモデルになってくれとの嬉しい申し出。
インドの皆さんは、そんなに日本人が好きなのかしら。ありがたいことです。

太陽もすっかりてっぺんに。
涼しくて、柔らかい光の朝から見学して大正解でした。

そして、ヘッドホンを返してデポジットの1,000ルピーを受け取ります。

もうすでに日向では立ってられないほどの暑さに。

カフェにいったん避難。
今回のインド旅。インド観(私のだけど)が変わることばっかりだけど、メヘラーンガル砦もまた、インド観がアップデートされる要塞でした。
