さて、ほんとに慌しいインド紀行。
苦労して入国したデリーを、あっという間に後にし、バラナシへ向かいます。
私をバラナシまで運んでくれる、エアインディア。
デリー空港でバラナシに着いてからのことで悩む・・
デリーのインディラー・ガーンディー国際空港は、とても清潔で、設備も行き届いています。
が、今回は、ゲートまで直行。時間がありません。
バラナシ行きの文字を確認して一安心。
一安心すると、バラナシに着いてからのことが心配になりました。
つまり、空港から、ホテルまでの足。
そんなもん、タクシーで行きゃいいだろ、と思うのですが、タクシーでは、ホテルの前までは行くことができません。
今夜、予約してあるホテルは、ガンガー沿いの「SITA ゲストハウス」。
文字通り、ガンジス川沿いなので、バラナシの旧市街の真っ只中。クルマで入れない場所にあります。
そんなところに、夜遅く着いて、ホテルまで無事にたどりつけるだろうか・・・
考えてみれば、ホテルに送迎をお願いすればいい、と思い直して、メールを入れるんですが、届いてはいるんだろうけど返信が来ず・・・
ホテルからの返信は来ないまま、飛行機に乗り込みます。
あ~、失敗だったな・・・ 日本にいるうちから、送迎をお願いしておくべきだった。
エアインディアの機内食
機は1時間半ほどで、私をバラナシまで運んでくれます。
そして、料金はわずか4,900円。
これで、機内食まで出るんだったら、経済合理性的には鉄道を使う理由がありません。
ま、機内食は、とりあえず腹に詰め込む食料、って感じの内容でしたが。
機は定刻18:40にバラナシ空港に到着。
もう、とっぷり日が暮れています。
日の暮れたバラナシ空港で右往左往
さて、この辺で、ホテルからメールの着信があるか確かめますが、持ってきたwifiがつながりません。
ホテルとは、コンタクトを取れず・・・
万一、迎えに来ている可能性も考えて、大勢の客引きの中に、ボードを掲げている名前を一つ一つ確認していきますが、どうも来ていないらしい。ま、自業自得です。
それどころか、大量の客引き&「詐欺師」に囲まれ、身動きできない状態に・・・
こりゃ、まいった。
夜のバラナシ空港をなめてました。
いったん、雑踏を避けて、再度、wifiへの接続を試みますが、ダメ。
コレは、タクシーで行くと、腹を決めないとダメかな・・・
私は、勝手に叫んでる客引きを無視して、タクシープールの方へ行き、できるだけ年配のドライバーを探して、「SITA ゲストハウス? Do you know?」と聞いて回り、「ダシャーシュワメード・ガートの近くだ!」と言って、ホテルの場所を知ってるドライバーを探しました。
ここで、軽く「ホテル?知ってる!知ってる!」と食いついてくるドライバーは、ほぼ間違いなく「詐欺師」。
インドに限らないですが、こういう国では、「詐欺師」かそうでないかの分別が、実に難しい・・・
何人めかのドライバーが、私の示したグーグルマップをたどって、「SITA ゲストハウス?わかった、1,000ルピー。」と言います。
ホテルの送迎が900ルピーとあったので、法外な値段ではないようです。
念のため、「ダイレクトに行けるのか?」と聞くと、「ノー。ベリーナロー。バット、ノープロブレム」。
何がノープロブレムなのか、まったくわかりませんが、もう覚悟を決めて、このタクシーで行くほかなさそうです。
バラナシに飛行機でアクセスする旅行者は少ないのかな。タクシーの数もそんなに多くないし・・
飛行機を降りてから、とうに1時間が過ぎ、もう20時過ぎ。
ホテルにたどりつけるのは21時半ごろかな。
バラナシ空港は、旧市街から20キロくらい離れています。
空港 ⇒ バラナシ市街の凄まじい光景
しばらく、グーグルマップをみていましたが、どうやら、ちゃんと市街に向ってくれているようなので一安心。
ところが、運転がまったく安心できない。
対面通行だろうとなんだろうと、先行車を次々と追い抜き、交差点は、文字通りのスクランブル・・・
走っている最中に、なんどもクルマやバイクとの接触があります。
はっきり言って、凄まじい世界!
海外では、必ず締める後部座席のシートベルト。しっかり締め付けます。
町の中心に入ったかな。
とたんに、すごい衝撃!
バイクが、右フェンダー付近に接触。というより、ほぼ体当たり・・・
ドアミラーが壊れました。かまわず走り続けるドライバー。
ほんとにこれは、現実の世界か???
中心に近づけば近づくほど、激しさを増す大渋滞。
これほどの喧騒は、かつて経験したことがありません。
ここにきて、ようやく、インドに来たんだと実感しはじめました・・・
バラナシの中心 ゴードウリヤー交差点に降り立つ
クルマ、バイク、リキシャなどの喧騒がマックスまで高まったところで、タクシーは車を止めました。
ここは、バラナシ旧市街の交通網の中心、ゴードウリヤー交差点。
ここより中には、車は入れないとのこと。一応、知ってました。
「これから、私はどうすればよいのだ?」という意味のことを言うと、またノープロブレムと言って、一人の男を連れてきました。
そして、この男が、SITAゲストハウスまで案内するから問題ないと、言っているようです。
タクシー代は1,000ルピー。
この案内役に、カネは払わなくていいんだな?と、何度も念を押して、後についていきます。
この状況、私の立場からは、拒否できる状況ではありません。
はじめて訪れたバラナシの街。そして、迷路のような旧市外・・・
(ほんとに、SITAゲストハウスまで、連れて行ってくれるんだろうか??)
100%迷子になるバラナシ旧市街
案内人は、細い路地が複雑に入りこんだバラナシの旧市外を、完全に勝って知った風に、先導していきます。
このときの気分は、「先導している案内人に、決して心は許さないぞ。」という、戦闘モードに加え、「これがバラナシの旧市街、スゴイ!!」というワクワク感。
こりゃ、旅は、ほんとにやめられませんね(笑)
曲がりくねった細い路地が続きます。
私一人だったら、絶対にたどりつけない・・・
なんか、ふつうに牛が寝そべってるし・・・
案内人に対する警戒感が次第に消え、異国の地にいるという感慨だけが胸を占めるころ、SITAゲストハウスの文字を見つけます。
こりゃ、絶対わからんわ・・・
この先ですね。
ガンガー沿いの「SITA ゲストハウス」に到着
いきなり、目の前に現れるガンガー。
唐突に、目に飛び込んでくるので、さすがにびっくり。
ほんとに川沿いのホテルなんだね。
いやいや、ここまで案内してくれてありがとう・・・
と、お礼を言おうとしたら、「夜の街を案内するよ。」と言ってます。
どうやら、私が、夜の街の写真を撮りまくっていたために、いいカモと思ったのかもしれない。
時は21時過ぎ。本日、インドに着いたばかりといっても、体力的には、まだ十分。
そして、エキゾチックな、バラナシの夜の街を歩いてみたい・・・
正直、タクシーを降りた交差点からここまでの約10分。
私の胸は、異国の地に来たんだ、と、かつてないほどに紅潮しています。
「案内料はいくらだ?」と聞くと、「up to you!」(出た出た、一番やばいパターン(笑))
でも、少しばかりの案内料で夜の路地を案内してくれるなら、と思い、チェックインして、再びここに戻ってくると約束して、ホテルの中にはいります。
チェックインの際は、住所からなにやら、いっぱい書かされました。
そして、ルームキーは、今まで見たことのないような年代もの。
こりゃ、貴重品は自己責任で守るほかありません。
さて、外で待ってる男は、詐欺師かもしれないけど、いくらかのおカネを払って、バラナシの夜を案内してもらいましょうか。