黄河の岸に上陸しました。
炳霊寺の河岸に上陸
ここが、シルクロードの旧道であったのかと思うと、胸がときめきます。
おや、向こうから来る女性2人組。
観光客かな、と思ったら違う。そもそも、ここへは船を使わないと来れない。
ガイドさんいわく、今ここにいる観光客は、私一人だろうとのこと。
世界遺産を独り占め(^^)v 悪い気はしません。
仏像群は、まだだいぶ先とのことですが、切り立った奇勝を眺めているだけでも、寒さを忘れて感動ものです。
これが、悠久の歳月を流れる黄河なんですね。
氷点下なのに、川面が氷結しないのが不思議だ。
ガイドさんはトイレに。
厠も時の流れを感じます。
貸し切り状態の冬の炳霊寺
あれが、炳霊寺の山門ですね。
どこか、ひっそりとした雰囲気が、神秘的です。
チケット売り場。
1人50元(850円)の入場料。
そして、169窟とか特別なものを観ようとすると、追加で300元(5,100円)。
チャーター代といい、ものすごい出費ですが、私は、はるばる日本から、弾丸でこれを観に来たんです。
チケットを売る女性。
寒さに震えながら、仕事をしていました。
ホテルのロビーもそうですが、中国は室内を暖める習慣がないのかな。
ガイドさんに聞くと、笑ってました。
これは、炳霊寺の一般チケット。
チケット裏面の地図。
川岸沿いに、ぐるっと1周してくるんですね。
そして、これが169窟の特別チケット。プラチナチケットといってもよいのかな?
その裏面には、日本語でも説明書きがありました。
さて、169窟の登場は、まだ先ですが、中に入ります。
ここでも、女性の係員が、雪だるまのような格好をしながら応対。
なんか、私一人の観光のために、申し訳ない。
あの岩、こちらから見るとお坊さん。
角度を変えると、ラクダの形になるそう。
たしかに、お坊さんの姿。
炳霊寺の文字が読み取れます。
高いところにあるのは、チベット寺院。
チベットを西といってよいのかわかりませんが、過去1000年以上に渡って、東西文化の交流が合った証です。
よく考えてみれば、川があるから、人は進めるのだし、方角もわかる。
シルクロードが、ここを通っていたというのもわかる気がします。
あの岩、たしかにラクダのような形になってきました。
1500年以上に渡って築き上げられてきた石窟群
さあ、いよいよ石窟群の登場です。
石窟は全部で183。
このように、1つ1つ説明書きがされています。
最初のうちは、石窟もまばら。ガイドさんについて行きます。
ここは、お茶でも飲む休憩場所かな。
この季節は、寒くて、それどころではありませんが。
お坊さんが修行していたといわれる洞窟のあとが、あちらこちらに。
それにしても、スケールの大きな自然です。
この辺から、本格的に現れるのかな。
これが3窟。
一つ一つ、ガイドさんが丁寧に教えてくれますが、全部覚えていないのが悔しい。
ここからシルクロードへ向うには、険しい急峻な道となる。
安全を祈願する意味もあってのことなんでしょう。
初唐とあるのは、唐代の初めのころという意味とのこと。
つまり炳霊寺は、4世紀の西秦時代から、北魏、隋、唐、明、清の時代にかけて、1500年以上に渡って築き上げられてきた。
最盛期は北魏から唐の時代だったとのことで、明の時代に大きく修復されたものも多いらしい。
洞窟の中で、ひっそりとたたずむ石窟も。
顔料もそのまま残されています。
これだけの規模の石窟が1950年代まで発見されなかったというのが不思議。
清の時代には、わりと放置されてしまったというのも、影響してそう。
各石窟には、風雨による風化を防ぐために、木製の扉が備え付けられています。
仏壇に見えなくもない。
この第8窟は、少し変わっていて、石窟ではなく粘土で造られている。
隋の時代のもの。
頭部は壊れてしまっているが、それを壁画がカバーしている。
ほんとに天井まで、素晴らしい壁画だ。
このあたりの石窟は、岩をくりぬいてかたどった石窟。
シルクロード最盛期の唐代のものが多いです。
この15窟は、なんだろう?なにか持ってる?
石窟の反対側は、枯れ川。
夏の雨季の間は流れることもあるそうだが、それでも水量は少ないとのこと。
小さいものから、子供くらいの大きさのものまで、ほんとにすごい数。
この17窟なんて、放置していて大丈夫なんだろうか?
仏壇のオンパレードです。
こういう遺跡に囲まれた場所を、のんびり歩くって、私にとって、最高の贅沢です(^^)v
ただし、寒いですが・・・
さっきの15窟と同じように、何か持っています。
ガイドさんから説明を受けたはずなんだけど、不覚にも忘れてしまった・・
でも、この身体をくねらせているポーズは、まさに唐代の菩薩。
女性の曲線美を表す、官能的な菩薩像です。
この64から68窟にかけても、菩薩立像。唐代の代表的作品とのこと。
70窟の十一面観音像。
唐代のものらしいですが、明の時代に修繕されたらしい。
お、遠くに、大磨崖仏が見えました。
82窟。北周時代の結跏趺坐仏です。
この125窟は、北魏の時代のもの。
2人で、楽しそうに語り合っているような雰囲気。
この若干、面長な仏像は、北魏時代の一般的なスタイルとのこと。
よく風化しなかったな、と思います。ふきっさらしの場所ですから。
これまた、深い時を感じさせる129窟。
仏塔が並びます。
このへんは、エジプトを旅したときにみた無数の壁画を思い出すなあ。
ああ、そして、ついに出ました。
171窟の大磨崖仏。
特別鑑賞としてチケットを買った169窟は、まさにこの上にあります。
そして、どこからともなく、係員が鍵を持って現れ、チケットを見せろと手を差し出します。
さっき、300元だして購入した大事なチケット。この半分を切り取りました。
この係員も、一緒に上に上がって、監視するみたいです。
とにかく、この169窟は特別中の特別のようです。
ガイドさんいわく、料金も高いので、あまり行く人もいないらしい・・・