今日は、今回の旅の最大イベント。
シルクロードの仏教文化が残る「炳霊寺石窟」を訪れる予定です。
西安の乾陵行きが雪に阻まれてしまったので、今回の旅の2大イベントが1大イベントに減ってしまったので、この炳霊寺石窟にかける思いは強いです。
昨夜は、なんとなく興奮して眠れませんでした(笑)
冬季の「炳霊寺石窟」へ行く方法
いうまでもなく、仏教の誕生の地はインド。
そして、仏教はインドからシルクロードを通じて、東に広がり、中国本土に伝わりました。
そのシルクロードの旧道近くで、1952年に発見されたのが炳霊寺石窟。
ちなみに「へいれいじ」と読むそうです。
「炳霊(へいれい)」とは、チベット語で、10万の仏という意味。
その名の通り、急峻な黄河上流の川岸に、長さ約2キロに渡って、183にのぼる石窟が掘られています。
これです↓ 神秘的ですよね。
ところが、この炳霊寺石窟。黄河を遡った奥地にあるので、ここ蘭州から約100キロほど離れた劉家峡という町まで行き、そこから船で黄河を遡るしか訪れる手段がないとのこと。
劉家峡行きのバスは、蘭州からそれなりに出ているようなので、そこまでは公共交通機関で十分行けるようではあるが、黄河を遡る船が、冬場は観光客が少なく激減するらしい。
激減するだけなら、根性出して待ってればいいけど、行く人間が私一人だけだと、そもそも出航しないこともあるようなので、どうしようか、年末からずっと悩んでいました。
それこそ、タイのパタヤビーチでも悩んでました(笑)
そして出た結論は、モーターボートをチャーターすることに。
中国の旅行会社を通じて、往復のクルマ、日本語ガイド、そしてモーターボートの特別チャーター、これらを合わせて合計2,000元なりぃ~。
往復の航空運賃よりも高い石窟ツアーになってしまいました
でも、見れなかったときのことを考えると悔しいし、旅は財産と考えて、チャーターしました。
時間に縛られる旅。現役世代の旅は、このへんが辛いところです。時間を金で買うしかありません。
チャーター車でシルクロードのドライブ
朝7時に起床。
連日の4時起きだったので、十分に睡眠がとれて、快適な朝です。
とは言うものの、蘭州の日の出は8時過ぎ。まだ外は真っ暗です。
お湯を沸かしてコーヒーと、昨夜のうちに買っておいたパンの朝食。
出かける前に装備を確認。
装備なんていうと大げさですが、要するに寒さ対策。
マイナス10度以下の寒気にずっとさらされては身体が持たないし、カメラも心配。
セーターとジーパンの下にヒートテックを重ね着。カメラ温め用に、カイロを2~3個。
そして、マスクに耳あてで完璧。待ち合わせ時間の8時少し前にロビーに下ります。
ロビーにはツアー会社のガイドさん。
「お金下ろせるATM見つかりました?ドルでも大丈夫ですよ。」と、流暢な日本語です。
クルマは、夜が白みはじめた蘭州の街を西に走ります。
すぐに郊外に出ます。
日本語のガイドさんなので、いろんな話が聞けて楽しいです。
蘭州は、中国の中心です。日本の秋田市と友好都市です。昔は、回教徒とのもめ事が多かったが、今は仲良くやってる・・・ など。
日本人観光客は、減少している、というより、ほとんど来ないとのこと。
おお、中国の新幹線。高鐵。
実は、あれは、昨年(2017年)7月に、ウルムチまで繋がりました。
ということは、上海からウルムチまで新幹線で行けるということ。
ここ蘭州からは12時間。上海からはどのくらいかな。
いずれにしろ、すごい時代が来たもんです。
クルマは、郊外の道をひたすら走ります。
ガイドさんいわく、最近できた道路とのこと。
できたばかりのトンネルかな。
チベット仏教の寺院らしい。
新幹線の高架かな。
どこをどう走っているのかわかりませんが、快適なドライブ。
乗り心地はいいし、クルマの中は暖房効いてるし。
この辺も、チベット方面に通じるシルクロードだったようです。
黄河が姿を現しました。
だいぶ上流まできましたね。相変わらず緑色。
ガイドさんによると、夏は水量も多く、黄色いらしい。
削られたままの崖が、大陸を感じさせるな。
こんな風景を見れるだけでも、旅はいいって思ってしまいます。
ところで、このクルマ。ナビがルームミラーに埋め込み式、カッコいい。
しかも、完全に音声対応でした。
赤茶けた崖。
これらの台地を流れるわけですから、黄河の水も黄色く濁るわけです。
また、チベット仏教。
こちらはモスク。
こんな山間にも回教徒の集団がいるんでしょうか。
なにかの石碑?
聞いたけど、忘れちゃいました。
黄河の川幅が広がった、ではなく、劉家峡ダムのダム湖みたいです。
本来なら、この辺から、大型船やモーターボートが出ているようですが、今回チャーターしたボートは、このダム湖に沿ってかなり奥にはいったところにあります。
なので、炳霊寺までも、相対的に早く着きます。
とにかく時間を稼がないと、この後、蘭州の街に戻った際は白塔山にも登ろうとしていますので、どうしても弾丸観光になってしまいます。
こっからさらに100キロ以上先にも景勝地があるんですね。
時間があれば、行ってみたい・・・
ようやく太陽も出てきました。
おいおい、寒くないのかよ。
外は、マイナス10度以下のはず・・
船着場の凍えそうな風景
船着場に到着。
クルマを降りると、さすがにブルッときます。寒い、寒い・・
この寒さで、氷結していないのが不思議。
桟橋は完全に凍っています。
何の畑か?と聞くと、とうもろこしとのこと。
いや、しかし、凍えるような光景だ・・
こりゃ、水に落ちたら凍死だな。
モーターボートで冷え切った黄河を遡る
さて、チャーターしてくれていたモーターボートに乗り込みます。
前にいるのがガイドさん。乗り込もうとしているのが、操縦士。
救命具着けようかなとも思ったけど、ま、いいか・・・
この水温なら、ほんとに落ちたら凍死だろうから。
いよいよ、出航。
岸壁から離れる期待と不安・・
けっこう出航している船。釣りをしているとのこと。
モーターボートは、かなりのスピードで飛ばします。
水しぶきもすごい。
このスピードで何かあったら、終わりだな・・・
運転手が、中国語でいろいろ話しかけてきますが、前見て運転して欲しい・・・
水しぶきが窓にかかると、瞬間氷結!
なんたる寒さ!
これ、落ちたら、間違いなく凍死します。
スピードを少し落として、入り江のような中に。
この先に炳霊寺石窟があります。
水が少しづつよどんだ色に変わってきました。
黄河の上を進んでいるという実感。
この切り立った崖。すごい。
見えてきました。
なんか、すごいところです。いやあ、来てよかった・・・
到着。岸壁を離れてから40分くらいでした。
周りには誰もいません。観光客は、私一人。
しかし、ほんとに、すごいとこに来たもんです。
ここは、中国大陸の奥地・・・ 日本の我が家からは4000キロは離れてるかな・・
観光客かと思ったら、ガイドさんの知り合いのガイドさん。
さあ、いよいよ、炳霊寺石窟です。
楽しみと寒さ、二重の武者震い(^^)v