秋晴れの鋸山・地獄のぞき渋滞 〜 「東海千五百羅漢」の無数の石像群

鋸山展望台からの景観に感嘆し、「百尺観音」の厳粛さに威圧され、ほんとに地元千葉県を旅しているのだろうかと、錯覚におちいります。

ほんと反省すべきは、遠くに行くばかりが旅ではない、ということですね。

では、鋸山山腹の散策。次は「地獄のぞき」に参りましょう。

「地獄のぞき」は渋滞待ちの人気スポット

 

「地獄のぞき」に着いてみて、びっくり。渋滞です(笑)

 

なので、「地獄のぞき」を脇から観賞。

直下は見えなくとも、この迫力。

順番待ちで並びたくなる気持ちもわかりますね。

私は、展望台から東京湾の絶景を楽しみます。

雪をかぶってないので最良ではないけど、みなきゃ損な山。

実は、「地獄のぞき」には、いくつもの展望台があります。

 

だから、なにも「地獄のぞき」に並ばなくたって、絶景は観賞できます。

 

東京湾と房総山地と館山自動車道のハーモニーも。

それにしても、ほんとにすごい崖です。標高が400mないとは思えない。

羅漢エリア「東海千五百羅漢」の無数の石像群

「鋸山頂上」「十州一覧台」「地獄のぞき」と、鋸山の絶景スポットはじっくり堪能できたので、羅漢エリアの山道をだらだらと降りていきます。

羅漢エリアとは、下の地図でご確認ください。これをつづら折りのように下りていくと、鋸山日本寺の大仏に出ます。

そして、そこまで行くと、もう一度登ってくるのは至難の業。

私は、この時点で、帰りは、そのまま山を下り、内房線保田駅から電車に乗ろうと決めてました。

ロープウェイのチケットは往復で買ってしまってましたが、仕方ない。

出典:日本寺公式HPより

羅漢エリアを下っていくと、次々と石像が現れます。「東海千五百羅漢」です。

その数はなんと1,553体。

実は、鋸山は世界一の羅漢霊場として、世界にも名高いそうです。

上州桜井の名匠「大野甚五郎英令」が、門弟27人とともに、約20年の歳月をかけて彫ったもの。

1,779年の出来事です。

すまし顔あり、笑った顔あり、怒った顔あり。

通天閣と呼ばれる岩のトンネル。

見事な岩壁の「千五百羅漢道」。

ところで、この石像の石は、鋸山から切り出された石ではありません。

遠く海を渡って、伊豆から運ばれました。

歩いていると、タイのアユタヤや、ラオス・ルアンパバーンあたりを思い出す。

あせかき不動尊。

毎日汗水たらして働いてくださるありがたい仏から、名前がついたとのこと。

私もサラリーマンとして、襟を正す思い。

どんどん山道を下ります。

悲しいのは、首をはねられた石像も多数あること。

偶像崇拝を禁止する異教徒の仕業かと思えば、明治維新の廃仏毀釈によるものらしい。

そうはいっても、わざわざ首をはねることもないだろうに。

べきら洞と呼ばれるトンネル。

この上に奥の院があるのですが、鍵がかかって入れませんでした。

どこまでも続く「千五百羅漢道」。

ところで、聖徳太子って、いたのでしょうか(笑)

羅漢エリアをだらだら下っていくと、大仏方面へ下りる道と、山頂のロープウェイ駅へ登る道が合流します。

ちょうどその合流地点にある滝が「不動滝」。

不動の滝のたもとで一人たたずむ石像。

滝自体は、それほど目を引くものではありません。いや、雨季なんかは水量が増すのかな。

 

ようやく、「千五百羅漢道」を下りきりました。

日本寺の案内書には、すべてを鑑賞するには丸2日を要すると書かれていましたが、ダテではないですね。

「地獄のぞき」の展望のみならず、岩肌にところ狭しと並んだ「千五百羅漢」は圧巻そのものでした。

私は、頂上から下ってきましたが、登りに挑戦する方もけっこういました。

勾配は急とはいっても、鋸山は標高329mです。初心者でも登れない高さではありません。

秋晴れの日なんかは、ハイキングを兼ねて登山に挑戦してみてはいかがでしょうか。

山頂には、「地獄のぞき」や「十州一覧台」の絶景が待ち受けてますよ。

 

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「鋸山ロープウェイ」はこちら↓