ソフィアから列車の旅、ほぼ貸し切りのコンパートメントで6時間15分。
ルーマニアとの国境が近づいてきました。
そして、窓外に初めて見る高架道路。国境の町ルセに到着です。
あれはモスクでしょうか、教会でしょうか。
ミナレットがあるのはモスクに見えるけど、てっぺんには十字架がある。
見事なつくりのルセ駅の駅舎
ソフィアからの長旅お疲れさまでした・・って、私のほかに乗りとおした人いるのかな。
ソフィアからルセは、バスのほうが1時間ほど早い。
でも、景色もよく、あっという間の6時間でした。
ブルガリアの首都から、ルーマニアの国境の町まで鉄道旅ができたことが旅人として嬉しい。
このレールは、このままルーマニアへ続いているはずです。
しかし私は、この国境の町ルセを歩いてみたかったし、国境を越える列車の時刻がうまく合わなかったことから、ルーマニアへはバスで渡ることにしています。
地下道を通って、駅のコンコースへ。改札口などありません。
うわ・・すごい駅舎だ。
ルセは人口17万人、ブルガリア第5の都市。
しかし、ソフィア・セントラル・ステーションにまったく引けを取りません。
そんなルセ駅のコンコースをしばし探索。
ソフィア行きは14:20に出るのか・・さっきの客車が折り返すのかな。
懐かしい公衆電話。一番右はATM?
欧州の人たちの建物に対する思いが良く伝わります。
扉ひとつとっても、通過するたびに襟を正させるようなたたずまい。
駅舎の外に出れば、これまたエンタシスのような柱です。
ルーマニアから来れば、この駅がブルガリア最初の駅になるわけですからね。
威厳は大切ってとこでしょうか。
これはどういう意味だろう? バルマはブルガリアの黒海沿岸の町。
キリル語があふれるルセのバスターミナル
さて、すでに13時半なので、すぐにでもルセの町を歩きはじめたいところですが、まずはなにを置いてもやっておかなくてはならないこと。
ルーマニアへ渡るバスチケットの確保です。
さいわい、ルセのバスターミナルは、鉄道駅のすぐ横にあるため、簡単にたずねることができます。
こちらでいいのかな・・
建物すべてが威厳がありすぎて、お城の中を歩いている感じ。
お、バスがいっぱいいました。ここがバスターミナルで間違いなさそうです。
さて、今度は窓口どこかな・・
食べ物屋さんもありますね。
キリル文字のオンパレード。
さすがに、ルセとソフィアは覚えたけど、まったくわからん。
文字がサイヤ文字にみえてきたw
あ、でも、イスタンブール行きなんてのもある。
バスターミナルの中に入ってみると・・
いやあ、壮観だなあ・・
ほんとにわけわからん・・ここまで、わけわからないと、ゾクゾクするものです(^^)
異国どころか、異星に来たかのようですが・・
でも、いちおう予備知識はえておきました。
- ルセからルーマニアの首都ブカレストへは、北へ70㎞ほどの距離。
- 1日バスが数本出ていて、所要時間は3時間ほど。
- 午前3時ごろ出発するバスがあり、それはブカレストの「ミリタリ」というターミナルに到着する。
- このバスであれば、午前6時ごろにはブカレストに着くので、そのままブラショフという町に向かいたい私には都合がいい。
こんな感じです。
ブカレスト行きチケットGET!
私は、やさしそうなおばさんがいる窓口に行き、ブルガリア語に翻訳したスマホを見せました。
すると窓口のおばさんは、よくわかったと私のほうを見て「ミリタリ?」「パスポート」といいます。
わざわざ「ミリタリ」と聞くのは、ブカレストの空港行きのバスもあるからでしょう。
そして、さすがに国境越えのバス。チケット購入にパスポートがいるのでした。
そして、見事にチケットゲット。ほっとする瞬間です。
チケットに名前まで書きこまれているのが、まるで国際線のパスのようですが、おばさんが英語で
「明日の朝は、少し早いけど2時半にはここに来てね」
と繰り返します。
バスの出発は、午前3:15とあるのに、国境を越えるからなにか手続きでもいるのでしょうか。
2時半か・・・ホテルを2時にはチェックアウトしないと、起きれるかなw
ちなみに、料金は18レヴァ(1332円)。ルートはこんな感じです。
ルセの駅前「ホテル コスモス」にチェックイン
思惑通りに事が進んで、喜びながらバスターミナルを出ます。
弾丸で旅していると、ひとつの歯車の破綻が、連鎖破綻になることもあるので、各々の関門のクリアは本当に嬉しい。
本日に関する限り、もうなにも心配することはない。
ホテルに荷物を置いて、町の観光に行きましょう。
ここが、ルセ駅からまっすぐ北に伸びる「ボリソバ大通り」。
そして、こちらが予約してある「ホテル コスモス」です。
ルセの中心街は、この「ボリソバ大通り」を15分ほど歩いた北にあります。
だから、駅前付近のホテルを探すのには骨が折れました。
なんたって、明日の朝は午前2時起きなんです。
バスターミナルに近いホテルでないと難民になってしまう。
扉を開けると、あれ? ホテルというよりレストラン?
レストランが併設された駅前ホテルのようでした。
フロントのお姉さんに「明日は午前2時にチェックアウトしたい」旨を翻訳アプリで告げると、
「大丈夫よ。24時間、誰かしらがフロントにいるから。」
とかえしてくれました。
私の部屋は「121」。
おお・・いい部屋じゃないですか。
ブッキングドットコムで予約した4,100円の部屋。完璧です。
翌日、ルセ駅やバスターミナルから、どこかへ出かけようとする旅行者なら、宿泊は「ホテル コスモス」一択になるんじゃないのかな。
グーグルマップで調べても、駅前にはここしかありませんでしたから。
それで4,100円なら十分、コスパ完璧です。
シャワールームも広く清潔。
お湯もちゃんと勢いよく出ました。
それにしても、「国境の町」って、いい響きだよなあ。
島国育ちの私としては、陸路国境に憧れます。
地面に線が引かれていて、ここからこっちが自分の国、向こうが相手の国。不思議だ。
素朴なキーを机の上に放り出し、国境という余韻にしばしひたります。
さて、時刻は14時。日没は18時。これから4時間、ルセの町の弾丸観光開始。
まずは遅めのランチですかね。