先日、「あやうく一生懸命生きるところだった」を読んで、急ぎすぎず、自分にブレーキをかけるタイミングを、あらためて悟った。
そんな気持ちで、自粛中に、部屋の本棚を整理していたら、こんな本が出てきた。
本の奥付を見れば、2003年11月。
双子の子供が生まれて、なんとか人生を変えなくてはいけないと、歯を食いしばっていた頃だ。
そんなときに、このような本を読んだってことは、多分疲れていたんだろうな。
急ぎすぎは、本当に身体と心によくないよな・・・
というわけで、今の私の心境に似ていたので、もう一度読んでみました。
と、思ったら、「あやうく一生懸命生きるところだった」とは真逆の本でした(笑)
この本には、「あくせく働かずに豊かな暮らしを実現させる134の法則」というサブタイトルがついています。
この本で定義する「ナマケモノ」とは、
つまり、「根性論」のような無駄な努力をしないので、はためには怠けているように見える。
でも、本当に「なまけて」いたら何も得られませんよ、ということが言いたい本なのです。
要するに、「頭をフル回転させて生産性をあげろ!」ってことですね。
なので、現在「ちょっとだけ、なまけてみたい」モードに入ってる私が読む本ではない。
でも、乗りかかった船、134の「法則」だけ拾い読みしました。
「ナマケモノ」理論と私の意見
読んでちょっと意外だったのは、この本の作者は「アーニーJゼリンスキー」さん。
カナダの作家であり、コンサルタントであります。
いわゆる西側の欧米人の方なのに、「西側諸国の労働者は、無価値なすさまじい長時間労働をしている」と言っていること。
まあ17年も前の本なので、状況は変化しているでしょうが、欧米諸国の労働事情って、効率性が徹底的に追求されて、日本とは比べ物にならない生産性の高い構造だと思ってました。
では、私の気になった格言を紹介しますね。
自分が何をすべきか慎重に選ぶこと。その選択が間違っていたら、どれほどの成果をあげようとも成功と幸せは手に入らない。
自分の能力を慎重に見極めろってことですね。
身もフタもない言い方をすれば、
野球の才能もないのに、プロ野球選手目指したら、大変な苦労が襲いかかるぞ、みたいな。
でも、これはうなずける格言です。
世間の流れに身を任すのは愚かなことだ。その先には、大きな失望と幻滅が待ち受けている。
他人のマネをしても、個人としての幸せや充実感は得られない。
周囲が言っていることをうのみにするな、ってことですね。その「流れ」が本当に必要と判断したらついていけばよい。
副業ブームなんて、まさにそれじゃないかな。
副業がしたいんじゃなくて、おカネがほしいんでしょ(笑)
世間一般でいわれる成功の定義を受け入れるな。成功という言葉を、自分自身で定義し直してみよう。そうすると、成功に手が届きやすくなる。
本書の格言で、秒でうなずいたフレーズがこれ。
成功とは、自分が考えた夢や目的を達成することだよね。
私は、自分の能力をわきまえているから、手が届かない目標設定はしてません。
精神論者がいう「目標は高く!」はウソです。
なお、本書では、「自分は成功した!」つもりでも、実感が伴わない場合は、自分自身の中に「成功」がしっかり定義されていないから、とも書かれています。
勤勉に働けば、成功すると勘違いしてはいけない。多くの場合、勤勉な労働は無意味な結果を生むだけだ。
これについては、若干意見あり。
日本の多くの会社員にとって、「勤勉さ」は有益です。立派なスキルです。
日本は、そういう文化だからです。
会社員やってれば、どうしたって、上司や、役員や、取引先とのコミュニケーションが必要。
そこでの「勤勉さ」は「誠実さ」にもつながり、かけがえのない「信頼」をうみます。
私は、そうやって、会社員を20年以上続けてきました。
職業の選択はくれぐれも慎重に
本書には、こんなフレーズもありました。
- 人の一生には厳しい試練がつきもの
- 最悪の仕事を選んで、人生をさらにみじめなものにする必要はない。
- たとえば精神科医はやめておけ
- 毎日毎日、狂った人間の相手をしなくてはいけないのだから
思わず笑ってしまいましたが、言い得てますね。
今は、転職が簡単にできるので、就職した会社がブラック企業だったとしても問題ないけど、精神科医なんて、なるのにすごくコストかかってそうだから、イヤなのになってしまったら大変だ。
もちろん、そこに使命ややりがいを感じてる人は別です。
いわゆる幸せの相対性理論
まとめると、
- 努力は必要だが、その努力の方向が、自分の目的に向かっていないと無駄になる。
- 「金持ち」や「成功」は、その定義を自分の身の丈に合わせる必要がある。
まあ、要するに、しあわせの相対性理論だよね。
ハードルが低ければ低いほど、成功確率が上がるのは当たり前のこと。
結局、
「自分が本当にやりたいことは何か?」
「そのために必要なものは何か?」
これだけ考えていれば、勝手にしあわせは訪れると思う。
だから、本書は「幸せなお金持ちになれる本」ではなくて、
「幸せになれる本」とすべきだと思う。
17年も前の本、読む人はいないと思いますが!(^^)!